‘特別展おすすめ情報’ カテゴリーのアーカイブ

ことわざになった道具たち―その4―帯に短し、たすきに長し。

12月 27日 土曜日

帯に短し、たすきに長し
帯に短し、たすきに長し(イラスト 菊池安希子)

帯とは、きものの上からおなかに巻いて結ぶ長い布のことです。
たすきとは、袖をたくしあげてまとめるひものことです。
帯のほうがたすきより長いのですが、帯にするには短いし、たすきにするには長すぎる布のように、中途半端で役に立たないことをいいます。

例 まちあわせには時間があるし、お買い物するには時間がないし、帯に短し、たすきに長しよねえ。

帯
「昔の道具の謎をとけ!」展に展示中の帯(当館寄託)
この帯には画家が直接絵を描いてあります。絵を描いたのは、今治市出身の画家、大智勝観(おおちしょうかん)(1882-1958)です。
勝観らしいおおらかな筆によるアザミ模様の帯です。

号外「怪人れきはくの謎」

12月 26日 金曜日

怪人れきはく 昔の道具

先日、愛媛県歴史文化博物館にあらわれた「怪人れきはく」。
その正体をさぐるため、現在、博物館職員がリサーチ中。
展示室でその姿をみた職員の証言によると、年齢は若く、性別は男性のようだ。
(この話はフィクションです。)

ことわざになった道具たち―その3―ない袖は振れぬ

12月 25日 木曜日

ない袖を振れぬ
ない袖は振れぬ(イラスト 菊池安希子)

きものの袖は洋服の袖とちがって布をたっぷり使ってあります。腕を動かせば、袖も一緒に動きます。もし、きものに袖がなければ、振りたくても振れません。「ない袖は振れぬ」とは、持っていないものは出したくても出せない、という意味です。
昔は、着るモノといえば洋服ではなくきものでした。「昔の道具の謎をとけ!」展で、昔の着るモノについて探ってみませんか。

例 そんな大金を貸してくれって言われても、ない袖は振れないよ。

展示中のきもの
「昔の道具の謎をとけ!」展に展示中のきもの

ことわざになった道具たち―その2―金のわらじでたずねる

12月 22日 月曜日

金のわらじでたずねる
金(かね)のわらじでたずねる
(イラスト 菊池安希子)

わらじも昔のはきものです。ふつうのわらじは「わら」でできています。ずっと使っているとぼろぼろになるので、新しいわらじにはきかえます。
いくら歩いてもすりへらない鉄のわらじで、価値のあるものをじっくりと探すことを「金のわらじでたずねる」といいます。

例 金のわらじでたずねても、こんなにやさしい人はいない。

金のわらじでたずねる
「昔の道具の謎をとけ!」展に展示中のわらじ
(中央がわらじ。 左側はわらぞうりです)

ことわざになった道具たち-その1-「下駄をはかす」

12月 21日 日曜日

「昔の道具の謎をとけ!」展では、ことわざになった道具を紹介しています。2007年の「異界・妖怪大博覧会」展では妖怪になった道具を紹介しました。
「百鬼夜行絵巻」という絵巻物では、顔や頭などの体の一部が道具で表現されている妖怪が描かれているのです。それは、道具を粗末に扱うと妖怪になってしまうという考えからきています。
同じように、古くから人々の間で言われてきた教訓やことわざのなかにも、道具が出てきます。それだけ、人々に身近でわかりやすいたとえとして道具が使われたということでしょう。
紹介する道具はいずれも「昔の道具の謎をとけ!」展で見ることができますので、ぜひご覧のうえ、ことわざを使いこなしてください。
下駄をはかせる
下駄をはかす(イラスト 菊池安希子)

下駄とは昔のはきもののことです。下駄をはくと背が高くなることから、ものの値段や数字を実際よりも高くつけることを「下駄をはかせる」といいました。
下駄やぞうりも今の靴と同じように、天気や着る服、何をするかを考えて、えらばれました。さあ、「昔の道具の謎をとけ!」展で、はきものから天気や人物を推理してみませんか。

例 遊んでばっかりのあの子が落第しないなんてびっくりだ。テストの点数に下駄をはかしてもらったんじゃない?

下駄

下駄の展示風景

怪人れきはく その光と影 最終話(三話完結)

12月 20日 土曜日

「大変よ!今すぐ展示室にいらして!」

 2008年12月20日の朝、事件は起こりました。
 E博物館の職員が展示室に駆けつけると、なんと不思議なことでしょう!展示室の入り口に、怪人れきはくからの招待状が挑むかのように掲げられています。

挑戦状
挑戦状の掲げられた展示室入り口

 呆然と立ち尽くした職員たちは、我に返り、展示室に一歩足を踏みいれます。
 するとそこには、整然と並んだ昔の道具たちと怪人れきはくからの謎が! 

「い、いつのまに、こんなことが・・・」
「昨日までは、この展示室はからっぽだったはずですわ。」
 
 いぶかしむ職員たちが、道具の謎に一つ一つ挑みながら先へ進みます。
 怪人れきはくは職員に変装し、昔の道具を綿密に調査し、来館者の動向や反応を探っていたのです。そして満をじして出された謎の数々!
 職員たちは昔の道具をよく見て、もし自分だったらどう使うか・・・頭をフル回転させながら考えます。
 そして、最後のコーナーを曲がった職員の目に入ったその姿は!
 黒いつやつやとした帽子の下に赤く光るマスク。そして指さすその先にあるものは!

