2015 年 10 月 のアーカイブ

お見逃しなく!「善峯寺参詣曼荼羅」などの展示公開は11月3日(火)まで 

10月 30日 金曜日

現在開催中の特別展「四国遍路と巡礼」では、四国霊場や西国霊場の札所から巡礼に関係する貴重な御宝物をお借りして、特別に展示公開しています。

西国霊場第20番札所善峯寺に伝わる桃山時代の「紙本著色善峯寺参詣曼荼羅」(京都府指定文化財)もその一つです。

参詣曼荼羅は参詣者の勧誘と霊場案内を目的として霊場を描いた宗教的絵画のことです。善峯寺のものは大幅の画面に泥絵具で彩色し、善峯寺を中心とした周辺の景観が俯瞰的に描かれています。高野聖、琵琶法師などさまざまな姿の巡礼者が賑わう善峯寺参詣の様子が描かれています。

また、中世の熊野信仰を描いた四国霊場第43番明石寺に伝わる室町時代の「絹本著色熊野曼荼羅図」(愛媛県指定文化財)も特別公開しております。

本図は熊野の神々の相互関係や熊野信仰の内容を熊野三山の風景をとりまぜながら表現した礼拝用の絵画です。四国霊場の成立や展開には熊野信仰との関連性が注目されています。

ふだん非公開で見学することができない札所の貴重な文化財。この機会にぜひ博物館に足を運んでご覧いただければと思います。

展示替えのため、展示公開は11月3日(火)までとなります。お見逃しなく。

特別展「四国遍路と巡礼」の関連講演会を開催しました。

10月 29日 木曜日

平成27年10月25日[日]、四国大学文学部教授・四国霊場第4番札所大日寺住職の真鍋俊照氏を講師にお迎えして、「弘法大師空海と四国遍路を考える」と題して講演会を行いました。

講演会では、足摺岬にある金剛福寺の霊験譚などから補陀落渡海の事例や、若き日の空海が山岳修行者として四国の海岸や付近の山を主な修業地としていたこと、修験道が四国遍路に与えた影響、悟りの空間としての曼荼羅と四国遍路絵図との関係などについて、スライドを上映しながら詳しくお話しいただきました。

石塔パズル(テーマ展「石手寺周辺を掘る!」)

10月 24日 土曜日

当館では、土器や埴輪などの立体パズルを数多く持っています。その種類は、縄文土器、弥生土器、鶏形埴輪、備前焼、石塔、近世陶磁器です。これらを製作いただいた業者さん曰く、これだけ各時代にわたる多様な立体パズルが揃っている博物館は全国的にもそんなにないそうです。
現在、考古展示室で開催中のテーマ展「石手寺周辺を掘る!-道後地区の発掘成果と国立博物館の里帰り展」では、上記の立体パズルのうち、「石塔パズル」を展示室内に置いています。これはバラバラになった11のパーツを積み上げていき、2つの石塔を組み立てていくものです。大変勉強にもなると思いますので、ぜひ一度チャレンジしてみて下さい。

愛媛県の考古資料が東京国立博物館と奈良国立博物館へ(考古資料相互活用促進事業③)

10月 22日 木曜日

今回の考古資料相互活用促進事業において、当館が国立博物館よりお借りした資料は、「道後今市出土の平形銅剣」と「石手寺経塚出土品」であることは、先日のブログ内で紹介してきたとおりですが、本事業は、相互の考古資料を常設展示として交換展示・公開することを目的としていますので、当然、当館からも東京国立博物館と奈良国立博物館に資料を貸出す必要があります。
そこで、まず当館が東京国立博物館に貸出した資料が、松山市宮前川遺跡群出土の弥生土器・土師器・祭祀遺物(卜骨・土製品)など弥生時代~古墳時代初頭の出土品です。そして、奈良国立博物館へ貸出した資料が、西条市真導廃寺跡出土の古代瓦・奈良二彩と、今治市別名端谷Ⅰ遺跡出土の銅印(奈良~平安時代)です。
これらの考古資料は、それぞれ平成27年12月上旬~平成28年3月頃まで展示される予定ですので、公開中に東京国立博物館や奈良国立博物館を訪れた際は、愛媛の考古学をアピールしている彼らの雄姿をぜひ見てあげて下さい。

