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西日本には少ない鹿踊

2007年4月2日

吉田祭礼絵巻の鹿踊

 この写真は、当館所蔵の「吉田祭礼絵巻」(大正5年写)に描かれた鹿踊です。吉田祭は、宇和島市吉田町で毎年11月3日に行われています。江戸時代から賑やかな祭礼として有名で、現在でも鹿踊の他に、牛鬼(うしおに)や山車(だし)、御船(おふね)、四ツ太鼓、七福神など様々な練り物が登場します。
 
 さて、鹿踊は、南予地方の代表的な民俗芸能です。現在約70ヶ所で伝承されていますが、もともと鹿踊は、今から約400年前の江戸時代初期に伊達家が宇和島藩主として入部した際に東北仙台から伝えられたといわれています。

 現在の仙台の鹿踊と比較すると、頭の形相(ぎょうそう)は異なりますが、頭頂部の飾り物や幌幕(ほろまく)の五行色の横縞模様、そして唄われる歌詞等に共通する点が見られます。
 
 西日本において鹿踊(一人立シシ舞)は、南予以外では、南予に隣接する高知県西部や、武州川越(現埼玉県)酒井家の移封により福井県小浜市に伝えられているのみです。

 東北地方の民俗芸能文化が、400年の時を経ながら、現在、南予の地域文化として伝播・定着している事例として、非常に興味深く、当館でもこの鹿踊の調査研究・映像記録の保存を随時進めています。