Archive for the ‘お知らせ’ Category

【展示予告】古代文学と伊予国

2022年1月11日

特別展「古代文学と伊予国―愛媛の文学資料―」

開幕までちょうど1ヶ月となりました。特別展「古代文学と伊予国‐愛媛の文学資料‐」。

展示の大きな構成としては3本の柱をたてています。

まず一つ目が、古代の文学資料に見られる伊予国(愛媛県)について。

飛鳥から奈良時代の文学資料には『万葉集』の「熟田津」、「伊予湯」等、伊予国(愛媛県)に関係する記事が数多く見られます。また平安時代の『今昔物語集』等の説話文学では四国遍路のルーツとされる「四国辺地」、『大和物語』等の物語文学では藤原純友の乱も語られています。そして、和歌文学、特に『古今和歌集』等の勅撰和歌集や百人一首の作者の中には、山部赤人、紀貫之、大江千里、能因法師、西行法師など、四国や伊予国と関係の深い人物が多く見られます。それらに関する資料を展示します。

構成の二つ目が、テーマ「愛」。

愛媛県の県名「愛」にちなんで、本展では、『古事記』に見える木梨軽皇子(きなしのかるのみこ)と妹の軽大郎皇女(かるのおおいらつめ)との恋愛悲話や、『万葉集』に登場する恋に生きた額田王(ぬかたのおおきみ)、在原業平(ありわらのなりひら)が主人公とされる恋の物語『伊勢物語』等、古代文学に登場する様々な「愛」(「恋愛」、「愛執」、「家族愛」等)のカタチを取り上げます。そもそも、愛媛県の名前の由来も『古事記』からとなっています。

そして、構成の三つ目が、愛媛県内に継承された古典籍について。

当館の伊井春樹名誉館長が、昭和40年代に愛媛新聞連載「愛媛の文学資料」(全123回)にて、県内に所在する古代文学資料の名品を紹介しており、本展ではその中から、鎌倉時代や室町時代に書写された『古今和歌集』や『源氏物語』等を展示することで、豊富で幅広く継承された愛媛県内の古典籍の世界を紹介します。

これから開幕まで、展示予定の資料を、随時、紹介していきたいと思います。

会場 愛媛県歴史文化博物館 企画展示室

会期  2022年2月11日(金・祝)~4月7日(木)

開館時間 午前9時~17時30分(展示室への入室は17時まで)

博物館実習

2021年11月10日

11月9日(火)~14日(日)の6日間、博物館実習が始まりました。博物館実習は学芸員資格を得るために習得しなければならない単位です。今年度は県内から3名、県外から1名の大学生が申し込まれました。県内の方は当初予定していた8月17日(火)~22日(日)に実習を行いましたが、コロナウイルスの感染拡大のため、県外の方はこの時期の実習となりました。昨日から実習に臨んでいる方は山梨県にある都留文科大学でイギリス文学を学ばれている学生さんです。

今日から本格的に資料整理実習が始まり、午前中は歴史資料の取り扱い方や資料の撮影について実習しました。撮影した資料は、西条藩初代藩主松平頼純の死後に行状をまとめた「頼純主行状」です。撮影するたびに頁をめくるのですが、無理な姿勢が続くため疲れが出てきます。意外と大変な作業です。実習生に尋ねると、イギリス文学を専攻しているので、このような資料を手にするのは初めてとのこと。今後、民俗資料や考古資料の整理実習も行う予定です。資料の性質に応じた扱い方を学んでいただければと思います。

寒暖差の多い季節の変わり目、体調に気を付けて6日間乗り切ってください。

実習風景

歴史資料の写真撮影

令和3年度の博物館実習が始まりました。

2021年8月19日

 8月17日(火)~22日(日)までの日程で、博物館実習が始まりました。新型コロナウィルスの感染者が拡大する中、開催が危ぶまれましたが、参加者を県内の大学に通う学生のみとし、マスクの着用、毎朝の検温、換気、手指消毒等・感染対策を行い、実施しています。

 実習に参加している3名の学生は、初日のオリエンテーションや施設見学等を終え、2日目の18日は資料の写真撮影(巻子や冊子等)や整理に係る計測等の実習を行いました。

 今後は、「教員のための博物館の日」の運営補助やワークショップの対応等も行う予定です。

 例年になく、雨が続いておりますが、体調に気をつけながら、皆さん頑張ってください。

テーマ展「東予と南予の弥生文化と青銅器」開幕!

