(30)兎(うさぎ) -月で餅つき-
長らくご紹介してきました、「日本の文様―文様になった生きもの達―」も今回が最終回となります。最後に少し珍しい型紙をご紹介します。

染型紙 兎に菊 個人蔵(砥部町)・当館保管
今までの型紙と比べて形が違うことにお気づきでしょうか。
この型紙は、布を染める型紙ではなく、やきものに絵付けするための型紙です。この型紙を、お椀やお皿などやきものの上にあてて、顔料を刷毛などで塗って色づけます。やきものは立体的なものが多いため、湾曲している型紙もあります。同じ柄のやきものを大量生産するために、型紙などを用いて絵付けしたものを「印判手」(いんばんて)と呼びます。白地に青い色が美しいやきものです。
月に兎が住んでいるという伝説は中国が発祥の地です。不老不死の霊薬を臼でついている兎が、日本に伝わって餅をつく姿となりました。
菊などの秋の草花と取り合わせた文様は、月からの連想によるものです。