
円筒埴輪
今回、再整理した結果、埴輪片は約4200点を数え、これまで知られていた円筒埴輪・壺形埴輪の他に朝顔形埴輪があることがわかりました。(資料目録には、その中の88点を収録しています。)
それぞれの埴輪の特徴としては、(1)円筒埴輪には鋸歯文(きょしもん)・竹管文(ちっかんもん)といった紋様が加えられていること。(2)壺形埴輪では「東四国系壺形埴輪」という製作技法に類似していること。(3)朝顔形埴輪では、奈良県東殿塚古墳や大阪府玉手山古墳群に類例を確認でき、その原形は大和をはじめとする畿内にあることが明らかとなりました。

壺形埴輪
また、出土地毎にみた破片の数からは、後円部墳頂には壺形埴輪、くびれ部には朝顔形埴輪、前方部には円筒埴輪が多い傾向がわかり、埴輪の配列に規則性がある可能性が出てきました。

朝顔形埴輪の一部
このように、円筒埴輪、壺形埴輪、朝顔形埴輪を墳丘に配置する前期古墳は、県内には無く、四国内でも比較する古墳が少ないのが現状です。その技術系譜は円筒埴輪・朝顔形埴輪は畿内に、壺形埴輪は東四国(讃岐・阿波)に求めることができ、この古墳の築造された背景を探る上で重要な事柄です。これらの埴輪の年代観は、古墳時代前期中葉(4世紀中葉)と想定されています。
大量に発見された埴輪の再整理から古墳の築造された背景や地域関係などが少しずつ明らかになってきました。
※この埴輪の整理成果は(財)愛媛県埋蔵文化財調査センター山内英樹氏によるものです。資料目録には「相の谷1号墳出土埴輪についての諸問題」が掲載されています。合わせてご参照ください。
(資料目録第16集『今治市相の谷1号墳』は当館友の会が増刷して販売しています。入手方法は友の会のページをご覧ください。)