2021年7月17日
展示室入口
展示室入口

7/17よりテーマ展「東予と南予の弥生文化と青銅器」が当館考古展示室にて開幕しました。本展は、令和3年度京都国立博物館考古資料相互活用促進事業に伴い、西条市福成寺天神谷出土平形銅剣5点、(伝)西予市宇和町出土広形銅矛1点が里帰りすることを契機に、主な東予地域・南予地域出土の青銅器とともに、近年、発掘調査が進んでいる東予地域と南予地域の弥生時代の遺跡の調査成果を紹介するものです。

展示は12/5までの予定です。開催期間中には、4回のテーマ展関連講座を予定しています。この機会に是非、ご覧ください。

展示状況
展示状況

「愛媛の宝物」京都へ出張中!

2021年6月19日
大型器台
松山市北井門遺跡2次調査出土大型器台(県指定有形文化財)他(京都国立博物館提供)

現在、京都国立博物館にて開催中の「特別公開 四国の弥生土器と弥生・古墳時代の生産-辰砂と鉄-」で、当館から県指定文化財の大型器台をはじめ、15点の考古資料が展示されています(7月4日まで)。この事業は京都国立博物館の令和3年度考古資料相互活用促進事業によるものです。

5月中旬に当館から貸し出された資料は無事京都に到着し、今月5日から展示室にて公開されています。展示は7月4日までですが、来年1月2日(日)~3月13(日)にかけても第Ⅱ期として展示予定です。お近くの方は、この機会に是非「愛媛の宝物」をご覧ください。

主な展示資料は下記のとおりです。

・松山市北井門遺跡2次調査出土大型器台(県指定文化財)1点

・同遺跡出土 弥生土器 2点

・松山市土居窪遺跡2次調査出土分銅形土製品1点

・今治市阿方遺跡出土弥生土器9点

・今治市高橋仏師1号墳出土鶏形埴輪1点

・同古墳出土 円筒埴輪 1点

会場:京都国立博物館(平成知新館3F・考古展示室)

会期:第Ⅰ期 令和3年6月5日(土)~7月4日(日)

   第Ⅱ期 令和4年1月2日(日)~3月13日(日)

その他:京都国立博物館の開館日や観覧料、展示内容等については、京都国立博物館のホームページでご確認ください。

京都国立博物館ホームページ(別ウィンドウが開きます。)

また、当館にて、京都国立博物館から借用しました県内出土青銅器を紹介する当館テーマ展「東予と南予の弥生文化と青銅器」も7月17日(土)~12月5日(日)まで開催予定です。本展もお見逃しなく!

今治市阿方遺跡出土弥生土器
今治市阿方遺跡出土弥生土器他(京都国立博物館提供)
展示風景
展示風景(京都国立博物館提供)
展示風景
展示風景(京都国立博物館提供)

デジタルアーカイブがラジオで紹介

2021年5月14日

「絵図・絵巻デジタルアーカイブ」が、南海放送ラジオの5月8日12時からの「坂の上のラジオ」で紹介されました。その放送内容の一部がブログに掲載されています。

坂の上のラジオ 読むラジオ(外部リンク)

番組では、デジタルアーカイブのつくった経緯をはじめ、デジタル技術の進歩、オススメの古地図などについて話しました。私の話しだけで古地図の魅力がどこまで伝えることができたのかわかりませんが、デジタルアーカイブを多くの人に知っていただく機会となりました。 radiko(ラジコ)のタイムフリーで過去1週間以内の番組は聴くことができます。パソコンでデジタルアーカイブ見ながら、ぜひお聴きください。

デジタルアーカイブの公開

2021年4月3日

愛媛県歴史文化博物館では、平成6年11月の開館以来、伊予・愛媛県に関係する史料の収集・整理・保存活動をおこなってきました。当館がこれまでに収蔵した史料の中から、絵図(古地図)、絵巻などをデジタル化して記録保存し、それらをインターネット上で公開する画像閲覧サービス「絵図・絵巻デジタルアーカイブ」を3月31日から開始しました。本サイトでは、高解像度のデジタルデータを活用することで、大きな絵図であっても、利用者が細部まで観察することができます。

https://ehime-archive.iri-project.org/

≪絵図(古地図)≫

江戸幕府が伊予の大名に命じて作製させた伊予国絵図をはじめ、松山城や宇和島城の城下絵図、江戸時代の四国遍路のルートが細かく描かれた絵図など、多彩な絵図を紹介します。なかでも、元禄時代の松山城下町が鳥の目線で詳細に描かれた松山城下図屏風はオススメ。城郭・武家屋敷・町屋・寺社などの細密描写を見ていると、江戸時代の城下町にタイムスリップしたような感覚が楽しめます。

国絵図/藩領絵図/城絵図/村浦絵図/海岸絵図/裁許絵図/温泉絵図/遍路絵図 / 金毘羅絵図/その他の絵図

松山城下図屏風の画面

≪絵巻≫

当館がこれまで収集してきた「後三年合戦絵巻」、「酒飯論絵巻」など、全国的にも有名な絵巻の模本のほか、江戸時代の交通の大動脈であった瀬戸内海航路が描かれた絵巻4点を公開します。その他、別子銅山の採掘や精錬の様子を描いた絵巻や愛媛県指定無形民俗文化財の吉田(宇和島市)の秋祭りのお練りを描いた絵巻など、伊予ゆかりの絵巻も紹介します。

別子鉱山図巻の画面

新型コロナウィルスの感染予防のため、「おうち時間」が増えるなか、博物館資料でお楽しみください。

「れきハコ」に「平和学習支援資料」加わる!

