Archive for 3月 21st, 2010

村上節太郎写真29 今治城の牡蠣の養殖

2010年3月21日

今治城の牡蠣の養殖 今治市 昭和11年

 何の変哲もない城跡の石垣の写真。名所旧跡として今治城を撮影した写真に見える。しかし、村上節太郎が書き残したメモには、「城の堀を利用したカキの養殖」と記されている。確かによく見ると、堀の中に養殖のための竹ヒビが林立している様子がうかがえる。
 地元で聞くと、今治城の堀は明治時代に入り、旧今治藩士がつくった組合により管理され、牡蠣の養殖場として貸し出されていたことがわかった。今治城の堀は海水を導入しており、潮の干満による水位を調整する水門もついていたため、牡蠣の養殖に適していたのだろう。村上の地理学者としてのセンスがうかがえる一枚である。
 今治城は軟弱な地盤を補うため、今治城の本丸、二之丸の石垣の下には犬走りがまわり、松が植えられていた。昭和11年の写真には多くの松が見えるが、現在はこれらの松は失われている。