当館では9月17日(土)から、特別展「浄土寺・浄瑠璃寺と写し霊場」を開催(11月27日迄)するため、その準備をおこなっています。
今回は一足先に特別展の見どころをちょっぴり紹介します。
みなさんは松山市にある浄土寺と浄瑠璃寺を知ってますか? 訪れたことがありますか?
どちらも四国八十八箇所霊場の寺院で、浄瑠璃寺は第46番、浄土寺は第49番の札所です。
浄土寺は伊予鉄久米駅近く、久米北部エリア(鷹子町)にあります。諸国を遊行した空也上人が逗留したと伝えられ、空也上人像(重要文化財)が安置され、空也上人ゆかりの寺として知られています。
一方、浄瑠璃寺は松山市と久万高原町との境にある三坂峠を下った坂本エリア(浄瑠璃町)にあります。四国遍路で松山地方における最初の札所です。緑に包まれ、弁天池の蓮の花も人気のスポットとして知られています。
実は、近年、四国へんろ世界文化遺産推進事業として、愛媛県教育委員会によって、浄土寺と浄瑠璃寺の詳細な文化財調査が行われ、令和3年に両寺の調査報告書が刊行されました。
博物館では、浄土寺、浄瑠璃寺の最新の調査成果を、実物資料を展示してわかりやすく紹介します。浄土寺、浄瑠璃寺様のご協力により、秘蔵されている絵画、工芸、古文書・古記録など特別に公開します。ほとんどの資料が今回初公開となる大変貴重な展覧会です。
☆☆☆おもな見どころ☆☆☆
【浄土寺】
●中近世の巡礼者による本堂厨子(室町時代)への落書を赤外線撮影して再確認。何が記されているのか確認します!
●空也上人が描かれた室町時代の絵画「松尾明神空也上人対面図」。諸国を行脚した空也上人の肖像は必見です!
●四国遍路関係資料(へんろ絵図、案内記、古写真など)が充実!
【浄瑠璃寺】
●発掘調査によって、江戸時代の浄瑠璃寺の境域を示す土塀基礎が発見!
●浄瑠璃寺の縁起を記した江戸時代前期の薬師堂再興の棟札は必見!
●石手川に立花橋をかけた第11代住職尭音が使用したと伝えられる鉄鉢
その他、四国遍路が盛んとなると、地方で八十八箇所霊場をまねて作られた写し霊場についても特集します。本展は「えひめ南予きずな博」の関連イベントでもあり、南予地方の写し霊場も紹介します。
見どころいっぱいの次回の特別展「浄土寺・浄瑠璃寺と写し霊場」。乞うご期待。語呂合わせにあやかり、札所番号「46」「49」で、「よ・ろ・し・く」お願いします。