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開催中!「異界・妖怪大博覧会」5―十界図―

2007年7月26日

仏教では、迷える者・悟れる者すべて含めて、この世界を10の領域に分けており、これを「十界(じっかい)」といいます。その10の世界とは次のとおりです。

1 地獄界・・・・閻魔(えんま)にさばかれて様々な責め苦を受ける。
2 餓鬼界・・・・飢えに苦しみ、食べ物を手に取ると火に変わってしまう。
3 畜生界・・・・悪い行いをした者が生まれ変わる動物世界。
4 修羅界・・・・いつも戦いばかりして、平和のない殺伐とした世界。
5 人界・・・・・人間の住んでいる平凡な世界。
6 天界・・・・・天上の世界。ここまでを「六道」(ろくどう・りくどう)という。
7 声聞界・・・・仏の教えを聞くことができる世界。(声を聞いて悟る)
8 縁覚界・・・・様々なことを感じとることができる世界。(縁によって悟る)
9 菩薩界・・・・悟りをひらいて仏になろうと修行にはげむ世界。
10 仏界・・・・・悟り(迷いを断ち切り真理を知る事)をひらいた仏の世界。

そして、地獄界の中でもさまざまな地獄があり「八大地獄」などと呼ばれます。「八大地獄」は次のとおりです。

1 等活(とうかつ)地獄
 殺生の罪を犯した者がおちるとされる。常に殺し合いをする地獄。
2 黒縄(こくじょう)地獄
 殺生・盗みの罪を犯した者がおちるとされる。台地は熱く焼けた鉄で、斧や鋸で体を切りきざまれるとされる。
3 衆合(しゅごう)地獄
 殺生・盗み・邪淫の罪を犯した者がおちるとされる。鉄の山がくずれ落ちてきて、つぶされるという。
4 叫喚(きょうかん)地獄・5大叫喚地獄
 殺生・盗み・邪淫・飲酒の罪を犯した者がおちるとされる。 熱湯の大釜や猛火の鉄室に入れられ、泣き叫ぶという。
6 焦熱(しょうねつ)地獄・7大焦熱地獄
 殺生・盗み・邪淫・飲酒・妄語・邪見の罪を犯したものは、たえがたい火熱の苦しみを受けるという。
8 阿鼻(あび)地獄<無間(むげん)地獄ともいう>
 両親や出家僧を殺害するなどの大悪を犯した者などが死後におち、罪のつぐないとして焼かれ続けるという。地獄中では最も苦しい地獄。

その他にも、寒地獄や血の池地獄、両婦地獄などもあります。


※十界図(三幅のうち左幅)

さて、この図は愛媛県内の寺院に所蔵されているもので、毎年1月16日と8月16日に、その寺院にてご開帳される十界図です。仏・菩薩・人・地獄などさまざまな世界が描かれています。製作年代は江戸時代末期の文久元(1861)年で、地元の者が寄進したものです。3幅あり、この(左)の掛軸には上部は阿弥陀如来(仏)が来迎して救済する場面、中段以下は、さまざまな地獄世界が表現されています。


※十界図(三幅のうち中央)

この(中央)の掛軸には、上部に、恐ろしい形相をした閻魔王が描かれ、死者を裁いています。中段以下には、さまざまな地獄世界に加え、修羅(人が戦ばかりする世界)、餓鬼(食物が火に変わって飢えてしまう世界)も描かれています。


※十界図(三幅のうち右幅)

この(右)の掛軸では、上部には賽の河原(三途の川)が描かれていますが、地蔵菩薩が特に強調されており、地獄世界からの救済者として信仰を集めていたことがわかります。中段には、墓地の様子、下段にはさまざまな地獄世界が描かれています。このような掛軸は、年中行事として定期的に公開されることで、庶民にも「あの世」の姿が教え導かれたのです。

※なお、このような地獄世界などを描いた十界図や、愛媛県内の「あの世」(墓・お盆行事)などについては、7月28日(土)13:30~当館研修室にて学芸員による関連講座が行われます。タイトルは「あの世と地獄―日本人の死生観―」。定員80名ですが、まだ若干、空きがありますので、興味のある方はお申込・ご参加ください。