「異界・妖怪大博覧会」で展示している「百鬼夜行絵巻」には、顔や頭などの体の一部が道具で表現されている妖怪がいます。それは、道具を粗末に扱うと妖怪になってしまうという考えからきています。
これらの妖怪の中には、当館で展示している民具の妖怪も登場しますので、実際の民具と合わせて紹介します。紹介する民具は、いずれも常設展示の民俗展示室2(愛媛のくらし)で見ることができますので、企画展と合わせてご覧下さい。
○農具の妖怪

左側の妖怪は頭に箕(み)を載せて、手に枡(ます)を持っています。箕は、穀物をよりわけたり、運ぶ道具です。穀物を入れて両手で縁を持って上下に振ることで、皮や屑が外へ飛んでいきます。枡は、穀物や酒、醤油など、固体・液体を計る道具です。今の1.8リットルである「一升」が基準になっています。
右にいる妖怪は、顔になっている杵を自分の手で持って臼でついています。こちらは穀物を脱穀する様子です。二人で農作業をしているようです。


○盥(たらい)の妖怪

水やお湯を張って、顔や手を洗う道具が盥です。盥の底の部分が大きな顔になっているこの妖怪は、顔や体は女の人のようですが、手足を黒い毛が覆い、鋭い爪が生えています。赤い口元に点々と見える黒い物は歯です。これはお歯黒といい、江戸時代の女性は、成人もしくは既婚のシンボルとして歯を黒く染めました。

この大きな盥の底が、女性の顔になると想像して下さい。
