宇和島市の満願寺は江戸時代、多くの四国遍路が参詣する寺院として栄えていました。その境内には弘法大師を祀る大師堂があり、その中に安政5(1858)年に地元の者が寄進した地獄極楽絵馬が伝存しています。

※地獄極楽絵馬(左・満願寺蔵)
左の絵馬は左上に描かれた阿弥陀如来により救済される極楽世界を表現しています。中央の絵馬は、地蔵菩薩と賽の河原を描いた絵馬。地蔵菩薩は極楽浄土に往生できず、地獄へ堕ちるとされた衆生を、地獄から救済してくれる仏として信仰されていました。また、子供が石積みをしている賽の河原は「三途の川」ともいわれ、あの世とこの世を分ける境目ともいわれます。

※中央の絵馬

※右の絵馬
右の絵馬には各種の地獄世界が描かれています。右上には、地獄の入口で裁判官として人をさばく「閻魔大王」、右下には、三途の川で死者の着物を奪い取る「奪衣婆」が配置されています。愛媛県内で、このような地獄極楽図が絵馬の形で残されているのは大変珍しい事例といえます。