「奈良国立博物館からの借用資料」(考古資料相互活用促進事業②)

10月 20日 火曜日

奈良国立博物館

前回のブログに引き続き、当館では、奈良国立博物館とも考古資料相互活用促進事業を行いましたので、その借用資料についても紹介したいと思います。
今回、奈良国立博物館よりお借りした資料は、平安時代後期の石手寺経塚出土品(白磁四耳壺2点・青白磁合子1点)です。

石手寺経塚出土品(奈良国立博物館写真提供(撮影:佐々木香輔氏))

 これは四国八十八ヶ所霊場第51番札所・石手寺の裏山より発見された経塚資料です。経塚とは、末法思想の影響により、経典の消滅を恐れ、それを地下に埋納して後世に伝えることを意図した施設であり、平安時代後期には全国的に盛行します。
本経塚については、発見された明確な場所や経緯が不明な部分も多いのですが、一辺約2mの方形経塚の四隅に、白磁四耳壺が各1本ずつ埋納されていたと伝えられています。この白磁四耳壺は、元々、他の用途で使用されていたものですが、最終的には経巻を納める経筒に転用されました。また、経塚の副納品として青白磁合子なども出土しています。このように平安時代後期に、石手寺の裏山において経塚が造営されたということは、当時、この地が神聖な場所(=霊場)として認識されていたことがうかがえます。

テーマ展での展示風景

 なお、本資料については、『鹿園雑集』奈良国立博物館研究紀要に、この研究報告を書かれた石岡ひとみ先生(県教育委員会 専門学芸員)に、下記の日程で考古講座を行っていただきます。興味のある方はぜひご参加いただきますようよろしくお願いいたします。

◆平成28年1月16日(土) 13:30~15:00
「石手寺経塚と周辺の遺跡-テーマ展の見所-」

特別展「四国遍路と巡礼」の関連講演会と図録刊行のお知らせ

10月 16日 金曜日

①特別展「四国遍路と巡礼」の関連講演会のお知らせ

現在開催中の秋の特別展「四国遍路と巡礼」の関連講演会を下記のとおり、10月25日(日)に行います。ふるってご参加ください。

【関連講演会】
「弘法大師空海と四国遍路を考える」
日時/平成27年10月25日[日]13:30~15:00
講師/真鍋俊照氏(四国大学文学部教授・四国霊場第4番札所大日寺住職)
※参加費無料。お問い合わせ先 歴史文化講座係 0894-62-6222

【真鍋俊照氏プロフィール】
1939年生まれ。高野山大学文学部仏教学科卒業。東北大学大学院修了、博士(文学)。専攻は美学・美術史。平成26年の四国霊場開創1200年記念に開催された四国4県のミュージアム連携特別展「空海の足音 四国へんろ展」の総合監修者。主な著書に、『密教曼荼羅の研究』(1975、美術出版社)、『曼荼羅の美術』(1979、小学館)、『弘法大師行状絵詞(上)、(下)』(1983、中央公論社)、『空海のことばと芸術』(2002、NHK出版)、『四国遍路―救いと癒しの旅―』(2012、NHK 出版)などがある。

②特別展図録「四国遍路と巡礼」刊行しました!

