‘常設展おすすめ情報’ カテゴリーのアーカイブ

民俗展示室2「愛媛のくらし」秋の展示替え② 脱穀(だっこく)の道具「カラサオ」

10月 8日 土曜日

今回は、豆類などの脱穀に広く使われた、カラサオをご紹介します。

収穫した穀物は、莚(むしろ)などに広げておきます。
長い竿(さお)の頭に、回転する棒が数本取り付けられています。竿を持ち、莚に向けて打つと、棒が回転して穀物を強く打ちます。
打ち方にはコツがあって、上手に打たないと自分の足を打ち怪我をすることもありました。

カラサオは「唐棹」「唐竿」という字を書きます。「唐」は、唐箕の「唐」と同じく、昔の中国の国の名を意味しています。昔の中国から伝わった道具です。
東アジアやヨーロッパでも、同じような道具が使われていました。

展示中のカラサオ。比較的、竿が短く出来ています。回転部分は鉄製です。
奥の写真(村上節太郎撮影)は、カラサオで豆を脱穀しているところです。

カラサオの使い方(イラスト:愛媛県歴史文化博物館編『これ、なぁに? ―なぞの形は工夫の形―』パンフレット 平成11年)

民俗展示室2「愛媛のくらし」秋の展示替え① 脱穀(だっこく)の道具「千歯扱き」

10月 7日 金曜日

秋は、稲や豆など様々な穀物が実る、収穫の季節。
しかし、収穫の後も様々な農作業は続きます。

民俗展示室「愛媛のくらし」、収穫後の脱穀と選別に関わる資料に展示替えしました。何回かに分けて、主な展示資料をご紹介します。

脱穀とは、稲の場合、稲刈り後に干して乾かした稲穂(いなほ)から籾(もみ)を取り外す作業をいいます。
稲や麦の脱穀には、18世紀初頭前後に大坂で発明された「千歯扱(せんばこ)き」という農具が、約200年間も広く使われていました。

千歯扱き。穂(鉄製の歯)の部分を拡大すると…

先が尖った穂が、台木という角材に留められています。

江戸時代の農書『農具便利論』に紹介された千歯扱き。
現存する千歯扱きと、基本的な形は変わっていません。

脚部分を外した、2点の千歯扱き。
写真では分かりにくくて申し訳ないのですが、右と左では穂の形が違います。右は平たい形、左は丸い形です。穂の幅や数も微妙に違っています。穀物の種類に応じて使われました。

テーマ展「南予の戦国乱世―館蔵品を中心に―」開催中!

9月 20日 火曜日

愛媛県歴史文化博物館では、9月17日(土)から11月27日(日)まで、テーマ展「南予の戦国乱世―館蔵品を中心に―」を開催しています。

本展示では、館蔵品を中心に南予の戦国史にまつわる古文書や武具等の関連資料を、関係城郭の現況写真や縄張図等とともに紹介しています。
あわせて、最近発見され織田信長・足利義昭・長宗我部元親らの関係を知る上で非常に興味深いとして全国的に話題を呼んでいる、林原美術館(岡山市)所蔵「石谷家文書」を特別に出展し、乱世の南予を振り返ります。

南予の戦国時代にまつわる主な館蔵資料が終結する久しぶりの機会です。
話題の「石谷家文書」からは、4通の文書を展示紹介。巻子2巻の中に散らばって収められているため、会期中に展示替えを行います。
  前期:9月17日(土)~10月10日(月)
  中期:10月12日(水)~11月4日(金)
  後期:11月5日(土)~11月27日(日)
また、写真パネルですが、最近新発見した南予関係の古文書も2点紹介しています。

開催を記念して歴史講演会も開催します。
  記念講演会  「石谷家文書」から見える 伊予の戦国時代
     講  師   内池英樹氏(岡山県立博物館学芸課主幹)
     開催日   平成28年11月3日(木・祝)13:30~15:00
      ※ 事前申込が必要です。お申し込みはこちら

本展は、“えひめいやしの南予博2016”の関連テーマ展でもあり、南予という地域を見つめなおす一つの機会となれば幸いです。
ぜひお見逃しなく!

展覧会の詳細はこちら

テーマ展「南予の裂織」開催中!

7月 28日 木曜日

7月16日(土)テーマ展「南予の裂織」展、開幕しました!

裂織とは、経糸(たていと)に麻・藤・木綿などの丈夫な糸を用い、緯糸(よこいと)に細かく裂いた古木綿布などを用いた織物やその技法をいいます。古布などを再利用した裂織の布地は丈夫で暖かく、撥水性もあることから、主に農・山・漁村の仕事着として使用されました。

裂織の衣服は、主に農山漁村に分布し、四国地方での事例は大変珍しく、愛媛県佐田岬半島や南予山間地域で確認されています。

裂織の仕事着。袖有りと袖無しの両方があります。

裂織の帯。帯は仕事用だけではなく、街着や浴衣にも用いられました。

今回の展示では、当館所蔵の裂織コレクションから仕事着や帯など約30点と、裂織クラブの皆さんの作品を展示しています。

裂織クラブ制作の裂織りんご。りんごの実は、緋色の絹布を用いています。

裂織クラブ制作のバッグとタペストリー。力作揃いですね!

