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開催中!「異界・妖怪大博覧会」8―武太夫物語―

2007年7月29日


これは武太夫物語(ぶだゆうものがたり)、別名、稲生物怪録絵巻(いのうもののけろくえまき)と呼ばれる絵巻物で、江戸時代に起こった怪異を描いたものです。(国立歴史民俗博物館所蔵)

安芸国(広島県)の稲生武太夫が友人と、百物語(怪談会)をしたところ、7月1日から7月30日まで毎日、毎晩、様々な妖怪が現れるようになります。ところが武太夫は怖じ恐れることなく1ヶ月間淡々と対応したので、最後に妖怪の魔王とされる山本五郎左衛門が現れて、妖怪ともども一同に退散してしまうという内容です。

この1ヶ月、さまざまな出来事が起こっていることが記されていますが、その一部を紹介しておきます。

1 稲生武太夫(平太郎)が、百物語をしたために、7月1日から30日間、様々な怪異に出会う。7月1日には、ヒゲを生やした一つ目の大男が、平太郎に襲いかかる。

2 一緒に百物語をした権八の家にも一つ目の童子が出現した。


3 7月3日、女性の生首が、さかさまで、髪をつきたてて、歩いてきた。

4 7月3日の夜、天井から、ひょうたんが、突然さがってきた。

5 7月5日、カニに似ていて、足のたくさんある石が現れた。

6 7月6日、庭に出て、たきぎ小屋を見ると、大きな老婆の顔が戸口をふさいでいた。

7 7月10日、貞八という知り合いに化けた妖怪が来る。頭の中から子供がでてきた。

8 7月12日、大きなカエルが出る。赤いヒモで結ばれていたので、ヒモを持って寝ると、朝、カエルはつづらになっていた。

9 7月14日、目ざめてみると、老婆の顔があって、舌をのばして舐められてしまう。

10 7月17日、家に女性が訪れた。すると勝手に盥(たらい)が転がっていった。

11 7月17日の夜、目は丸くて、串刺しになった首が数多く飛びはねた。

12 7月21日、夜、あんどんの明かりをつけると、人影があらわれた。

13 7月22日、朝起きると、ほうきが勝手に掃除をしていた。

14 7月23日、家の天井に、見たこともない大きなハチの巣が現れた。

15 7月24日の昼に、大きなチョウが家に飛び込んで、ぶつかって粉々になると無数の小さなチョウになった。

16 7月24日の夜、あんどんに火をともすと石塔になって、激しく燃えだした。

17 7月25日、縁側から庭におりようとすると、大入道が横たわっていた。

18 7月28日、虚無僧が大きな音で尺八を吹きながら入るが、武太夫は平気で寝る。

19 7月30日、左には妖怪の「魔王」である山本五郎左衛門、右には武太夫の守護神(冠装束姿)が現れる。

20 妖怪の「魔王」山本五郎左衛門は、手下の妖怪が担ぐカゴに乗って、去っていく。それ以降、武太夫に怪異は起こらなくなった。

※現在、この絵巻は、七月九日までの怪異場面を展示しています。後期展示(8月8日~)では、七月二十日過ぎから、三十日までの怪異場面を展示する予定です。