相の谷1号墳の墳丘部分からは大量の埴輪が出土しています。調査時に作成された報告書には「無数のハニワ片の修復や復元はなかなか緒につくことすら期しがたいほどである。」と記されており、調査当時においても大量の埴輪をどう整理するかが課題であったことがわかります。この大量の埴輪の一部については、調査参加者によって整理・報告されていましたが、2003年に大量の未整理の埴輪片を確認したのが、埴輪の再整理の発端でした。
埴輪は調査時に取り上げられたままの状態で、ビニール袋約100袋で保管されていました。ビニール袋の中には出土した場所と取り上げた日時が記されたカードが一緒に入れられていました。約40年前に発掘現場でビニール袋に納められ、そのまま、倉庫に眠っていたこの資料群を見た時には、まるでタイムカプセルを開けたような気分でした。
さて、この資料群を目にしたからには、整理・公開することが必要であると考え、資料を博物館に移動し、約2週間を費やして現状を記録し、埴輪の洗浄作業を行いました。この洗浄作業中には、今まで報告されていない線刻のある資料やスタンプ紋がある資料、接合できそうな大型の破片資料などがあり、新しい発見が多くありました。その後、注記作業(出土場所や取り上げ日時を記入する作業)を経て、漸く整理の第一段階が終了し、外部の研究者が閲覧できる状態になりました。

洗浄途中の埴輪
何人かの研究者に資料を見てもらった結果、これまで報告されている資料よりこの古墳の実態を明らかにする上で重要な資料が多くあることがわかり、外部の埴輪研究者の協力を得て、これらの埴輪を整理・報告することとなりました。
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