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民俗展示室3「四国遍路」展示替えのお知らせ

2013年8月1日

民俗展示室3「四国遍路」は、7月30日に一部資料の展示替えを行いました。

 今回新たに次の資料が常設展示に加わりました。

・弘法大師と衛門三の刷り物 

・弘法大師御事蹟壱千百年忌記念絵葉書、大正4(1915)年、個人蔵

・四国八十八箇所順拝略図、江戸時代

・四国第三拾八番土佐国足摺山図、明治時代

・遍路宿宿帳、昭和7~18(1932~43)年

 そのうち、「四国第三拾八番土佐国足摺山図」は、明治期に作成された四国霊場第38番札所足摺山金剛福寺の絵図です。絵図には略縁起を紹介し、境内の伽藍と足摺岬周辺の名所旧跡が描かれています。太平洋の沖合には日の丸をつけた洋船、帆船の姿も見られ、当時の様子を伝えています。

 また、「遍路宿宿帳」は、愛媛県上浮穴郡川瀬村大字下畑野川(現久万高原町)にあった旧遍路宿・大黒屋において、昭和7~同18年にかけて作成された遍路の宿帳です。畑野川集落は地理的に第44番札所大宝寺と第45番岩屋寺の中間地点にあたり、歩き遍路が順打ちして岩屋寺に向かう際、往復とも同じ道を通るため、宿に荷物を預けて巡拝する「打戻り」の拠点でした。そのため最盛期には遍路宿が10数軒あったそうです。この遍路宿宿帳に記録された遍路の数量的なデータは、昭和10年代の四国遍路の動向を知る上でとても貴重な資料といえます。常設展示室にある四国遍路の資料もぜひご覧ください。

弘法大師御事蹟壱千百年忌記念絵葉書

四国第三拾八番土佐国足摺山図ほか

遍路宿宿帳