Archive for the ‘常設展おすすめ情報’ Category

昔の道具~冬のくらし編~ 3

2014年12月14日

 冬のくらしに活躍する昔の道具、暖房道具を紹介しております。
 前回のブログで紹介した「手あぶり」の別名は「ダルマ」でした。色といい形といい良く似ています。
 火にかざして暖める、「あぶる」ことから名づけられた暖房道具を他にご紹介します。

 こちらの道具は「足あぶり」
 両足がちょうど乗るくらいの大きさの鉄製の暖房道具です。腰掛の下におき、足をのせて使いました。

 こちらの色鮮やかな道具が「江戸手あぶり」
 ふたを開けて炭を入れ、ふたを閉めて使います。ふたがついているので、熱があまり逃げず、直火にあたる危険もないので子どもでも安心して使うことができました。上に布団をかけてこたつとしても使うことができます。

 最後に別名クイズ第二弾です。
 次の資料は「あんか」といって、土製の入れ物の中に火入があり、布団をかけて手足を暖めます。

 こちらの資料もその形状から別名でよばれることもありました。さてその別名は下の三つのうちどれでしょうか?

①キシャ ② カマボコ ③テツゴウシ

答えは次回のブログで。

昔の道具~冬のくらし編~ 2

2014年12月13日

 冬のくらしに活躍する昔の道具といえば暖房道具です。 愛媛県歴史文化博物館民俗展示室では、復元家屋「里のいえ」を中心に昔の暖房道具を展示しています。

 トップバッターは火鉢です。灰を入れて炭火で暖を取る道具です。

 真鍮(銅と亜鉛の合金)でできた火鉢です。お客さま用に使い、お湯などは沸かしません。
 次の写真は桐火鉢といい、その名の通り桐の木でできています。

 とはいえ熱源は炭。木材で燃えてしまわないのかと思いますが、縁をよーく見ると

 木の火鉢が燃えないように中に銅など金属の箱が入っています。
 一口に火鉢といっても素材や使用方法など様々です。

 では最後にクイズを一つ。
 次の資料は「手あぶり」といって、文字通り手をあぶって暖を取るための道具です。

 しかしその形状から別名でよばれることもありました。 さてその別名は下の三つのうちどれでしょうか?

①マメ ②プチトマト ③ダルマ

答えは次回のブログで。

昔の道具~冬のくらし編~ 1

2014年12月12日

 11月26日に行った展示替えでは、冬のくらしに活躍する昔の道具も展示しましたので、これからブログで少しずつ紹介していきたいと思います。

 まずは愛媛県歴史文化博物館民俗展示室2、復元家屋「山のいえ」にあるおひついれです。
 おひつは、炊き上がったご飯を釜から入れて、保温しておくための入れ物です。ご飯の余分な水分を吸い取ってくれるため、おいしく食べることができたそうです。
 しかし寒い冬にはご飯の保温時間も短かったため、稲わらで編んだ入れ物、おひついれに入れていました。

 次に、「海のいえ」の座敷で見ることができるのが「夜着(よぎ)」です。

 きもののような形をしていますが、夜眠る時に使う寝具です。

 この資料はお客様用の夜着ですので、襟元にはビロードが使われており、暖かく眠るだけでなく肌触りも考えられています。
 「夜着」のような昔の道具を実際に体験できるのは博物館では「特別」のこと。
 普段は申し訳ありませんがご遠慮いただいております。
 しかし!「夜着」をはじめとした昔のくらしを「知る」だけでなく「体験」もできるイベント「昔のくらし探検隊♪冬のくらし編」が新春のれきはくで行われます。
 また昔のくらしを楽しく学べる講座「親子で学ぼう!古い道具と昔のくらし」も年明け1月17日(土)に開催されます。こちらは親子ではなくても参加OKです。

 小学校3年生の社会科では「昔の道具とくらし」を学校で学びます。教科書に出てくる昔の道具に博物館で出会うことができますので、ぜひおいでください。

〇「昔のくらし探検隊♪冬のくらし編」
 学芸員とめぐるれきはく内探検ツアー!昔のくらしってどんな感じ?
日時:1月4日(日)、5日(月)13:30~(一時間程度)
集合場所:総合案内横
参加費:常設展チケット(当日券)が必要(中学生以下は無料)
   
〇民俗講座③「親子で学ぼう!古い道具と昔のくらし」
 日時:1月17日(土)13:30~15:00
 参加費:無料
 申し込みが必要です。希望する講座名・講座番号とご住所・お名前・年齢・電話番号など必要事項を記入し、はがきなどでお申込み下さい。
 お問い合わせ:企画普及グループ 歴史文化講座係
TEL(0894)62-6222
FAX(0894)62-6161