☆テーマ展「南予の裂織」

期間:~8月31日(水)まで

開館時間:午前9時~午後5時30分(入館は午後5時まで)

観覧料:常設展示観覧料が必要です。

☆体験イベントのお知らせ

7月31日(日) 午後1時~午後3時 「コースターを織ってみよう」 文書展示室前

☆当館の裂織コレクションは、平成24年度特別展の展示図録「佐田岬半島と西日本の裂織」(定価2000円、友の会会員価格1600円)で詳しくご紹介しています

歴史展示室3(近世)を一部展示替え!

7月 14日 木曜日

 当館の常設展示室では、随時展示替えを行っていますが、今回歴史展示室3(近世)の資料を一部展示替えしました。いくつかご紹介します。

「加藤嘉明自筆書状」
 江戸時代初期 当館蔵
 加藤嘉明が小出吉親へ宛てた8月13日付けの書状です。明後日15日の晩に来訪することに満足し、来る22日の晩にも松平忠国・松平忠晴・戸田氏信を招待したので是非おいでいただきたいという旨を伝えています。また、両日ともは難しいという場合は、22日には必ずきてほしいとも伝えています。寛永3年8月の徳川秀忠・家光の京都上洛に諸大名が供奉しており、書状中の5名はすべて供奉しているので、その際のものと考えられます。大名同士の交流の一端がうかがえます。

「武人図」(松本山雪筆)
 江戸時代前期 当館蔵
 松山藩の御用をつとめた絵師松本山雪が描いた中国風の武人図です。描かれた三人の武人はいずれも視線を右に向けており、もとは右側に続きがある双幅だった可能性があります。そのことから、三人の武人を劉備、関羽、張飛として、右側には諸葛孔明の草庵が描かれていたと想定し、「草廬三顧」(そうろさんこ)を画題としたものという解釈も提示されています。

「伊達家筆跡貼交幅」【※初公開資料!】
 安土桃山時代~江戸時代末期 個人蔵・当館寄託
 宇和島・吉田両伊達家の関係人物の書状や書画5点がおさめられた掛軸です。上部には仙台藩初代伊達政宗書状、宇和島藩初代伊達秀宗書状、下部には同7代伊達宗紀書、吉田藩6代伊達村芳画、同夫人満喜子和歌が貼付されています。政宗書状には見廻りへの感謝、秀宗書状には竹の調達に関する指示が記されています。宗紀は能書家として知られ、村芳は学問を好んで書画をよくし、夫人満喜子は和歌にすぐれたことで知られています。

 常設展示室は、実はこのように少しずつ変化しています。
ご来館の際にはぜひ常設展示室へも足を運んでいただき、新たな資料との出会いや発見をしてみませんか。

民俗展示室2「愛媛のくらし」 展示替え

7月 12日 火曜日

先日、民俗展示室「愛媛のくらし」の展示資料を一部展示替えしました。

蚊帳…夏の夜、涼しく安眠するために大事なことは蚊を防ぐこと。海の家では布団を敷いて蚊帳を吊っています。

回転式除草機…夏は、稲がよく育ちます。しかし雑草もすぐ伸びます。農家では、草刈り・草取りが大事な仕事でした。かつての除草作業は、這うように田んぼの中を進まなければならず、とても大変でした。
里の家の前にあるのは回転式除草機。田植えが正(せい)条(じょう)植え(同じ間隔で苗を受ける方法)で行われるようになると、除草機を使って、立ったままで除草ができるようになりました。

桑摘み爪…夏は、田んぼの仕事の他に、養蚕も行う地域が多くありました。山のくらしのモデルとなった西予市城川町野井川竜泉地区も、その一つです。
蚕がよく育つためには、食料となる新鮮な桑の葉が欠かせません。桑の葉を摘むための、専用の道具もありました。

海、山、里…それぞれの地域では、その地形や気候に応じたくらしが営まれていました。しかし、共通する仕事が全くなかった訳ではありません。その一つが養蚕です。
愛媛での養蚕は明治期以降に急速に広まり、海辺、山あい、里…県内の広い地域で、人々は「お蚕さん」を育てていました。今回は、養蚕で使われた道具も展示しています。

歴史展示室1の銅鏡X線写真パネル追加

5月 13日 金曜日


先日、当館のX線透過撮影装置を確認していたところ、5年前の機器更新時に撮影した画像がありましたので展示パネルとして、この度、歴史展示室1の相の谷1号墳のコーナーに追加しました。
相の谷1号墳出土鏡二面については、過去のブログ12にて紹介しましたが、中国鏡の一種の画像鏡一面と国産の鏡(倭鏡)の一種である獣紋鏡(ダ龍鏡)一面です。

写真パネルでもわかるように、画像鏡は割れて出土し、2003~2004年度の保存処理の際に完形に復元したものです。割れ方を観察すると数箇所に力が加わって割れている状況がわかります。また、銘文の一部も見ることが可能です。
獣紋鏡はX線写真で観察すると、獣の形が簡略化されていることがわかります。このX線写真パネル(拡大)により、銅鏡の文様がより見やすくなったのではないかと思います。
当館では、県内の調査機関や市町教育委員会の依頼を受けて、X線透過写真撮影を行っています。今後も新しい発見があれば、紹介していきたいと思います。

考古展示室に土器パズル大集合!!