2021年3月21日

 当館では「弥生のくらしパック」など学習教材キットを「れきハコ」として学校などへ貸し出しています。この度、昨年開催したテーマ展「戦後75年 伝えたい10代の記憶」の成果を活かして、新たに「平和学習支援資料」を加えましたのでお知らせします。  

 「平和学習支援資料」は、戦争体験者からの聞き取り調査を収録したDVDを中心に、以下の4点から構成しています。社会科や総合的な学習の時間(平和学習)などでご利用ください。このDVDを通じて、戦争の悲惨さと平和の大切さを伝える機会が広がれば幸いです。                                                                       

1.DVD「戦後75年 伝えたい10代の記憶」

・高島清さんと松山・三重海軍航空隊(22分)   

 松山海軍航空隊の空襲、特攻機「桜花」に搭乗するためのグライダー訓練、 8月15 日の終戦など     

・金田八重子さんと宇和島空襲(17分)

 戦時下の学校生活、5月10日の宇和島初空襲、戦後の平和活動など                                                                                                                                                

2.パンフレット「戦後75年 伝えたい10代の記憶」            

 先生方向けにDVDの内容を文章化したパンフレット。授業前にお読みいただくと、 DVDをわかりやすくご覧いただけます。 

3.【教員向け】「DVDのご利用について」   

 DVD の利用案内や出前授業のご案内を記載しています。

4.【児童・生徒向け】「平和学習シート」             

 DVDの内容をわかりやすく要約し、学習のポイントを記載しています。

※ ご利用の際は事前に博物館までご連絡ください。

※ なお、資料の貸し出しにかかる送料はご負担願います。  

       

DVDとパンフレット

                                                                                                                

『明石寺と四国遍路』展開幕!!

2021年2月16日

 

 2月11日(木)から『明石寺と四国遍路』展が開催されました。

 

 今回の展示では、近年の愛媛県教育委員会による四国八十八箇所霊場第43番源光山円手院明石寺(西予市宇和町明石)の文化財詳細調査の成果をもとに、当館の研究成果も交えて、明石寺所蔵の愛媛県指定有形文化財「絹本着色熊野曼荼羅図」(室町時代)をはじめ、寺外で初公開となる二十八部衆像と風神・雷神像(鎌倉時代)、観音経陰刻のある短刀(藤原国正銘)、境内の発掘調査出土品など、明石寺の絵画、彫刻、工芸、古文書などの文化財を一堂に会して特別に公開します。また近隣で出土した「蕨手刀」(7世紀末、西予市指定文化財)や四国遍路関係資料の展示を通じて、明石寺の歴史と四国遍路について紹介しています。

 

 明石寺の寺宝が見られるこの機会にぜひ、お越し下さい!

 

『明石寺と四国遍路』
会期  令和3年2月11日(木)~3月14日(日)
休館日 2月15日(月)、22日(月)、3月2日(火)、8日(月)

関連講座やワークショップの詳細については、こちら

 

疫病退散展(12月9日~1月24日)

2020年12月8日
疫病退散展(愛媛県歴史文化博物館)

テーマ展「疫病退散―感染症の歴史と民俗―」が12月9日(水)に開幕します。

令和2年は新型コロナウィルスCOVID-19の感染拡大により、社会、経済等が多大な影響を受けた年でした。愛媛県歴史文化博物館では令和2年を締めくくる展示として本テーマ展を開催します。改めて日本における感染症(疫病)の歴史・文化を見つめ直す機会になればと思います。

会期は2020年12月9日(水)~2021年1月24日(日)。

【展示構成・資料】(1)古代の疫病 日本書紀(最古の疫病記録)、続日本紀(天然痘と藤原四兄弟)、万葉集(疫病と和歌)、日本三代実録(祟りと疫病、御霊会)、大鏡(藤原道長と疫病)、高野大師行状図画(空海と疫病)(2)近代の伝染病 明治・大正時代の流行病に関する海南新聞記事、流行病に関する愛媛県行政資料、スペインかぜに関する新聞記事(3)疫病と民俗行事 白澤(宇和島藩藩札、旅行用心集)、菊間の牛鬼、郷土玩具コレクション、疫病除けの呪い(新撰呪詛調法記大全)など約50点。

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