昔のお正月料理

2014年12月11日

 11月26日に、当館ボランティアさん3名とともに、愛媛県歴史文化博物館の民俗展示室2において展示替えを行いました。
 海のいえ、里のいえ、山のいえそれぞれの食事模型をお正月料理のものに展示替えしました。

 

 海のいえのお正月料理はちゃぶ台の上に並んでいます。

 山のいえのお正月料理は囲炉裏を囲んでいただきます。

 里のいえは、ずらりと並んだ箱膳でのお正月料理です。
 例年、この時期しか展示しないレアな食事模型です。
 現代のおせち料理にも見られる、数の子や昆布を使った料理、お雑煮もありますので比べてみるのもおススメです。

テーマ展「江戸・近代の絵巻を楽しむ」開幕!

2014年11月29日

テーマ展「江戸・近代の絵巻を楽しむ―博物館コレクションから―」が本日11月29日(土)に開幕しました。

会場は、文書展示室です。

愛媛県歴史文化博物館では、平成6年の開館以来、愛媛の歴史や人々のくらし・文化に関わるさまざまな資料を収集してきましたが、今回は、博物館コレクションの中から、江戸時代・近代の絵巻を特集展示しました。

瀬戸内海の航路、海上交通をビジュアルに描いた「西国海路図絵巻」(江戸時代中期、当館蔵)

別子銅山における銅の採掘から精錬までの過程を描いた「別子鉱山図巻」(明治18年、当館蔵)

道具の妖怪が大行進する姿を描いた「百鬼夜行絵巻」(江戸時代写、当館蔵)

宇和島市吉田町の吉田秋祭りの江戸時代後期の様子を描いた「吉田祭礼絵巻」(大正5年写、当館蔵)

この4点を、大パノラマのように広げて展示しています。

絵巻資料は、通常展示室では展示スペースの関係上、長い幅で広げて展示、紹介することが難しいのですが、今回は4点に絞り、なるべく多くの場面をご覧いただけるようにしています。

会期は、平成27年1月25日(日)までとなっています。(常設展示観覧料で観覧できます。)

テーマ展「すえのうつわもの-館蔵品の須恵器紹介-」開催中

2014年11月7日

10月11日(土)より、考古展示室にて「すえのうつわもの-館蔵品の須恵器紹介-」と題したテーマ展を開催しています。

これは、当館保管の須恵器のうち、5世紀後半から8世紀ごろのもの、およそ300点を展示し、時期ごとの変遷や器種の多様性を紹介するものです。

展示している須恵器の出土した遺跡名を列挙しますと、展示室入って右側から順番に、上難波南10号墳、松環古照遺跡、久米窪田Ⅴ遺跡、上難波南0号墳(いずれも松山市)、経ヶ岡古墳(四国中央市)、上三谷原古墳(伊予市)、大小谷谷窯跡(四国中央市)、尾土居窯跡(西条市)、片山1号墳、同4号墳、同7号墳(いずれも今治市)、池の内遺跡(西条市)です。

また、展示室中央部では、上三谷4号墳(伊予市)から出土した大型の壺や、池の内遺跡から出土した大型の甕、大下田2号東墳(砥部町)から出土した器台、上三谷2号墳(伊予市)から出土した装飾須恵器などを展示しています。

本テーマ展は、来年4月5日(日)まで開催しております。常設展示室の一部ですので、常設展示観覧料が必要(小中学生は無料)となりますが、須恵器の優美な形や古代人の技を感じに、ぜひ見にいらしてください。

また、平成27年2月7日(土)には、三吉秀充氏(愛媛大学埋蔵文化財調査室講師)による講座「須恵器の生産と流通」も開催されます。そちらもあわせてご参加ください。

テーマ展「悼みのかたち-縄文・弥生時代のお墓-」の開幕

2014年3月21日

今年度、考古展示室においては「常設展示室における復元住居の遺跡-半田山遺跡と片山内福間遺跡-」、「発掘された伊予の井戸」といった2つのテーマ展を行ってきました。それぞれ生活を営む上で重要となる「住居」と「井戸」をテーマに企画したものですが、今回は「悼みのかたち-縄文・弥生時代のお墓-」と題した「お墓」の展示を行います。

