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佳姫の婚礼10-盛大な婚礼-

2011年3月31日

 佳姫(よしひめ)の駕籠は宇和島藩上屋敷の表御門から入り、次に御奥御門に進み、若年寄は作法通りに貝桶を渡す儀式を行い、その後両家家老により佳姫が乗る御輿の引き渡しの儀式が行われます。駕籠はそのまま祝いの間に入り、見えないように屏風をひきまわします。その後新郎である伊達宗徳(むねえ)が祝いの間に入り、駕籠に手をかけ佳姫(よしひめ)がはじめて姿を現します。

 付き添いの老女が佳姫を休息の間に案内し、佳姫は上の間に着します。続いて宗徳が入り佳姫のお守りを老女が宗徳方の老女に渡すと、宗徳はこれに会釈し、お守りを床に掛けて式が行われます。佳姫持参の宗徳の衣装が披露され、盃事が行われます。宗徳の方から贈られた佳姫のお色直しの衣装も披露され、佳姫は休息の間でお色直しをすると、お互い贈られた衣装で揃って祝いの間に入り、再び盃事を行います。そして、寅刻(午後4時)過ぎに式が終わり、宗徳と佳姫は奥に下がっています。

 五半時(午後8時)になり、伊達宗城(だてむねなり)が御表に出座、老若はじめたくさんの藩士が召され、盛大な酒宴が始まります。巳刻(午後10時)になり、新奥の用意ができたとの知らせで、宗徳が新奥に渡り御床盃の儀式が行われています。それからさに、九時(午前0時)に、宗城の御奥にて奥老をはじめとする奥女中、その他の御側の衆にお酒を賜り、謡に踊りにと宴会は続きます。大名家の婚礼がいかに大変であったのかが伝わってきます。

 御輿入れあとにも、12月21日の皆子餅を配ったり、翌年の婿と舅のそれぞれの訪問、幕府への婚姻届けの提出などがありますが、以下は細かい話しになるので省略します。