Archive for 7月 4th, 2007

展示予告「異界・妖怪大博覧会」19―怪談藻塩草―

2007年7月4日

これは、「怪談藻塩草(かいだんもしおぐさ)」という冊子で、今治市河野美術館所蔵の資料です。江戸時代後期の著名な怪談集で、もともと寛政13(1801)年に速水春暁斎(はやみしゅんぎょうさい)が著したものです。本資料は弘化3(1846)年の刊行であり、版を重ねるほど普及していました。

この「怪談藻塩草」の巻一の冒頭、つまり最初に紹介されている話は、実は愛媛に関係するものです。「矢部が霊、神に崇る話」という題で、宇和島藩の矢部(山家)清兵衛(やんべせいべえ)が不慮の死を遂げて、祟りをなし、和霊神社に祀られる話が紹介されています。

宇和島市にある和霊神社は、江戸時代、漁業神や商売の神など、非常にご利益のある神社として知られていました。現在でも西日本各地に山家清兵衛を祀った和霊社があります。和霊社のご利益を広範囲に知らしめた一因には、この「怪談藻塩草」のような江戸時代後期の出版物の普及が考えられます。

なお、この「怪談藻塩草」のほかにも、企画展「異界・妖怪大博覧会」では、上田秋成の「雨月物語」をはじめ、江戸時代の怪談集についても展示・紹介します。