2月 4日 土曜日

琴引八幡と有明浜を、東側の上空から俯瞰(ふかん)したような視点で西丈は描いている。あるいは象頭山から高性能の望遠レンズでのぞいて、琴引八幡と有明浜だけを切り取ったイメージであろうか。絵の中央下、木に囲まれた石垣の上に社が描かれているのが琴引八幡。海際の小高い山の上に立地していることがわかる。

『金毘羅名所図絵』にも大きな松に囲まれた石垣の上に、本社、高良社、大師堂などの建物が見える。明治時代の神仏分離以前までは、琴引八幡は四国遍路の第68番の札所でもあった。

琴引八幡の上部にはきれいな砂浜が広がっているが、この砂浜が「日本の渚百選」にも選ばれている有明浜。香川県観音寺市室本町、八幡町、有明町にかけての約2kmにも及ぶ瀬戸内海に面した砂浜で、『金毘羅名所図絵』にも「琴弾山の麓の濱をいふ、當国第一の絶景なり」と記されている。
嘉永3(1850)年にこの地を訪れた浄瑠璃太夫の竹本梶太夫(染太夫)も、「当山絶頂の御本社が琴引の八幡宮、則ち六十八番の霊場にして、風景のきれいなる事ほかにはあるまじき景地、裏へ廻り下向道、象ケ鼻といふ名所、下を見れば有明の浜とて絵にかく如くの風景なり」とその景観を絶賛している。西丈自身も琴引八幡と有明浜を織り込んで、「有明の月に琴引ぐ社哉」の句を絵の右端に書き込んでいる。
画面左下には「三ガノ橋」の文字が記され、木製の橋が描かれている。これは染川に架かる三連続の橋のことで、橋詰めは観音寺の町並みで、商家工家が軒を連ねる繁華街であった。西丈もその部分だけ家が建て込んでいるように描いている。
当館では、企画展「四国へんろの旅-絵図・案内記と道標-」が2月21日~4月8日の会期で開催されます。多彩な資料で四国遍路の魅力を紹介します。ぜひご覧下さい。
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1月 24日 火曜日
2カ月に1回開催している「ワタから糸をつくろう」は、1月22日(日)に実施しました。その際にはちょうど来館していた愛媛大学の留学生の方々にも参加いただきました。

ネパールとインドネシアからの留学生だそうで、みなさんとても日本語が上手です。母国もワタづくりが盛んだそうで、とても興味をもっていただけました。糸車に挑戦しています。少しするとだんだんコツがつかめてきました。

こちらでは、綿の実から「ワタ」と「タネ」を分けています。綿の実をはさんでローラーをまわすと、タネだけが手前に落ちてきます。

最後には機織りも体験。綿から糸をつくって、コースターを織り上げるまで、楽しい一時となりました。

自分の作品を手にしてにっこり。ぜひ使ってみてください。
次回の「ワタから糸をつくろう」は、3月18日(日)の午後1時から3時です。ふるってご参加ください。
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12月 21日 水曜日
民俗展示室には実物大の復元家屋があり、季節に合わせて料理や、部屋の道具を替えています。
先日、寒い冬を暖かく過ごすための民具とお正月料理の食事を展示しました。
丹原地方の農家をモデルにした里のいえにずらりと並んだ暖房道具です。

あんかやこたつ、火鉢など用途に応じて様々な形をしています。
いずれも炭を燃やして熱源としていました。
後列の二つはやぐらごたつといって、上に布団をかけて使います。
同じ道具に見えますが、左側のこたつは熱源が炭ではなく電気で暖かくなります。
また、同じく里のいえにはずらりとお正月料理も並びました。
箱膳にのりきらないほどのご馳走です。

数の子や五目豆、紅白なますなどは現代のおせち料理でも見られます。
また、白いご飯を食べることができるのは、お正月などやお祭りなど特別な時だけでした。普段の食事は麦を混ぜたご飯です。

現代のお正月料理と比べてみても面白いかもしれません。
「お正月・めでた尽くし」と合わせて、ぜひお正月は家族皆でれきはくにいらして、目で暖かさとおめでたさを味わってください。
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12月 15日 木曜日
お正月、1月2日(月)から開催されるテーマ展「お正月・めでた尽くし」展の設営・列品は着々と進んでおります。
14日には、巨大な紙幟が2点、登場しました。

展示室のフロア狭しと、広げられたこの紙幟。
明治時代初期に宇和島市内で端午の節句に掲げられていました。
この巨大な紙幟が空にはためいた様子を想像するだけで、気分が高揚してきます。
今回は博物館で展示ということで、間近でじっくり見ていただけますので、大きさももちろんですが、おおらかな絵柄も味わってください。
先日ご紹介した、大きな神社幕に負けないスケールとおめでたさを備えた巨大紙幟、もちろん絵柄もおめでたいものになっています。
どのような思いのこもった絵柄か、展示室で確かめてください。
お正月、れきはくの企画展示室でお待ちしています。
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12月 14日 水曜日
お正月、1月2日(月)から開催されるテーマ展「お正月・めでた尽くし」展の設営・列品がはじまりつつあります。
13日は、幅9メートル、高さが1.6メートルもある大きな神社幕を展示しました。

