Archive for 7月 18th, 2007

開催中!「異界・妖怪大博覧会」2―鍾馗―

2007年7月18日


※河鍋暁斎画「鍾馗図」(今治市河野美術館蔵)

この図は、幕末から明治時代にかけて活躍した絵師の河鍋暁斎(かわなべきょうさい)が明治19年に描いた鍾馗(しょうき)です。上から官人姿で口ひげを生やした鍾馗がにらみつけ、大鬼が小鬼を抱きかかえて退散しようとしています。

鍾馗は、妖怪・お化けというよりは中国における神とでもいうべきものです。疫病(えきびょう)を追い払い、邪を除くとも信じられ、鬼を追い払う様子の図がよく描かれています。

もともとは、中国の玄宗皇帝の夢に出てきて、病気をなおしたという故事があり、その話が日本にも伝わりました。その説話は次のとおりです。

中国の唐の時代、玄宗皇帝が熱病に患った時、大鬼が小鬼を捕らえる夢を見た。皇帝が大鬼に正体を聞くと、自分は「鍾馗」で、役人の試験(科挙)に落第して自殺したが、当時の皇帝が手厚く葬ってくれたので感謝していると言った。すると玄宗皇帝は夢から覚めると病気が治っていた。そして鍾馗には邪を祓う力があるとして世間に知れわたった。

日本でも、平安時代末期に描かれたとされる「地獄草紙」(益田家本乙巻)にも、鍾馗が、病気をひきおこす鬼を捕らえて、退治する様子が描かれています。詞書にも「目をくじり、躰をやぶりて、これをすつ」つまり、鬼の目玉をくりぬいて、体を引き裂いて棄てるというのです。また「地獄草紙」には、お正月に鍾馗の絵を家の玄関にはると魔除けとなるとも記されています。現在でも、5月端午の節句や、夏の暑気払いに鍾馗を描いたお札をはる習慣が各所で残っています。