‘資料調査日記’ カテゴリーのアーカイブ

愛媛の祭り11 南予の唐獅子(からじし)

5月 25日 日曜日

※南予地方 八幡浜市川名津

南予地方の獅子舞は、宇和海沿岸部に多く、唐獅子・荒獅子と呼ばれます。南予の祭りに登場する鹿踊り(ししおどり・しかおどり)と区別するために、獅子舞はこのように呼ばれます。

獅子舞は県下全域に見られますが、東中南予それぞれに特徴があります。南予型の特徴は、名称がカラジシ、もしくはアラジシと呼ばれ、獅子の中に青年二人が入って、華麗な衣装を身につけた少年の打つ太鼓によって舞われるものです。

南予地方では、獅子舞は、特に八幡浜市、西宇和郡に多く伝承され、八幡浜市では「唐獅子競演大会」も行われます。また愛南町の海岸部にも見られます。山間部には比較的少ないようです。

愛媛の祭り10 松山市の獅子舞(ししまい)

5月 22日 木曜日

※中予地方 松山市鷹子町

松山地方の秋祭の主役は神輿と獅子舞です。獅子舞では「今神楽」「とんとこ」「山さがし」など様々な演目があり、狩人や猿・狐が登場し、ストーリー性あふれるのが特徴です。

中予地方の獅子舞は、南予と同じく二人立ちですが、緩急激しく頭を振り、太鼓のリズムも南予に比べて早いのが特徴です。獅子舞を舞う若者は地域の中でヒーロー扱いされ、獅子頭を持って舞う役を任されるまでには約10年間、修業しないといけないといわれる地域もあります。

地域によって獅子頭の形も異なっています。この松山の獅子頭は一本角ですが、角のない獅子頭も多く、東予地方や南予地方では、顔の色は緑ではなく赤色が主流となっています。

愛媛の祭り9 西予市明浜町の牛鬼(うしおに)

5月 20日 火曜日

※南予地方 西予市明浜町狩江

担ぎ手は牛鬼の胴体の中に入ってかついでいますが、南予では体が外に出た形で担ぐ方法が一般的です。江戸時代の絵巻では、この狩浜のような担ぎ方になっており、古い形を留めた牛鬼といえます。

牛鬼の出る祭りは愛媛県南予地方のほぼ全域のほか、かつては上浮穴郡柳谷(やなだに)村や久万(くま)町にもありました。また、高知県宿毛(すくも)市など南予地方と隣接する高知県西部地域にも分布し、その数は約150か所にのぼります。

胴体の中に入るかつぎ方は、江戸時代の東予地方の西条祭りのダンジリでも同じでした。かつぐ人を見せるより、牛鬼やダンジリという作り物を観衆に見てもらうため、人は中に入ってかついでいたのです。

愛媛の祭り8 西予市城川町の牛鬼(うしおに)

5月 16日 金曜日

※南予地方 西予市城川町窪野

この牛鬼は秋祭りではなく、三滝神社春祭り(4月17日)に川後岩(かごいわ)地区から出されていたものです。角が内側に反っており、闘牛用の牛の角と形状が似ています。この点から、牛鬼の起源が闘牛と関係するという説もあります。

牛鬼の起源は不明ですが、今から200年前の江戸時代半ばの南予各地のお祭りに登場していることが確認できます。なお、言い伝えとして、加藤清正が朝鮮出兵の際に敵を威圧するために用いたのが始まりであるという話もあります。

江戸時代には「牛鬼」という妖怪が有名でした。田畑を荒らす妖怪で、滝や淵や海など水辺に住むといわれていました。県内でも南予地方の山間部に牛鬼の住む淵の伝説が数多く残っています。

愛媛の祭り7 愛南町御荘の牛鬼(うしおに)

5月 11日 日曜日

※南予地方 愛南町(旧御荘町)

南宇和郡の牛鬼頭の型は、明治時代に御荘の末武氏によって考案され、周囲に広がりました。宇和島型に比べて重量が重いので、牛鬼の首の長さが必然的に宇和島型より短くなっています。

牛鬼の頭は、牛とも鬼ともつかない形相をしていますが、その表情は一様ではなく、地域により異なっています。一般的には宇和島地方の牛鬼の形相が有名ですが、頭の形を大まかに分類すると、内子型・宇和島型・愛南型などに分けることができます。

