Archive for the ‘お知らせ’ Category

戦時下を生きた松中生の日記を展示

2022年8月10日
日記の一部
焼夷弾と空襲をうけた松山のチケッチ
新居浜での空襲の様子

まもなく77回目の終戦の日を迎えます。今回は戦時下の県立松山中学校(現松山東高校)の生徒が記載した日記を紹介します。

日記を記したのは橋爪陽一(1927~2014)さん。橋爪さんは伊予市中山町に生まれ、昭和15(1940)年に松山中学へ入学しました。戦局の悪化に伴い同19年8月から新居浜市の住友機械工場で勤労動員に従事しました。勤労動員では機械作業で怪我をしたり、集団生活で赤痢に苦しめられたりしたようです。そのなかでも寸暇を惜しんで勉強し、松山高等学校に合格しました。翌年、松山高等学校(現愛媛大学)に入学したものの勤労動員は継続され、授業が開始されたのは10月からでした。

昭和20年7月26日、松山は空襲を受けますが、数日後その惨状をスケッチで残しています。実家で終戦を迎えた橋爪さんは「驚嘆、失望、落胆、甚だしき立腹」と記載しています。大きなショックだったのでしょう。戦後は進駐軍に嫌悪感を抱きながらも、日本人が「世界の公民」となるため、日本のことを知ってもらうことが必要だとも述べており、心境の変化がうかがえます。

多感な10代の時期を戦時下に生きた橋爪さん。その日記は77年の時を経て、私たちに平和の尊さを訴えています。本資料は歴史展示室4(近・現代)の戦争コーナーで展示しています。

新常設展「密●空と海」の魅力発信-県庁ロビー展-

2022年7月16日

密●空と海ー内海清美展

愛媛県歴史文化博物館では、平成24年から新常設展として「和紙彫塑による弘法大師空海の世界 密●空と海―内海清美展」を展示するとともに、空海や四国遍路に関する特別展や講座など様々な活動を展開してきました。

また、四国4県で進められている四国遍路世界遺産登録への取組みにも協力しており、その一環として、今回、県庁ロビー展「新常設展『密●空と海』-弘法大師空海と四国遍路-」を開催いたします。

会場では、新常設展「密●空と海」のPR映像、四国遍路に関する紹介パネルを展示するほか、四国遍路の世界遺産登録への取組みに関する広報用パンフレット等も配布していますので、ぜひ会場に足をお運びください。

名称:県庁ロビー展「新常設展『密●空と海』-弘法大師空海と四国遍路-」
会期:令和4年7月25日(月)~7月29日(金)9:00~17:00
※ただし25日は10:00~、29日は15:00まで
主催:愛媛県歴史文化博物館
会場:愛媛県庁第一別館1Fロビー 松山市一番町四丁目4番地2

大野ヶ原小学校で平和学習

2022年7月15日
授業風景
資料を見つめる児童たち

 7月12日(火)、西予市立大野ヶ原小学校で平和学習を実施しました。平和学習は戦後70年を機会に取り組み始めた事業です。その特徴は、学芸員が戦時資料を学校に持参し、資料を見て、触れて、感じてもらいながら戦争の悲惨さと平和の大切さを考えることです。博物館を出発して約2時間。大野ヶ原は気温21度の涼しさ。13時のチャイムと同時に、児童のみなさんの気持ちのよいあいさつで平和学習が始まりました。

 平和学習に参加した児童は6年生1名、4年生2名の計3名。まず、満州事変から終戦に至る歴史の流れを説明し、「ヘイタイ人形」、「戦艦文鎮」、「国民学校の通知表」を通して子どもたちの身の回りにも戦時色が表れていったことを紹介しました。

 続いて、配給制度や切符制度について、米の配給量を見せながら給食と比較したり、衣料切符でスカートやズボンを買う場合を想定したりして、当時の苦しい生活を振り返りました。また、戦前の兵役制度について説明し、出征兵士が身に着けていた千人針について紹介しました。その製作方法、5銭玉や10銭玉が結び付けられている意味を説明すると、児童のみなさんは当時の女性たちに思いを馳せているようでした。

 愛媛の大きな空襲として、松山・今治・宇和島空襲を紹介しました。松山空襲で投下された焼夷弾の殻を手にしながら、形や重さ、77年を経ても消えることのない焦げ臭さなど、五感を通して空襲の惨状を想像してもらいました。6年生は修学旅行で長崎に行くと聞いていたため、長崎型模擬原爆「パンプキン」についても触れました。長崎に原爆が投下される前日、宇和島に「パンプキン」が投下されていた事実を伝えると、大変驚いていた様子でした。

 最後に、鉄兜、防空頭巾、ゲートル、もんぺを実際に身に着けてもらう体験コーナーで2時間の授業をしめくくりました。

 児童のみなさんからは、「歴史に関心をもつことができた」、「体験を通して当時の様子がよくわかった」、「今後は戦時下の郷土にも関心を持ちたい」といった感想を聞くことができました。戦争体験者の高齢化が進む中で、戦時資料が果たす役割は益々大きくなると思われます。今後も戦時資料が語り掛ける声を児童・生徒のみなさんに伝える役割を担いたいと思っています。平和学習のご依頼については、お気軽に博物館までご連絡ください。

『えひめにいてほしい!コビト』第三弾 結果発表

2022年6月4日

『えひめにいてほしい!コビト』大募集!ですが、こびと研究家・なばたとしたかさんと歴博こびと研究室が選定した第三弾の優秀作品が発表されました。下記からご確認ください。

