Archive for 5月, 2011

文書展示室「伊予の災害展」のお知らせ

2011年5月17日

○「伊予の災害展」

1 開催期間  平成23年4月28日(木)~平成23年6月17日(金)  

2 会  場  愛媛県歴史文化博物館 文書展示室

3 内  容  収蔵資料を中心として、近世から近現代にかけて、伊予の災害に関する文書を紹介します。江戸時代における伊予の大地震は、慶長9(1604)年から安政4(1857)年まで、合計9回発生しました。道後温泉の湯がたびたび止まり、中でも安政元(嘉永7)(1854)年に発生した大地震は被害が大きく、宇和海沿岸では津波が発生しました。近代においては、関東大震災が大正12(1923)年に発生し、愛媛県出身者も被災しました。その時に消息や被災状況を伝える電報や葉書が愛媛県の家族へ送られました。現代では、昭和21(1946)年の南海大地震が発生し、県内にも大きな被害が出ました。いつの時代においても、災害後の復興では、人々が団結し、協力することによって立ち直って来ました。伊予における災害から復興、そして現在における防災の様子を紹介します。

 4 主な展示資料

(1)火事装束 (江戸時代 当館蔵)

 寛政11(1799)7月に大洲城下町で火災が発生し、大半を焼失しました。火災後の復興にあたった大洲藩10代藩主加藤泰済(大洲藩第6代藩主加藤泰衑(やすみち)の5男)が所用した火事装束です。通常、大名の火事装束は、頭巾・羽織・胸当て・石帯・袴で構成されていました。しかしながら、この火事装束の形態は、戦場と同様に動きやすい具足に工夫されています。木地は燃え移りにくい麻を使用し、銅には金属の板が包まれ、胴・篭手・脛当てなどの各部分の縁取りや紐には鹿革が使用されています。当時の消火活動は、建物を打ち壊して防火につとめました。そのため、実用的な変わり具足となっています。

 

(2)安政南海地震の記録(個人蔵・当館寄託)

 安政元(嘉永7)(1854)年11月5日に発生した安政南海大地震について、出海村(現大洲市)庄屋兵頭喜平太が記した記録。郡中町(現伊予市)では、家屋の倒壊によってけが人40人、死者20人が出ました。他にも宮内村・雨井村・楠濱村(現八幡浜市保内町)では、三島神社のふもとまで津波が押し寄せて、田んぼの中まで大船が打ち上げられる被害が出ました。土佐藩宿毛町(現高知県宿毛市)では、津波で町が流されて「無限の」死者が出ました。津波は、「引き際が最もおそろしき事」と特記しています。

(3)関東大震災の被災者が愛媛県の家族に無事を知らせた電報(個人蔵・当館寄託)

「イエ ヤケタ ミナ ブジ(家焼けた 皆 無事)」

「時の迷路」展 入場者1万人突破!

現在、愛媛県歴史文化博物館で開催中の
特別展「時の迷路―香川元太郎のフシギな世界―」。
5月13日(金)に、入場者が1万人を突破しました。
ご来場いただきましたお客様、ありがとうございました。

さて、会期が後半に入りました。
今回の展示は、もう一度見てみたいという子どもさんが多く、
リピーターのお客様向けに、展示内容を変更しました。

かくし絵クイズが展示室内にありますが、それをすべて一新しました。
しかも難易度を少し高くしました。
 
次にAに進むか、Bに進むかは、この問題に正解しないといけません。
一度訪れた方も、もう一回チャレンジしてみてください。
会期は6月12日(日)までとなっています。

なお、5月22日(日)13:30からは、子ども向けの解説講座
「香川元太郎さんの迷路に学ぶ日本の歴史」があります。
香川元太郎さんの歴史迷路をスライドショーで上映しながら、
迷路を解いたり、かくし絵をさがしたりしながら、
そこに描かれた時代について学芸員がわかりやすく解説します。
参加費は無料です。(当日受付も可能です。)

夏支度~昔のクイズ 最終回~

 今回で最終回となりました「夏支度~昔の道具クイズ~」です。

 この白い骨のような陶製の道具、何に使われたのでしょうか?

 

 実際に触っていただけるとよいのですが、この道具、すべすべでひんやりした気持ちよい手触りです。

 答えは、(3)陶器製の枕です。寝苦しい夏の夜に使われました。

 形も竹の節を模してあり、竹の持つさわやかなイメージも喚起させます。

 

 

 「夏支度~昔の道具クイズ~」でご紹介した道具はほんの一部で、暑い夏を涼しく快適に過ごすために昔の人は色々工夫してきました。

 今回の展示替えでは、夏に使う道具を展示しておりますので、ぜひご来館の上、涼しさを感じていただければと思います。

夏支度~昔の道具クイズ3~

2011年5月15日

 前回のクイズ、「ハイトリック」が捕まえるもの、わかりましたでしょうか?

 

 まずは、このハイトリックが「ある生き物」を捕らえる仕組みを簡単に説明します。

 手前にある木のローラーに蜜やお酒、砂糖水などを塗ると、それに引き寄せられて「ある生き物」がローラーに止まります。ローラーはゼンマイでゆっくり回るので、内部にはいると逃げられなくなるわけです。

 ネズミでは大きいですね。

正解は、(1)ハエです。

ハイトリックは、愛媛県歴史文化博物館の民俗展示室で見ることができます。

ちょっと不思議な道具をぜひ見にいらしてください。

では今日のクイズ、「夏支度~昔の道具クイズ3~」です。

白くてつるっとした陶製の道具です。

一体何に使われたのでしょうか?

