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展示予告「異界・妖怪大博覧会」21―ろくろ首―

2007年7月8日

これは「夜窓鬼談(やそうきだん)」(個人蔵・当館保管)という資料に描かれた「ろくろ首」です。「夜窓鬼談」は、明治22(1889)年に石川鴻斎が著した漢文体の怪談集で、哭鬼・貧乏神・天狗・髑髏(どくろ)・安倍晴明の話など全部で81話が収められています。挿絵は明治時代に活躍した画家・久保田米僊・小林永濯らが描いており、明治期を代表する怪談集といえます。

なお、「ろくろ首」は、江戸時代以降に出版された資料に頻繁に見え始めます。外見は普通の人間と同じですが、夜中に首がろくろを回すように異常に長く伸びて、家の中にある行灯の油を好んで舐めたり、人間の精気を吸い取ったりします。

体が伸びるといえば、見越入道(のびあがり)も有名です。こちらは、女性ではなく、男性の姿で描かれますが、おばけとしての知名度、そして恐ろしさの度合いは、「ろくろ首」の方が高いように思われます。

ただ、愛媛県内に伝えられた怪異・妖怪伝承を調べてみても、見越入道(のびあがり)に類する話は多いのですが、「ろくろ首」の伝承は確認できません。「ろくろ首」は、地域に根ざした伝承で語られたものというより、江戸時代の出版物や落語など、大衆への語りの中で広まっていった「おばけ」ということができます。

※企画展「異界・妖怪大博覧会」の開幕まであと2日。7月10日(火)から9月2日(日)までです。これまで、「展示予告」として展示資料の紹介をしてきましたが、開幕後も、展示物の紹介を続けていきたいと思います。