(11)朝顔(あさがお) -盛夏の文様-
きものにおいて、盛夏を伝える植物文様は意外と少なく、秋の植物を早めに取り入れることで涼しさを演出してきました。その中にあって朝顔は、鉄線(てっせん)と並んで盛夏を象徴する植物です。

染型紙 朝顔 個人蔵(西宇和郡伊方町)
型紙では、格子に蔓(つる)を絡ませた朝顔が、シンプルに描写されており、すっきりとした夏の清涼感が感じられます。

(11)朝顔(あさがお) -盛夏の文様-
きものにおいて、盛夏を伝える植物文様は意外と少なく、秋の植物を早めに取り入れることで涼しさを演出してきました。その中にあって朝顔は、鉄線(てっせん)と並んで盛夏を象徴する植物です。

染型紙 朝顔 個人蔵(西宇和郡伊方町)
型紙では、格子に蔓(つる)を絡ませた朝顔が、シンプルに描写されており、すっきりとした夏の清涼感が感じられます。

(10)燕(つばめ) -春の渡り鳥-
低く飛ぶ燕をよく見かける季節になりました。巣立ったばかりなのかもしれません。

染型紙 燕 個人蔵(西宇和郡伊方町)
柳の下を風を切って飛ぶ燕。すっと伸びた優美な尾羽(おばね)またの名を燕尾(えんび)が特徴的です。秋の雁(かり)に対して春の渡り鳥として、春から初夏にかけての季節をさわやかに象徴する鳥です。
当館収蔵の久保家伝来の甲冑「紋柄威五枚胴具足」「銀箔押帽子形兜」(注:当ブログの昨年9月24日記事参照)が、このたび他館の企画展からのオファーにより、お出かけしました。
行き先は西予市内、当館のある旧宇和町のお隣旧野村町、野村シルク博物館。「なぜシルク博物館に甲冑?」と思われるかもしれません。実は、現在同館では「藍の魅力」展を開催中で、この甲冑の威糸(おどしいと)などの生地が藍を使って染められていることから、約400年前の藍染めの使用例ということで展示されることになりました。
お出かけにあたって、展示監修者として当館学芸員にもオファーがあり、一緒に出向いて、シルク博物館の方々と甲冑の展示を完成させました。
シルク博物館での展示作業
南予地域に伝わった資料が、同じ南予地域の施設で公開・活用されることは、地域文化をより多くの方々に知っていただくよい機会といえます。当館のこの甲冑も、それに一役買うことができたというわけです。
ちなみに、当館から他にも「絣」「夜着」がお出かけしています。甲冑は8月31日(日)まで展示されています。

特別展「愛媛と戦争~伝えたい戦争の記憶・平和な未来へ~」は、本日開幕しました。
観覧料は以下のとおりです。
■特別展
大人 500円(400円)
小・中学生 250円(200円)
■常設・特別展共通
大人 700円(600円)
※( )内は20名以上の団体料金になります。
※65歳以上の方は常設・特別展ともに無料です。
※小・中学生は常設展は無料です。
職員一同、みなさまのご来館を心よりお待ちしております。
(9)桜(さくら) -花と春の代名詞-

「花見」の花といえば桜の花をさします。桜は平安時代に貴族に愛され、それまで「花」の代名詞であった梅にとってかわりました。可憐(かれん)な色や形とともに、花が散る風情や流水に浮ぶその姿が人々の心をとらえたのです。

染型紙 桜 個人蔵(西宇和郡伊方町)
桜の型紙は数多くあります。今回紹介する型紙では桜の花弁に広がりを持たせ、その花弁の中にさらに文様を埋め込んでいくという手の込んだ技法をとっています。