こちらの資料は、「竹に虎」という縁起の良い組合せが描かれています。
虎は、四神の一つ西を守護する「白虎(びゃっこ)」として古くから描かれてきました。中国では虎は竹林に住まうとされることから、吉祥の文様として愛されています。十二支の一つとしてもよく知られています。
またこの神社幕は、その大きさも見ものですが、寛政11(1799)年に製作されたもので、染織資料としても貴重なものだといえます。
まだまだ準備段階の「お正月・めでた尽くし」展ですが、おめでたいだけではなく、空間をダイナミックにつかった展示になりそうです。
寅年の方もそうでない方も、雄雄しい虎に会いに、お正月はれきはくにいらしてください。
もちろん来年の干支「龍(辰)」に関係する資料も展示されますよ!
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11月 24日 木曜日
現在、愛媛県歴史文化博物館では「邪馬台国時代の伊予・四国」が好評開催中ですが、その一方で次の展示も準備中です。
お正月、1月2日(月)から開催されるテーマ展「お正月・めでた尽くし」展はその名のとおり、愛媛のお正月にちなんだ行事や、おめでたい図柄の持つ資料、干支である辰(龍)にちなんだ資料などを写真パネルとあわせて展示します。
先日、「お正月・めでた尽くし」展で展示する資料をお借りするために、西宇和郡伊方町の個人のお宅におじゃましました。
こちらでお借りしたのは「伊勢型紙」です。伊勢型紙は布を染める時に使う「道具」ではありますが、バラエティに富んだ美しい文様には目を見張るばかりです。
その伊勢型紙の中から、おめでたい文様の資料をお借りしてきました。
まずは、絶対にはずせない龍の文様です。

龍をモチーフにした型紙も、龍の顔や構図、背景などの異なる多彩なデザインのものがあります。
そしてずばり「寿」の字をデザインに入れた型紙もあります。

こちらは、同じくおめでたい菊ととりあわせてあります。
福を呼び、災いを遠ざける縁起の良い文様は、見ているだけでこちらまで幸せになり、元気をもらうような気がしてきます。
中には「どこがおめでたい模様?」と思われるものもあると思いますが、そこには深い(もしくはだじゃれ的な)意味が隠されていますので、ご家族みんなで考えてみられてはいかがでしょうか?
お正月にはぜひご家族そろって歴博においでください。
テーマ展「お正月・めでた尽くし」
会期 平成24年1月2日(月)~2月5日(日)
会場 企画展示室
*常設展示観覧券が必要です。
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11月 18日 金曜日

先日、伊予市教育委員会の依頼により、共催展「いよし写真展-地理学者・村上節太郎が見た風景-」の列品を行いました。今回の共催展では、郡中の花かつおづくり、犬寄峠の変遷、砥部焼の製造など、地元の伊予市や伊予郡に関する写真をはじめ、伊予灘の漁業に関する写真、その他昭和の暮らしを記録した写真など、54枚を展示しました。

村上節太郎の写真を共催展も3回目になるので、今後の活用も考えてプロフィ-ルサインも新たに準備しました。新たにつくったサインには、昭和39年の由利島の灯台を調査した際の村上先生の写真を入れました。数々の調査写真を撮影したカメラを手にしており、地理学調査にかける先生の意気込みが感じられる1枚です。

共催展「いよし写真展-地理学者・村上節太郎が見た風景-」は、休館日を除く11月12日(土)から12月11日(日) にかけて、伊予市立図書館で開催しております。お近くの方はぜひお立ち寄りください。
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11月 17日 木曜日

妙見山1号墳にて
前回紹介しました体験講座「遺跡ウォーク2 香川の前期古墳を歩く!」に続いて、10/29(土)に「遺跡ウォーク3 妙見山古墳・相の谷1号墳を歩く!」を実施しました。参加者は22名でした。この日も、天気予報では雨でしたが、雨に遭うことなく、行程を終えることができました。
博物館・大洲・松山・今治にて参加者が乗車後、妙見山1号墳・大西藤山歴史資料館に向かいました。
妙見山古墳は昨年、国史跡指定を受け、ガイダンス施設である大西藤山歴史資料館も7月に常設展示をリニューアルされました。今回の講座では、資料館の展示リニューアルに合わせて特別展での資料の借用を見合わせた妙見山1号墳の出土遺物と同古墳を現地でじっくり見学することにしました。
約1時間半近くかけて、同古墳と資料館を見学後、今回のもう1つの見学地である相の谷古墳群へバスで移動しました。
見学前に来島海峡大橋を眼前にしながら昼食をとり、相の谷古墳群に向かいます。
この古墳には、2年前に遺跡復元画の作成のため、イラストレーターの早川和子氏と一緒に訪れました。その際は、雑木林の中にあり、主体部の跡も発掘調査後、長年放置されたままで古墳見学に慣れている人でなければ、どこが前方部なのか、どこが後円部なのかを判断することができない状態でした。
相の谷1号墳 主体部にて
しかし、昨年から周辺でボランティア活動をされている「しまなみ海道周辺を守り育てる会」によって、古墳周辺の環境整備が始められ、非常に見学しやすくなりました。今回の見学にあたっても地権者の確認・承諾を得て頂いたくとともに、見学路の伐採作業をして頂きました。