結果発表

3弾までの合計で1374作品の応募がありました。個性的なコビトの数々。どれも見応えがありました。

また、作品を送っていただいたお母様の手紙に、お絵かきが苦手で描きたがらなかった子どもが、こびとづかん展を観覧してから、こびとを描くことにすっかりハマリましたとありました。うれしいお手紙、ありがとうございました。担当者冥利に尽きます。

こびとづかん展は、6月5日(日)で閉幕しますが、 『えひめにいてほしい!コビト』 にご応募いただいた作品は、優秀作品とともに、博物館のエントランスホールに 6月30日(木)まで展示しています。ぜひご覧ください。

なお、6月21日(火)から23日(木)はくん蒸作業のため、臨時休館しますので、御来館の際には休館日にお気をつけください。

『えひめにいてほしい!コビト』第二弾 結果発表

2022年5月27日

『えひめにいてほしい!コビト』大募集!ですが、こびと研究家・なばたとしたかさんと歴博こびと研究室が選定した第二弾の優秀作品が発表されました。下記からご確認ください。

結果発表

愛媛に生息するユニークなコビトが続々発見されています。第三弾の募集は今日まで。優秀作品の発表まで今しばらくお待ちください。

『えひめにいてほしい!コビト』第一弾 結果発表

2022年5月22日

特別展「なばたとしたか こびとづかんの世界展」の関連企画として行われている『えひめにいてほしい!コビト』大募集!ですが、こびと研究家・なばたとしたかさんと歴博こびと研究室が選定した第一弾の優秀作品が発表されました。下記からご確認ください。

結果発表

第二弾は現在、審査中。第三弾は 5月27日(金)必着 でまだ募集しています。まだ間に合います。皆様のユニークな作品、お待ちしております。

展览视频已经完成 爱媛县历史文化博物馆新常设展“密●空与海”

2022年4月12日

请通过此 URL 观看 YouTube 视频。
https://youtu.be/SmE_hkH-EZ4

爱媛县历史文化博物馆,从2012年开始了关于弘法大师空海的公开常设展览。
在国际上有着极高艺术赞誉的和纸雕塑家内海清美先生通过他的作品“密●空与海” 的人偶群来展现空海的一生。这是享誉世界的地域资源,“四国朝圣文化”的根本。
这些人偶是用爱媛县的大洲和纸,川之江手制和纸等制作的。 该展览是一种综合的艺术形式,充分利用声音和灯光设计来呈现一组约200个人偶来展现充满魅力的展览空间。

爱媛县历史文化博物馆新常设展“密●空与海” 网站
https://www.i-rekihaku.jp/exhibition/new_jyousetu/
现在在位于爱媛县西予市的爱媛县历史文化博物馆常设展示中公开。
地址是爱媛县西予市宇和町卯之町4-11-2

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四国遍路と弘法大師空海シンポジウムのご案内

2022年2月16日

3月6日にシンポジウム「四国遍路と弘法大師空海」を開催します。

パネリストはご覧の方々です。
 京極夏彦氏(小説家)
 東雅夫氏(文芸評論家/アンソロジスト)
 胡光氏(愛媛大学四国遍路・世界の巡礼研究センター長)
 *パネリストはオンライン参加予定です。

視聴方法、会場参加のお申し込み方法は、詳細は、チラシもしくはホームページをご確認ください。
https://www.i-rekihaku.jp/information/2022/henro_symp/

本日開幕しました。特別展「古代文学と伊予国」

2022年2月11日

特別展「古代文学と伊予国」開幕しました。資料総点数212点、古典籍約120点を4月7日まで公開します。

最初の展示資料は『古事記』上巻。イザナギノミコトとイザナミノミコトによる国生み神話です。伊予之二名嶋(四国のこと)を生み、この島は、身(からだ)は一つであるが、面(顔)は四つあると記されています。そして伊予国を愛比売、讃岐国を飯依比古、粟(阿波)国を大宜都比売、土佐国を建依別と呼ぶと書かれています。現在の愛媛県の県名の由来となった記事です。この愛媛の「愛」を出発点に、今回の特別展では、恋愛、家族愛などの様々な愛のカタチを紹介しています。

また、 特別展「古代文学と伊予国」の関連書籍として、本日より、伊井春樹(当館名誉館長)著・愛媛県歴史文化博物館編『愛媛の文学資料』(四六版、320頁)を販売しています。愛媛県に継承された『古今和歌集』、『伊勢物語』、『源氏物語』などの古典籍を約120項目にわけて、解説しています。価格は1500円(税込)。販売は博物館ミュージアムショップにて。もしくは博物館0894-62-6222までお問合せください。1冊送料310円となっています。

【展示予告】特別展「古代文学と伊予国」④

2022年1月29日
『愛媛の文学資料』表紙
『愛媛の文学資料』裏表紙

2/11からの特別展「古代文学と伊予国」に合わせて、伊井春樹著・愛媛県歴史文化博物館編『愛媛の文学資料』(四六判、モノクロ、320頁)を刊行します。

愛媛県内の美術館、図書館等に所蔵される古典籍約120点をまとめた一冊。

これまで、愛媛県内の古典籍(鎌倉時代、室町時代以降の古写本や、江戸時代の版本等)については、まとまった書誌情報が刊行されることがなかったため、今回の『愛媛の文学資料』は、愛媛県内における古典文学に関する資料の基礎データとなります。

また、各資料については、当館名誉館長の伊井春樹による成立の経緯、内容、文学史上の意義、伝本の状況や書写の経緯などが解説されていますので、古典文学や書誌学の入門書としても活用できるのではと期待しています。

販売価格は1500円(予定)。2月11日からミュージアムショップで販売します。同日から博物館HPでも注文販売を受け付けます。

現在、その最終校正中です。1月31日から印刷・製本に入ります。