ため息の出るような精緻(せいち)な技法です。このような型紙こそ、実物を見ていただきたいと思う逸品です。
西予市野村町の中心部にはなだらかな盆地が広がっていますが、その北部、盆地を北から一望するかような位置の、比高200mはあろうかという山頂に白木城はあります。山頂部の主郭から、細長い尾根に沿って前後双方に曲輪が連なります。
白木城跡
白木城は、戦国時代に野村一帯に勢力を及ぼした野村宇都宮氏の本拠であったといわれています。しかしながら、野村宇都宮氏に関する当時の確実な資料はほとんど皆無に等しく、現在のところ後世の文献や伝承などからうかがうしかありません。また、豊後から南予に亡命して野村に土着したといわれる緒方氏が、戦国末期に白木姓で呼ばれていることを「宇和旧記」に引用の古文書に見ることができ、緒方氏の関与もうかがわせます。
実は、白木城自体は当時の古文書の中にその名を現します。永禄11(1568)年に、宇和・喜多郡境で河野・毛利勢力と宇都宮・一条勢力が衝突した鳥坂合戦の時、少し前に近くの高島で合戦が起きますが、そこでまさに両軍が激突する直前、毛利方の小早川隆景が家臣乃美宗勝へ宛てた書状。その中で、来島村上氏からの報告を受けて、隆景は「白木城から菅田城・鴇ケ森城(ともに大洲市)へ向けて2里前後(主体が来島村上勢か、一条勢かは不明)にあるということなので、もはや対陣の思いがする、すぐ近くである。」と記しています。残念ながら、合戦の一部始終が詳細に分からないので、この時の白木城がどの勢力に属し、どういう状況下に置かれていたのか詳しく述べることはできませんが、白木城から菅田・鴇ケ森までを最短で結ぶ白髭峠を越える経路上に、最初の両軍直接衝突の地である高島が位置することから考えても、白木城がこの大合戦に無関係ではいられなかったことが容易に想像できます。
(8)鶯(うぐいす) -春を告げる-
鶯の「ホーホケキョ」と鳴くさえずりは春の訪れを告げるものとされ、鶯は「春告げ鳥」とも称されます。
鶯がその年初めて鳴く声を「初音(はつね)」と呼び、厳しい冬の終わりと待ちこがれた春の到来を意味します。

染型紙 鶯と唐獅子牡丹 個人蔵(西宇和郡伊方町)
この型紙には、梅に鶯という初春の象徴が、丸い円形にデザイン化されています。
ちなみに左の文様は唐獅子(からじし)と牡丹(ぼたん)の組み合わせです。この組み合わせの文様については、また別の機会にご紹介します。
(7)狐(きつね)-近くで見ると-
「近くで見なければわからない型紙シリーズ第三弾」です。
この型紙もどこに狐がいるのか、近くでよく見ないとわかりません。

染型紙 狐 若松旗店蔵(八幡浜市)
よく見ると、草原を狐が走り回っているような文様です。
狐の特徴のある耳とふさふさとしたしっぽに形の面白さを見出し、文様として取りあげられました。

染型紙を彫る技法は「突彫(つきぼり)」、「錐彫(きりぼり)」、「道具彫」、「縞彫(しまぼり)」(「引彫(ひきぼり)」とも言います)と四種類あります。
この型紙の丸い点は錐彫りで彫られています。錐彫りとは、半円形の刀を型地紙に突き刺し、くるっと回転させ、小さな円形を彫りぬく技法です。

夏休みは「れきはく」に行こうか?
れきはく(愛媛県歴史文化博物館)では、夏休み期間中に「妖怪・まじない」に関する展示コーナーを設けます。
展示物の目玉は「百鬼夜行絵巻(ひゃっきやぎょうえまき)」(愛媛県歴史文化博物館所蔵)。今から200年程前の江戸時代に写された絵巻物で、長さは11メートルもあり、約70種類ものお化けが紹介されています。その他に、幽霊や地獄に関する写真パネルも展示します。
鬼は少しこわいかな?
また、まじないコーナーでは、江戸時代、明治時代のさまざまな呪(まじな)い書を展示。昔のまじない・うらない文化を紹介します。
暑い夏、れきはくに来れば、身も心も涼しくなるぞ~。
期間 平成20年7月9日(水)~9月7日(日)
会場 愛媛県歴史文化博物館 文書展示室(常設展示観覧券が必要です。)
<主な展示資料>
「百鬼夜行絵巻」・「夜窓鬼談」・「絵入往生要集」・「地獄極楽絵葉書」・「幽霊絵葉書」・「新撰呪詛調法記」・「増補呪詛調法記」・「永代大雑書萬暦大成」 ・「神道鍛冶絵巻」・妖怪や幽霊、地獄に関する写真パネル

れきはくで待ってるよ~。