指さすその先に
指さすその先に

 怪人れきはくの手によるスペクタクルの幕が今ここにあがりました。
 もう後戻りはできないのです。
 先に進むよりほかはないのです。

 ようこそ、「昔の道具の謎をとけ!~怪人れきはくからの挑戦状~」展へ

 おわり(このお話はフィクションです)

怪人れきはく その光と影 第二話(三話完結)

12月 19日 金曜日

 私の名前は「怪人れきはく」。本名はもう覚えていない。本当の名前など私には必要がないからだ。
 私の一番古い記憶は、神戸の港から母方の祖父母に手をひかれ外国へ向かう船に乗ったことだ。渡欧した初代「怪人れきはく」の足跡をたどるためドイツに向かったのは、1988年、昭和最後の年がまもなく終わろうとしている頃だった。
 あれから長い年月がたち、懐かしい故郷に戻って一番驚いたのは、私の愛する道具たちのことだ。飴色になるまで使い込まれた木の手触り、何度も研ぎなおし小さくなっていくにつれ増す金属の頼もしさ。
 あのいとおしい道具たちの活躍する場所はもうないのだろうか。私たちの手となり足となってくれた道具たちは今、どこにいるのだろうか。
 私は道具たちを探して、日本中を歩きまわった。時には丁寧に手入れされた道具に安堵し、時には今も重宝されている道具を見て快哉を叫んだ。しかし粗大ごみの日に道端に打ち捨てられている道具に涙することも多かった。修理するすべもわからず、すぐに新しい道具(それはもう機械と言えるかもしれない)を買う人々の姿にこぶしを震わせた。
 もう道具の居場所が消えつつあるのが現実なのだろうか。
 「知らない」ということ。「見たことがない」ということ。「使ったことがない」ということが、昔の道具を追い詰めているのではないだろうか。
 しかし、昔の道具に光を当てようとする動きもないわけではない。町の資料館や博物館、学校では昔の道具の仕組みや使い方に注目し、今も大切に保存されている。
 私の調査によると、近々E博物館で昔のくらしや道具を紹介する展示が行われるらしい。E博物館に恨みはないが、我輩の舞台に選ばせてもらおう。昔の道具の謎をめぐるスペクタクルの始まりだ。
 そう、挑戦状を送るのだ。

 つづく(このお話はフィクションです)

怪人れきはく その光と影 第一話(三話完結)

12月 18日 木曜日

 博物館とは、歴史や美術、科学など、あるテーマについて、価値のある大切なモノを集め、保存し、研究し、色々な人にそのすばらしさを伝える施設です。
 E博物館で働く人達が、最近寄ると触ると話題に出るのが、ある「不思議な現象」のことです。

「昨日、途中までしていた資料の整理が、今朝見たら終わってるんだよね。」
「そういえば、昨日の夜、物音が聞こえておりましたわ。おかしいわね。鍵を閉めたのは私が最後のはずですのに。」

「さくら小学校の見学の時に、展示の説明ってどなたがされたの?」
「僕は知らないな。」
「私もその日は調査で、博物館にいなくてよ。」
「じゃあ、一体??『とても楽しゅうございました』とお礼のお手紙をいただいたのだけれど・・・」

 そんな博物館に、ある日挑戦状が届きました。
 ああ、なんということでしょう。そこには「怪人れきはく」のサインが入っているではありませんか。いったい「怪人れきはく」とは誰なのか?博物館で起こる不思議な現象とのかかわりはいかに?
 博物館は何も言わず、山の上に静かにそびえたつばかりです。

 つづく(このお話はフィクションです。)

怪しい人影

特別展江戸考古紹介(36)ミニチュアおもちゃ

12月 7日 日曜日

県民館跡地出土土人形
県民館跡地出土ミニチュア(愛媛県教育委員会蔵)

 松山城三之丸の武家屋敷跡から、土製や陶磁器製のミニチュア人形がたくさん見つかっています。
 犬や兎、狐、熊などの動物や、大黒、恵比寿、天神、虚無僧などの人物像があります。これらは民間信仰と結びついて作られたようです。なかには、犬猿の仲であるはずの犬と猿が抱き合っている人形もみられます。
 台所用品をそのまま小さくした、片口や土瓶などのおままごと道具や東屋や燈篭などの箱庭道具が見つかっています。ほかに鳩笛・型抜きなどのおもちゃも見られます。
今も変わらぬ、江戸の人たちの小さなものを愛でる心をうかがいしることができます。

 特別展「掘り出されたえひめの江戸時代」は本日で終了いたしますが、考古展示室で県民館跡地などから出土した土人形や化粧道具などを特集しますので、ぜひご来館ください。

特別展江戸考古紹介(35) 文字の書かれた土器

12月 6日 土曜日

県民館跡地出土墨書土器
県民館跡地出土墨書土器皿(愛媛県教育委員会蔵)

 遺跡からは、文字の書かれたやきものが出土することがあります。
 書いてある文字がわからないものも多いのですが、松山城三之丸の武家屋敷から出土した土器には見込みに「やいと」と書いてあります。これは「お灸」のことです。この地方の方言で書かれていることが注目されます。武士たちがお灸に使った土器なのでしょうか?資料からは、堀之内の武士たちの日常生活を垣間見ることができます。