※はしかから逃れる符
企画展「異界・妖怪大博覧会」では、占い・まじないのコーナーで「増補呪詛調法記大全」(当館蔵)と「新撰呪詛調法記大全」(当館寄託)を展示しています。これらは一般に「まじない調法記」と呼ばれるものです。
「増補呪詛調法記大全」は、安永10(1781)年の刊で、呪詛(まじない)、占い、禁忌(タブー)の知識や手段を記しています。それ以前に刊行された「呪詛調法記」・「続呪詛調法記」の内容を集積しており、病苦や災厄を除く方法が多く紹介されています。
そもそも、調法記(重宝記)とは、江戸時代に刊行され、庶民が日常生活の実用書として使用していた書物のことで、家庭生活の事から医・薬学、農・商業など、生活全般が取りあげられました。庶民の知識や社会生活の諸相を反映したものともいえます。
※虫歯の痛みを治す符
ここで紹介している写真は、天保13(1842)年刊行の「新撰呪詛調法記大全」に記載されているまじないや占い、禁忌、信心などへの対処法の一部です。
元来、宗教者が有していた知識・技術が、こういった典籍の刊行によって庶民にも普及していったといえます。
※疫病よけの符