南予地方でも、地域によって顔の表情は違っています。「牛」の要素と「鬼」の要素のどちらが強いかで、顔の表情も決まってくるようです。

愛媛の祭り6 宇和間の奴道中(やっこどうちゅう)

5月 9日 金曜日

※中予地方 松山市(旧中島町宇和間)

鬼・猿田彦等と同様に神輿行列の先導をするものに奴(やっこ)行列があります。長柄や鳥毛、槍等の道具を二列に持ち、互いに道具を投げ合う曲芸をしますが、これは東予西部から越智郡島しょ部にも多く見られます。

奴行列の他にダンジリ等の山車(だし)が登場する祭りでは、奴は単に道具を持って練り歩くことが多いのですが、旧中島町や旧丹原町では奴が各種の投げ芸を見せ、祭りの主役を務めます。

奴行列は、神輿の前を歩くことが多く、神輿は奴行列を追いこしてはいけないというしきたりがあります。奴が進まないと神輿も進めないので、神輿が押し戻されたり、けんかをしたりします。

愛媛の祭り5 伊予市永木の鬼(ダイバン)

5月 8日 木曜日

※中予地方 伊予市(旧中山町永木)

旧中山町永木地区の秋祭りで出る鬼です。地元で「ダイバン」と呼ばれていますが、中予・南予地方では、鬼のことを「ダイバン」・「ダイバ」と呼んで、怖がられながらも、親しまれています。

松山をはじめ、中予地方には、おそろしい鬼の仮面をかぶった「ダイバ」とよばれる「鬼」が出るお祭りが多くあります。また、「お神楽(かぐら)」という仮面芸能でも、鬼のことを「ダイバ」とか「ダイバン」とよんでいます。これは、愛媛県周辺での独特のよび方のようです。

ダイバという呼び方は、仏教で釈迦(しゃか)の修行を邪魔する悪役「提婆達多(だいばだった)」に由来するものと思われます。鬼も神の邪魔をする役だからです。

愛媛の祭り4 シダ神輿(みこし)

5月 5日 月曜日

※南予地方 宇和島市吉田町知永

青竹をかき棒にして、シダの葉で鳳凰の形を作って神輿(みこし)としたものです。11月3日の門島神社秋祭りに登場します。変わり神輿として貴重なものといえます。

宇和島市吉田町にはシダの神輿がありますが、今治市神宮にはワラで作った神輿もあります。神輿は神聖なもので、もともとは毎年新たに作り替えることが行われていたようで、その名残とも考えられます。

神輿をかつぐときのかけ声は、近年では「ワッショイ」が一般的になりましたが、「チョーサジャー」とか「フンエーイ」など地域によってさまざまな昔からのかけ声があります。

愛媛の祭り3 継ぎ獅子(つぎじし)

5月 3日 土曜日


※東予地方 今治市神宮野間神社(矢田継獅子)

※東予地方 今治市菊間町池原

今治には若者が基壇となり、縦に3~5段と継ぎ、最上段に獅子頭をかぶった子供が乗る「継ぎ獅子」が広く見られます。江戸時代後期に今治市鳥生(とりゅう)の者が伝習し、広まったと伝えられています。

西条市小松町からしまなみ海道沿いの地域には、ムカデ獅子といって、布幕の中に青年数名が入り、獅子の体を横に大きく広げた獅子が多く伝承されています。それを発展させたの継ぎ獅子といわれます。

今治市の祭りでは、西条市のダンジリや新居浜市の太鼓台、松山市の神輿、宇和島市の牛鬼など、豪華な出し物は登場しませんが、獅子舞の継ぎ技は全国的にも非常に高いものです。

愛媛の祭り2 神輿(みこし)落とし

5月 2日 金曜日

※中予地方 松山市(旧北条市)

旧北条市内の秋祭りでは、神輿(みこし)が壊れてご神体が出るまで石段から落としたり、川中に投げ込んだりする慣習があります。神輿を荒々しく扱うのが、中予地方の秋祭りの特徴でもあります。

中予地方の祭りでは神輿を鉢合わせしたり、石段から投げたりと、手荒に扱います。これは神輿を揺さぶることで中に入っている神の霊力を高めようとする行為だという説があります。

神輿は神様の乗り物です。祭りで神輿(みこし)をこわすことは、毎年、神輿を新しく作ることにつながり、祭りの神聖さを保つ意味もあります。