Archive for 1月, 2010

ひと足はやい春

2010年1月30日

 特別展「ポーラ・コレクション 美人の化粧術~姫君からモダンガールまで~」の開幕が近づいてきました。毎年、春恒例の展示として定着した「おひなさま展」は、今年は常設展示室の考古展示室・文書展示室でテーマ展として開催します。

 細々とお道具が付いたおひなさまを展示するのは時間がかかるので、今週から列品を始めました。昨日には民俗展示室2の三つの民家に段飾りを展示して、ご覧いただけるようになりました。博物館にひと足はやい春が訪れたようです。

 特別展、テーマ展はいずれも2月16日(火)に開幕します。今しばらく準備の日々が続きます。

ボランティアさんによる資料整理

2010年1月22日

   毎月1回第3木曜日はボランティアの方により保管資料の整理作業を行なっています。昨年8月からは数回にわたって、当館収蔵考古資料の中の愛南町和口遺跡の旧石器の整理作業を手伝っていただいています。昨日は5名の方に参加いただきました。

   報告書との照合作業や写真撮影をこれまでにしていただいており、今回は資料カードの作成を行いました。

   昨年8月・9月・12月の整理の際に写真撮影をしていただいた写真を切り取り、報告されている実測図とともに資料整理カードに貼り付けます。

    2時間弱という短時間の間でしたが、100枚近くのカードが完成しました。基礎的な作業ですが、学芸員1人では900点以上ある石器の照合作業や写真撮影、資料カードの作成には膨大な時間を要します。

   この資料整理作業の成果は、テーマ展として公開する計画を立てています。ボランティアの方のみならず、友の会土器ドキクラブの会員の方、博物館実習生、地元の高校のインターンシップの方など、多くの方に協力いただいております。

   ボランティアの方からは「これまで、考古学には興味がなかったが、実物資料に触れたり、現地の遺跡を見学することにより、この世界にのめりこみそうだ。」というありがたい感想もいただいています。

    今後も、資料を収集・寄贈された故木村剛朗氏の意図が伝わる方法で、整理・展示を進めていきたいと考えています。ボランティアのみなさん、今後もご協力宜しくお願いします。

和口遺跡を訪ねて

2010年1月20日

 友の会土器ドキクラブでは、当館に寄贈された和口遺跡採集の旧石器時代の石器の整理をしています。和口遺跡は、僧都川の支流である和口川のほぼ中流右岸の低丘陵上、南宇和郡愛南町御荘和口の通称「西の駄馬」に所在しています。昭和61年に、ここでナイフ形石器等数百点の遺物が採集されたのを契機に、翌年新聞紙上で遺物発見の報道がなされ、旧石器時代の遺跡として周知されるようになります。

 昨年12月16日、その見識を深めるため、講師に㈶愛媛県埋蔵文化財調査センターの多田仁氏を招き、平城交流センターで和口遺跡とその遺物について解説していただいた後、実際に和口遺跡を訪ねました。

 多田氏によると、「和口遺跡の石器には主に頁岩(けつがん)とよばれるこの近辺で取れる石が材料として用いられているが、石器の製作技術には、瀬戸内技法(備讃瀬戸地域で発達した2万年前の石器製作技術)で製作されたナイフ形石器や翼状剥片が存在している。このことから、現在の香川県あたりにいた旧石器時代人が和口まで移動してきたと考えられる。」ということでした。参加者は、氏の話を興味深く聞き、熱心にメモを取ったり、質問したりしていました。

 その後、交流センター内に展示してある平城貝塚出土遺物を見学し、昼食をはさんで、和口遺跡にむかいました

 和口遺跡に着くと、石器を探してみることにしました。

 20分くらい探した結果、7点の石器が拾えました(ただの石は、これの10倍ほど拾いましたが…)。これらの石器は、愛南町教育委員会におわたししました。

 この後、和口川に行って頁岩を拾い、その場で多田氏に石器の製作実演をしていただきました。

 土器ドキクラブ員にとっては、愛南の旧石器にふれ、とても充実した1日でした。

雪と格闘

2010年1月14日

 昨日の朝から降り出した雪は、一日中断続的に降り続き、朝起きてみると宇和はすっかり雪景色。最後の心臓破りの坂を登りようやく出勤すると、博物館はすっかり雪に覆われていました。

 すぐに物差しをもってきて、一番深そうなところに突きさしてみました。

 なんとおどろきの25センチ。ここまでも積もったのは本当に久しぶりです。

  郵便ポストを撮ってみました。上の雪の厚みで降った量が分かります。

 このふかふかの雪で人型をとるとこんな感じ。雪質がいいので、なかなか存在感のある人型が取れました。

 もちろん、遊んでばかりいたわけではなく、ちゃんと職員総出で駐車場からの歩道を確保。かなりの重労働で、雪国に住まわれる方のご苦労が感じられます。

 融雪剤撒くために軽トラ出動。軽トラに荷台あけるとそこにも雪がびっしり。

 融雪剤で帰るころには少しは融けているといいのですが…