(1)   花瓶

(2)  金庫(大事なものを入れる)

(3)  枕

今回のクイズはノーヒントです。

答えは「夏支度~昔の道具クイズ最終回~」で!

 

夏支度~昔の道具クイズ2~

2011年5月14日

 

 暑くなると人間と同じで、動物や虫も活動的になります。

 活動的になった虫が入ってこないようにする「蚊帳」のクイズを前回出しましたが、答えはお分かりになったでしょうか?

 

この蚊帳は、小さな子どもが眠る時に使われた蚊帳です。

というわけで答えは(2)子どもです。

この蚊帳は、昭和50年代に西予市宇和町で使用されたもので、上にある部品を引っぱると簡単に折り畳みができます。

持ち運びもできますので、主にお昼寝用として、小さな赤ちゃんから幼稚園に上がるくらいまで大切に使われたそうです。

赤ちゃんへの愛情あふれる、たいへんほほえましい道具です。

愛媛県歴史文化博物館の民俗展示室2、里のいえに展示してありますので、ぜひご来館下さい。

では今日のクイズ、「夏支度~昔の道具クイズ2~」です。

 茶色い箱のようなこの道具。夏に出てきて困らせる「ある生き物」を捕まえるものなのですが、その生き物とは何でしょうか?

(1)ハエ

(2)ネズミ

(3)ゴキブリ

ヒントは、この道具の名前です。

「ハイトリック」といいます。

答えは「夏支度~昔の道具クイズ3~」で!

夏支度~昔の道具クイズ1~

2011年5月11日

ここ2、3日で急に暑くなりました。

お洋服やお家のしつらえで夏支度をされている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

愛媛県歴史文化博物館でも、民俗展示室2を夏仕様に模様替えしました。

その中から、夏に活躍する道具をいくつかクイズ形式で紹介したいと思います。

座敷に置かれた、水色の大きなネットです。

子犬がボールを追う可愛い絵が描かれています。

この道具は「蚊帳(かや)」といいます。

網戸やクーラーなどがない時代、蚊が入ってくるのを防ぐネットのことを「蚊帳」と呼びました。

蚊帳にも色々種類がありまして、ここで問題です。

この蚊帳の中にはどんなものを入れて虫から守ったのでしょうか?

次の三つから選んでください。

(1)    食事

(2)   子ども

(3)     大人

答えは「夏支度~昔の道具クイズ2~」で!

5月22日(日) 特別展「時の迷路」子ども向け講座

2011年5月10日

現在、愛媛県歴史文化博物館で開催中の

 特別展「時の迷路―香川元太郎のフシギな世界―」の関連イベントのご案内です。

5月22日(日)13:30~小学生向けの講座があります。

 タイトルは「香川元太郎さんの迷路に学ぶ日本の歴史」。

香川元太郎さんの歴史迷路をスライドショーで上映しながら、

迷路を解いたり、かくし絵をさがしたりしながら、

そこに描かれた時代について学芸員がわかりやすく解説します。

参加費は無料です。

当日受付も可能です。

問い合わせ先は、愛媛県歴史文化博物館(0894-62-6222)です。

香川元太郎先生講演会レポート

2011年5月4日

 去る4月30日と5月1日、愛媛県歴史文化博物館の多目的ホールにて講演会「香川元太郎先生と迷路で遊ぼう―迷路はこんなにおもしろい!―」が開催されました。

 開演30分前より行われた受付には、楽しみにしてくださったお客さまの長い列。

ご覧のとおり、両日ともたくさんのお客さまに来て頂きました。

会場では、受付で配られた迷路を解いているご家族も多かったです。

みんなで解くと迷路は楽しいですよね。

そして時間となり、満を辞して香川元太郎先生のご登場です!

 

精密ロボット、ゲンタくんも展示室を飛び出して、香川先生のお手伝いです。

ゲンタくんはタイムトラベル装置を発動できちゃうんですよ!

そして昔の世界にタイムスリップ。

会場のみんなで迷路を楽しみました。

でもゲンタくんは迷路やかくし絵がちょっぴり苦手のようです。

会場のお友達に聞いたら、わかったお友達がみんな、元気一杯に手を上げてくれました。

先生に指名されたお友達は、舞台に上がってきて答えを教えてくれました。

難しい迷路や、小さなかくし絵もわかるお友達に会場みんなで拍手!

迷路で楽しんだ後は、香川先生がどのようにして迷路を考えて絵を描いているのか、製作過程の写真とともにお話しして頂きました。

香川先生が描かれた原画は、展示会場でも見ることができますので、どうぞご覧ください。

1時間あまりの講演会はあっという間に終了し、そのままサイン会が行われました。今回は会場で購入された本に、先生自らがサインしてくださいます。

子どもたちは憧れの先生の手元を食い入るように見つめていました。

サインの最後に、香川先生お手製のハンコをポンと押してくださるのですが、なんとそのハンコも迷路になっていて、みなさんびっくり!

「大好きなのですが図書館ではいつも借りられていて、今回購入しました」

「先生は昔から迷路がお好きだったのですか?」

「先生が好きな迷路は何ですか?」

「今度は○○の迷路を作ってください」

二時間近いサイン会の間、先生はファンの方ににこやかに対応してくださいました。

長い間並んでくださった皆様、そして香川先生、本当にありがとうございました。

お話しを聞いたら、また違った目で迷路絵本や展示を見ることができそうです。

ゴールデンウィークもまだまだ後半戦、ぜひ愛媛県歴史文化博物館「時の迷路」展においで下さい!