古来より、墓には、単純に地面に穴を掘っただけの土坑墓や、土を盛って築いた墳丘墓、土器棺や木棺を使って埋葬した墓など様々な形態があり、こうした特徴の違いは、時代や地域など、人々の死生観や社会構造の変化が大きく反映しているようです。また、そこから出土する人骨や副葬品は、人類学や考古学にとって大変貴重な資料も多く、当時の社会を知る上で重要な手掛かりとなっています。

そこで本展では、北井門遺跡2・3次調査(松山市)・持田町3丁目遺跡(松山市)・水満田(みつまた)遺跡(砥部町)といった縄文時代後期末~弥生時代後期の遺跡を中心に取り上げ、縄文人・弥生人の埋葬に対する意識や習俗、社会構造の変化について紹介したいと思います。

本テーマ展は、6月8日(日)まで開催しております。常設展示室の一部ですので、常設展示観覧料が必要(小中学生は無料)となりますが、ぜひ見にいらしてください。

お正月の支度

2013年12月25日

 年の瀬も近くなり、博物館でもお正月支度が着々と進んでおります。
 先日は民俗展示室2の復元家屋に並べられている食事模型がお正月のものに変わりました。

海のいえでの展示替えの様子

いつもは麦のまざったご飯もお正月は輝く白米に変わります。

里のいえの箱膳に乗り切らないほどのお正月の料理が並びます。
お雑煮やかずのこなど、今のおせち料理とくらべてみるのも楽しいかもしれません。

食事模型の展示替えが終わると、次は暖房道具を展示しました。

豆炭あんかを展示

ずらりと並んだ暖房道具は里のいえの座敷で見ることができます。
湯たんぽや火鉢、やぐらごたつに足あぶり。
見ているだけであたたかい気分になります。

民俗展示室以外でも、企画展示室では「午年のお正月」がテーマですから、時々の流行を反映した双六やカルタ、愛媛県内のしめ飾りの写真など、お正月気分満載の空間になっております。
あわせてぜひご覧ください。

テーマ展「宇和海の船大工」展はじまります

2013年12月21日

 12月21日(土)より、テーマ展「宇和海の船大工」展が開催されました。
 本展示のきっかけは、ある船大工さんから、船大工道具や船の設計図である「板図」、そして「板図」をもとに作られた船の模型などを当館へ寄贈いただいたことにはじまります。
 資料の寄贈にあたり、資料の名前や使い方、船大工の仕事などを聞き取り、記録する中で、その貴重さや船大工の美意識などを知り、ぜひ展示につなげることができないかと考え、準備をしてきました。
 そして以前当館に寄贈された別の船大工道具や、村上節太郎撮影の造船所の写真なども合わせ、今回の宇和海の船大工の仕事を紹介する展示となりました。

 
船の模型(奥)と板図(手前)


船大工道具

 博物館の展示ができあがるまでにはさまざまな形があり、今回のようにまずはじめに資料がありそこから展示へとつながるものもあれば、あるテーマをもとに資料を調べ、集めて展示へとつながる形もあります。今回企画展示室で同時開催されます「午年のお正月」展は後者のタイプだと言えます。平成26年の干支、「午」と「お正月」をテーマに、当館の各研究科の学芸員が「これぞ!」という資料を持ちよっての展示となりました。時代も場所も研究分野の垣根も越えたおめでたい展示となっております。
 ぜひご来館ください。職員一同お待ちしております。

テーマ展 「宇和海の船大工」
開催期間 平成25年12月21日(土))~平成26年2月3日(月)
会場    愛媛県歴史文化博物館 文書展示室

テーマ展 「午年のお正月」
開催期間 平成25年12月21日(土))~平成26年2月3日(月)
会場    愛媛県歴史文化博物館 企画展示室

テーマ展「発掘された伊予の井戸-水をめぐるくらし-」開幕

2013年10月16日

10月12日(土)より、考古展示室にて「発掘された伊予の井戸-水をめぐるくらし-」と題したテーマ展が開幕いたしました。展示風景①
これは、愛媛県内の発掘調査により出土した井戸に焦点をあて、それぞれの構造の違いを紹介し、そこに残っていたモノを展示することで、現代のように上水道が完備してなかった古代から近代の人々にとって、井戸はどのようなものだったのか、それに関する知恵や技術への理解を深めてもらおうとするものです。

展示風景②
本テーマ展は、来年3月2日(日)まで開催しております。常設展示室の一部ですので、常設展示観覧料が必要(小中学生は無料)となりますが、来年1月26日(日)には関連講座も予定しておりますので、ぜひ見にいらしてください。