2014 年 5 月 のアーカイブ

書道パフォーマンス「空海の言葉」開催しました

5月 8日 木曜日

 5月3日、特別展「弘法大師空海展」の関連イベントとして、愛媛県立三島高等学校書道部による書道パフォーマンス「空海の言葉」が開催されました。

 テレビなどで三島高校書道部の活動を御存じの方は多くいらっしゃいましたが、「直接目にするのは初めて」とたくさんの方においでいただきました。
 事前に製作していただいた作品の前でパフォーマンスしていただきます。
今回、パフォーマンスの言葉として選んでもらったのは次の詩です。

空海の言葉 「性霊集」より

桃李珍なりと雖も寒に耐へず
豈柑橘の霜に遇つて美なるに如かんや
星の如く玉の如し黄金の質なり
香味は簠簋(ふき)に実つる耐へつ応し

桃李は珍しいけれども寒さに弱く
蜜柑が霜にあっていよいよ美しいのに及ばない
星や玉に似て、そのもちまえは黄金である
そのかぐわしい味は供物の籠いっぱいに充ちる

『弘法大師空海全集』より

愛媛県の特産でありシンボルでもある柑橘類、その蜜柑について空海がほめたたえた詩です。この詩は乙訓寺(京都府長岡京市)の柑橘を天皇に献上した際のものです。

 気持ちの良い挨拶とともに音楽が鳴り、パフォーマンスの始まりです。
 トップバッターの生徒さんは筆ではなく、足で何かを書きはじめました。
 後でお話をお聞きしたところによれば、足で表現するのは空海の「五筆」の逸話に基づいた初めての試みだそうです。
 「五筆勅号」とは空海が唐へ渡った時の逸話です。宮中の三間の壁があり、王羲之(おうぎし)の書が書かれていましたが、歳月を経て破損していました。唐の皇帝は空海に命じて左右の手足と口に筆を持って書いて皇帝や臣下を驚かせたとされています。
 こちらの逸話を描いた場面が「高野大師行状図画」巻二として、「弘法大師空海展」でも写真パネル展示しておりますのでぜひご覧ください。

 そして音楽に合わせ、次々に生徒さんが立ち上がり、体全体を使って字を書いていきます。
 途中、音楽がとぎれとぎれになるハプニングがありましたが、動ずることなくパフォーマンスを続ける書道部の皆さんの姿は、胸に迫るものがありました。
 作品の紙は大きなものですが、事前に下準備として裏に補強し、左右の両端は長い棒で止めています。
 出来上がった作品を字が触れないように掛け声とともに折りたたみます。

 次に観客の皆さんが見やすい方向へ回転します。

 そして力を合わせて作品をぐんっと立ち上げます。
 流れる墨、そして力強い文字が目に飛び込んできます。
 作品の紙は4.32㎏の重さがあり、さらに水分を含んで重さを増します。
 最初に足で描いた絵は、この詩にゆかりのある乙訓寺をイメージしたものだそうです。

 蜜柑を称賛した空海の言葉を、ただ文字として書くだけでなく、詩の内容や書いた人間である空海の逸話も踏まえた、はつらつとしたパフォーマンスでした。

 パフォーマンス終了後、色紙のプレゼントがありました。自分の好きな文字を書道部の生徒さんが色紙に書いてプレゼントしてくれます。「夢」「希望」「感謝」大切な人の名前など、明るい言葉が次々と色紙に記されていきました。

 圧巻のパフォーマンスに加えてきびきびとした動き、元気のよい笑顔、三島高校書道部の皆さま、ありがとうございました。
 今回の作品もエントランスに展示しております。特別展「弘法大師空海展」とあわせてぜひご覧くださいませ。