8月21日(木)に「教員の日の博物館の日」を実施しましたが、参加いただいた内子小学校から出前授業(平和学習)の依頼をいただき、10月2日(木)にお伺いしました。同校には昨年に続いて2回目の訪問になります。事前の打ち合わせで、戦時下の生活、県内の空襲とパンプキン、テーマ展「戦後80年 戦時下のくらし」で展示した傷痍軍人資料を中心にとの依頼だったため、それに合わせたスライドや資料を持参しました。
6年生は58名。大きな声であいさつを受けて授業がスタートしました。まずは配給制度、切符制度、金属回収について、米の配給量を紹介したり、衣料切符で上着、ズボン・スカート、靴下を買う体験をしたり、金属不足を補うために出回った陶器製や紙製の代用品(陶器製おろし・ボタン、紙製洗面器など)に触れてもらい、戦時下の苦しい生活を伝えました。
空襲については松山空襲、宇和島空襲の惨状を写真で紹介しました。また、松山に投下された焼夷弾の殻にも触れ、形、重さ、仕組み、臭いなど、五感を通じて空襲の怖さを感じ取ってもらいました。さらに、模擬原爆パンプキンが新居浜・西条・宇和島に4発投下されたこと、宇和島への投下は8月8日(長崎の前日)だったことなど、原爆と愛媛の関係も伝えました。
戦場で負傷して復員した傷痍軍人の資料として、日中戦争で腕を失った方が皇后陛下から与えられた「御賜の義肢」を紹介しました。関節の1つ1つがスムーズに曲がり精巧に作られていますが、装着に不具合を感じて入院願を出したことなど資料にまつわる話をしました。昭和20年8月15日で戦闘は終わっても遺族の悲しみや傷痍軍人の苦しみは戦後も続いたことを伝えました。
児童の皆さんは日頃から平和学習に取り組んでいるとのことで熱心にメモを取っていました。「ひいおばあちゃんから竹やりで飛行機を落とす訓練をしたと聞いたが本当に落とせるのか?」、「原爆症にはどのようなものがあるのか?」などの質問も受けました。聞き取り調査や調べ学習にしっかり取り組んでいることが感じられました。来月には平和学習についての発表会もあるとのこと。これまでの学習成果を活かしてもらいたいと思います。
当館では学校にニーズに応じた様々な出前授業を実施しています。詳しくは当館のホームページをご覧いただき、お気軽にお問合せ下さい。







