(28)獅子-百獣の王-

染型紙 獅子 個人蔵(西宇和郡伊方町)
ライオンは、その勇壮さから世界各地で聖獣とされ、太陽の象徴ともされます。中国を経て日本へ伝えられたライオンの姿は、次第に空想化され極端にデザイン化を経ます。ライオンを知らない日本人は、架空の聖獣「獅子」として文様に取り入れました。

百獣の王である獅子は、百花の王である牡丹が好物であるとも言われ、力と美の豪華な組み合わせとして大変好まれています。
(28)獅子-百獣の王-

染型紙 獅子 個人蔵(西宇和郡伊方町)
ライオンは、その勇壮さから世界各地で聖獣とされ、太陽の象徴ともされます。中国を経て日本へ伝えられたライオンの姿は、次第に空想化され極端にデザイン化を経ます。ライオンを知らない日本人は、架空の聖獣「獅子」として文様に取り入れました。

百獣の王である獅子は、百花の王である牡丹が好物であるとも言われ、力と美の豪華な組み合わせとして大変好まれています。
(27)雀(すずめ) -豊作の願い-

染型紙 雀 個人蔵(西宇和郡伊方町)
雀は群れる様子から一族繁栄、その繁殖力から穀物の豊作の意味を表わします。また中国では「雀」と「爵」が同じ発音であるところから、多くの雀が群生する様子を爵位のある人(高級官吏)が集う様子を連想させ好まれました。
型紙では、竹の輪をくぐり抜けるかのように、飛び回る雀が愛らしい文様となっています。

(26)鯉(こい) -滝をのぼって龍へ-

中国において、鯉は急流を昇りやがて龍になるという伝説があり、日本でも「鯉の滝昇り」は吉祥文様とされています。

染型紙 鯉 個人蔵(西宇和郡伊方町)
この型紙では、流れに逆らって泳ぐ勇壮な出世魚を、ダイナミックな水の流れと共にデザイン化した、躍動感あふれる文様となっています。

こちらの型紙には糸入れの技法が見られます。
(25)馬 -成長への願い-

古来、馬は神様の乗り物として考えられてきました。
その姿は絵画や絵馬に描かれ、玩具としても形づくられています。
きものでは、男の子の衣装に馬の文様が見られます。元気よく跳ね回る馬の姿に、成長の願いを託したのでしょうか。

染型紙 馬 個人蔵(西宇和郡伊方町)
型紙では、尾をなびかせた馬がはつらつと野を駆け回る様子がデザインされています。

この型紙は、今までご紹介した型紙と少し異なり、縦型となっています。型紙の
中には少数ですがこのような縦型のものが見られます。
(24)亀(かめ) -亀は万年-
鶴は千年、亀は万年と言われるように長寿の象徴です。その亀がさらに長く年を重ねると、尻尾に海藻がつき蓑(みの)のようになると考えられていました。

染型紙 亀 個人蔵(西宇和郡伊方町)
この型紙の亀はおしりから虹のように線がのびていますね。これが蓑のような部分で、「蓑亀(みのがめ)」と呼ばれています。

円を重ねたような文様は「青海波(せいがいは)」と呼ばれています。波をイメージした扇のようなデザインは同名の雅楽の舞曲から名づけられたとされています。
(23)鶴(つる) -鶴は千年-

染型紙 鶴 大西金七染物店蔵(四国中央市川之江町)
鶴は、舞うように飛ぶ姿や気品あふれる立ち姿などが好まれてきました。また、鶴は千年、亀は万年と言われ、長寿のモチーフともされています。
文様においても、型紙のように二羽が向かい合わせの文様「向かい鶴」や羽を丸く広げた文様、空に羽ばたく文様などバリエーションが豊富です。

(22)葡萄(ぶどう) -実りの秋-

染型紙 葡萄 個人蔵(西宇和郡伊方町)
葡萄は豊穣の象徴として西方より伝わり、正倉院の宝物にもその文様が見られます。
ぐんぐんと伸びる蔓(つる)とたわわに実る房が繁栄の象徴であるとともに、秋の季節を象徴する文様です。

型紙の葡萄は、じゃっかん粒がまばらなようにも見えます。
(21)鉄線(てっせん)-固い結びつき-

染型紙 鉄線 大西金七染物店蔵(四国中央市川之江町)
鉄線はクレマチスの洋名で知られており、六弁の花びら(本当はガクの部分)を風車のように広げた、気品ある夏の花です。
かたい蔓(つる)に結びつきを託して、婚礼衣装にも多く取り入れられています。

(20)梅 -けなげな生命-

松、竹、とくれば次は梅です。梅は、冬の寒さに耐えて花を咲かせる姿から生命力の象徴とされます。愛らしい花の姿や可憐な色合い、味わいのある枝ぶりや寒中に漂う薫りもあいまって古来より親しまれてきました。

染型紙 氷梅 個人蔵(西宇和郡伊方町)
氷の割れ目の間に梅花を配したこの文様を「氷梅(こおりうめ)」といい、早春を表わしています。

(19)竹 -すくすく育つ-

竹は、冬の雪にも屈せず、しなやかにまっすぐ育ち、中が空で隠すものがありません。気高いその姿が人々の心をひきつけました。

染型紙 竹 光岡染工場蔵(松山市中島町)
型紙では、画面を大胆に横切る竹の間を、雀が羽ばたく写実的な文様で表現されています。

このような躍動感あふれる絵柄は「突彫」という技法で彫られています。刀を突き刺し、少しずつ動かしながら掘り進めていく技法です。彫りぬかれた部分が多いため、「糸入れ」もされています。