5月 1日 日曜日

昨年度のブログで、当館では“土器”や“埴輪”などの立体パズルを数多く持っていることを紹介いたしましたが、今回のテーマ展「発掘 南予の遺跡 Part3-考古収蔵庫に眠る南予の宝-」の会場には、そのうち6つの立体パズルを置いています。
その内訳は、縄文土器2つ、弥生土器1つ、鶏形埴輪1つ、近世陶磁器2つで、縄文時代~江戸時代における多様な立体パズルが一堂に揃っています。このなかには担当者も唸るほどの大変難しいパズルもありますので、ぜひ一度チャレンジしてみて下さい。

常設展示室(中世)の展示替え~村上海賊と現代の創作作品~

4月 30日 土曜日

昨日の記事で紹介したとおり、村上海賊に関するストーリーが「日本遺産」に認定されるなど、近年、村上氏をはじめとする瀬戸内海の海賊衆の歴史が高い注目を集めています。
村上海賊の活動の足跡は、現代の創作物にも影響を与えており、村上氏や瀬戸内海の海賊衆をモチーフにした多くの小説・コミックや映像などの作品が生み出されています。

今回の展示替えでは、いつもの歴史史料とは視点を変えて、展示室内にミニコーナーを設け、当博物館が制作に協力した、または当館に関連する以下の4作品を展示紹介しています。
村上氏と現代の創作作品

尼子騒兵衛氏作『落第忍者乱太郎』(朝日新聞出版)
忍者のタマゴたちが主人公のアニメ「忍たま乱太郎」の原作です。ギャグを基調としつつ、入念な時代考証により室町・戦国時代の世相を反映した世界観に貫かれています。作中に登場する「兵庫水軍」は、村上海賊がモデルで、その活動の実態が色濃く反映されています。乱太郎たちが船道具を持っている、第40巻の表紙を置いてみました。

「船中の四功 山立・鬼蜘蛛丸」(『落第忍者乱太郎』より)
尼子騒兵衛氏作・寄贈
『落第忍者乱太郎』作中に登場する「兵庫水軍」は村上海賊の活動をモデルとしており、本作は兵庫水軍のキャラクターの一人、鬼蜘蛛丸を描いたものです。山立(やまだち)とは航海の責任者を指します。2014年、当博物館での特別展開催を記念して制作・ご寄贈いただきました。
山立 鬼蜘蛛丸

和田竜氏作『村上海賊の娘』(新潮社)
和田竜氏による長編歴史小説。天正4年(1576)第一次木津川口合戦における能島村上氏の村上武吉の娘が描かれています。第35回吉川英治文学新人賞、第11回本屋大賞受賞。瀬戸内海の海賊衆に関する詳細な時代考証が施されており、多くの史料が小説に反映されています。

原作 和田竜氏・漫画 吉田史朗氏 作『村上海賊の娘』(小学館)
和田竜氏による長編歴史小説『村上海賊の娘』の漫画化作品です。当博物館は村上水軍博物館(今治市)とともに取材協力しており、当展示室で常設展示している戦国末期の小早や安宅船模型を資料の一つとし、軍船や船戦に関する緻密な描写がなされています。

本展示室では、戦国期の軍船「小早」「安宅船」模型をはじめ、海賊衆に関する歴史史料が数多く展示されています。
中世展示室(伊予の水軍)
今回新たに設けてみたミニコーナーとあわせてご覧いただくことで、それぞれの作品世界や、戦国期の瀬戸内海で躍動した村上海賊について理解を深めるきっかけとなれば幸いです。

テーマ展「発掘 南予の遺跡 Part3-考古収蔵庫に眠る南予の宝-」の開幕!

4月 28日 木曜日

 先日の4月23日(土)から “えひめいやしの南予博2016”の関連イベントとして「発掘 南予の遺跡 Part3-考古収蔵庫に眠る南予の宝-」と題したテーマ展が開幕いたしました。
 「発掘 南予の遺跡」展は、これまでにも平成18~19年度と同23~24年度に実施しており、本展が3回目の開催となりますが、今回は、当館が収蔵している発掘調査による出土品はもちろんのこと、これまで当館に寄贈・寄託いただいた南予地域関連の貴重な資料も展示しています。こうした考古資料を通して、南予地域の歴史を再発見していただければと思います。
また、昨年度に実施した考古資料相互活用促進事業で、東京国立博物館と奈良国立博物館へ貸出していた考古資料についてもあわせて展示していますので、是非、この機会にご鑑賞下さい。
本展は、考古展示室を会場にして、平成29年2月26日(日)まで開催しております。常設展示室の一部ですので、常設展示観覧料が必要(小中学生は無料)となりますが、ぜひ見にいらして下さい。

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