相の谷1号墳 前方部にて
また、下見の際に2号墳の場所を地図とともに示させていただいたところ、数日前に2号墳付近も見学可能なように伐採して頂いていました。
といっても妙見山古墳のように整備されている訳ではないので、参加者の方には午前中に「前方後円墳」のイメージを持っていただき、そのまま、午後に相の谷1号墳を見学してもらうように促しました。
30分近く、測量図を基にどこが前方部であるか、後円部であるかを確認しながら、1号墳と2号墳を見学しました。1号墳には、今回の見学に当たって、同会の活動状況がパネルで紹介されており、参加者ともども注意深く、拝見するとともに、感謝した次第でした。
「しまなみ海道周辺を守り育てる会」作成パネル-1

「しまなみ海道周辺を守り育てる会」作成パネル-2
県内最大の前方後円墳を「地域の宝」として、地域住民の活動によって、その価値を再確認し、整備しようとされる方針は、近年の県内の文化財保存の方法の1つとして注目されます。相の谷古墳群の出土遺物を保管する当館としても(担当者の個人的な意見ですが)、今後も同会の活動についてはできるだけご協力したいと考えています。
参加者一行は、ここで、当日の見学日程を終え、今治・松山・大洲を経て、博物館に帰館しました。
参加された方のアンケートにも「ゆっくり見学することができてよかった」というご意見があり、多くの方が満足されたようでした。
今回の見学にあたり、多大なご協力を得ました「しまなみ海道周辺を守り育てる会」の皆様並び大西藤山歴史資料館、今治市教育委員会文化振興課の各位並びに参加者の皆様にお礼申し上げます。
また、特別展「邪馬台国時代の伊予・四国」では、相の谷1号墳の出土遺物を展示しております。講座に参加された方も参加できなかった方も是非、展示室にてご覧ください。
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11月 15日 火曜日
11月13日は、れきはくの開館17周年を記念して、様々なイベントが行われました。

なかでも人気だったのは、恒例の餅まき。大盛り上がりで、楽しい一時となりました。
開館記念日は、常設展も特別展も無料のため、いつもはエントランスホールで行う「ワタから糸をつくってみよう」も、民俗展示室の里の家で実施しました。古い民家で作業していると、一段と昔の暮らしが実感できそうです。

里の家の中で、綿繰り機を使って、綿の実からワタとタネを分けています。ハンドルをくるくるまわすと、ワタだけが通り抜けて、タネが手前に落ちていきます。みんな夢中になってハンドルをまわしていました。

里の家の外では、機織り体験が行われました。唐箕の向こうに2台の機織りが見えますが、この2台で小さな布を織っていきます。

上手に杼(ひ)を使って横糸を通して、筬(おさ)でトントンと横糸をしめて織っています。これを繰り返していくと、小さなコースターが織りあがります。機織りは大人気だったので、1時間延長してできるだけ多くの人に体験いただきました。
なお、次回の歴史文化体験「ワタから糸をつくってみよう」は、来年1月22日(日)の午後1時~3時です。たくさんのご参加をお待ちしてます。
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11月 5日 土曜日
この秋になって、地理学者・村上節太郎が撮影した写真パネルの利用が増えています。

先日も周防大島で開かれた日本民具学会の会場に、昭和20~30年代の忽那諸島を撮影した写真が、民俗学者・宮本常一の写真とともに展示されました。

昨日は、五十崎自治センターの依頼により、共催展「村上節太郎写真展」の列品を行ってきました。村上節太郎の生家にすぐ近い場所でのお披露目の展示になります。展示構成は9月に内子町役場内子分庁で展示したものと同じですが、五十崎の写真を増やすように、パネル数枚を入れ替えました。この展示は自治センターの文化祭に合わせてのもので、11月5日(土)、6日(日)のわずか2日間しかありませんが、お近くの方はぜひお立ち寄りください。
なお、今後の共催展としての村上節太郎写真展は、11月12日(土)から12月11日(日)にかけて伊予市立図書館において、「いよし昭和写真展-地理学者・村上節太郎が見た風景-」が予定されています。詳しくはまたブログでお知らせします。
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