8月17日(火)~22日(日)の6日間、平成22年度の博物館実習を実施しました。博物館実習とは、博物館の専門的職員である「学芸員」(博物館法第4条第3項及び第4項)の資格取得について、博物館法施行規則第1条に基づく「博物館実習」を行い、学芸員としての知識、技能等を修得させるための研修です。今年度、当館では2名の実習生を受け入れました。
実習内容は、歴史、民俗、考古各分野の資料整理と、体験講座やワークショップの運営補助、総合案内や企画展の受付や展示監視など。実習生は担当の学芸員や施設管理スタッフの指導のもと、博物館のさまざまな業務を連日体験しました。
歴史資料の整理では、掛軸や巻子の取扱いを学びました。また、古文書の分類は、くずし字を読みながらの作業。大学でくずし字を読む機会があまりなかった実習生にとって有意義な研修となったようです。
民俗資料では、常設展示替え、資料写真の撮影、四国遍路で使用する納札のデータ入力を行いました。また、フィールド調査として、実際に博物館の近くにある43番札所明石寺に行き、遍路道標にふれるなど現地学習を行いました。
考古資料では、ボランティア・スタッフのみなさんとともに、石器や土器の分類整理を実施。たくさんの土器の破片の中から、接合できるピースを探したり、資料カードを作成したりしました。
体験講座「ガラス玉をつくってみよう」(8月21日実施)では、事前に実習生が実際にガラス玉づくりに挑戦。ガラス棒をガスバーナーで溶かしながら、棒を回転させながらガラスを巻きつけ、ガラス玉製作を体験しました。その経験を活かして、講座当日の運営補助を行ってもらいました。他にワークショップ「うちわ絵付け体験」の補助をするなど、来館者との交流を深めました。
6日間にわたる博物館実習は無事に予定通り終了。今回の実習では、ふだんあまり接することがない博物館の裏側での地道な資料整理活動や、博物館と人を結びつける大切な普及活動の最前線を体験しました。実習生は終始、意欲的に取り組んでいました。