特別展「四国遍路と巡礼」が開幕しましたが、展示内容を詳しく解説した特別展図録も完成しました。A4版208頁、1500円でミュージアムショップにて販売されておりますので、ぜひお買い求めください。図録は郵送で取り寄せることもできます。

四国遍路と巡礼 2015年10月10日発行 A4版208頁

【内 容】

第1章 聖地と巡礼

聖地・巡礼への誘い/西国三十三所巡礼/伊勢参宮/熊野詣/高野詣/吉野・南都巡礼/京・大坂巡礼/金毘羅詣/四国遍路/その他の巡礼・参詣/六十六部廻国巡礼/ウツシ霊場

第2章 西国三十三所巡礼と四国遍路

西国巡礼(巡礼者の姿)/西国巡礼(巡礼装束・道具類)/道中記録類/四国遍路(巡礼者の姿)/四国遍路(巡礼装束・道具類)/細田周英と四国遍路絵図

第3章 遺された四国遍路資料―遍路・札所・地域―

松浦武四郎の四国遍路/遍路の所持品/遍路と札所・地域

論考

「へんろ石と隔夜碑から四国遍路を読み解く」 喜代吉榮徳

「江戸時代の四国遍路の宿泊について」 稲田道彦

「四国遍路と伊予霊場」 胡光

「四国遍路が描いた絵日記―「中国四国名所旧跡図」―」 井上淳

「札所の茶堂と近世の砥部焼碗」 石岡ひとみ

「史料紹介 巡礼旅の道中支出記録と餞別・留守見舞控―松山藩領南久米村商家の西国・四国・伊勢巡礼関係記録―」 山内治朋

「細田周英筆「四国徧禮図」と木版「四国徧禮絵図 全」について」 今村賢司

項目・資料解説

図版目録

主要参考文献

協力機関・協力者

鉄道・路面電車の写真を募集します!

10月 15日 木曜日

 当館では、平成28年度特別展として「TRAIN WORLD!」を予定しています。
 特に今回は、鉄道の高速化や電化を1つのテーマとして取り上げます。そこで、皆さん
から関係する写真を募集して展示します。伊予鉄道では、坊っちゃん電車から電化・ディ
ーゼル化した写真など、国鉄・JRでは準急・快速・急行・特急列車の写真など、懐かし
い写真をぜひ送り下さい。お待ちしています。→ くわしくはこちら


昭和55年 小松駅 特急しおかぜ1号 宇和島行き

昭和54年 伊予桜井駅 急行いよ 高松行き 

歴代 特急しおかぜ。
右から181系 しおかぜ 昭和47年登場。
185系 しおかぜ 昭和61年登場。
(2000系 しおかぜ 平成3年本格運転。)
(8000系 しおかぜ 平成5年本格運転。)

「東京国立博物館からの借用資料」(考古資料相互活用促進事業①)

東京国立博物館

先日のブログで紹介しました平成27年度考古資料相互活用促進事業に伴い、先々月の8月3日(月)に、東京国立博物館へ資料の借用に行ってきました。
東京国立博物館でお借りした資料は、松山城の北東部に位置する道後今市で発見された「平形銅剣」です。これは明治42(1909)年、地表下約50㎝の所から10点がまとまって出土した資料であり、今回はこのうち4点をお借りしました。また、九州国立博物館(福岡県太宰府市)で展示・保管されていた1点についてもお借りしましたので、道後今市で出土した平形銅剣10点のうち半分の5点が愛媛に里帰りしたことになります。

東京国立博物館では、資料担当者の方と本資料の状態を入念に確認しながら調書を作成し、資料の梱包・運搬作業については日本通運株式会社の美術品専門の作業員さんに行っていただきました。

調書作成及び梱包作業


資料の搬出作業

【松山市道後今市で発見された平形銅剣】
この弥生時代に出現する青銅で作られた「銅剣」は、「銅鐸」や「銅矛」同様、豊作を祈り、権力者の身分や権力を示す重要な道具(祭器)として考えられています。
平形銅剣は、瀬戸内海沿岸である本県の東予・中予地域や、お隣の香川県で多く見つかっています。とくに松山市道後地区は集中的に発見されている地域の1つであり、この道後今市のほかにも道後樋又、道後公園東山麓、祝谷六丁場遺跡の周辺地で出土しています。このことからも当地域には青銅器祭祀を行っていた弥生集落の存在をうかがうことができます。
なお、本資料の詳細については、青銅器を中心に研究されている吉田 広先生(愛媛大学ミュージアム 准教授)に、下記の日程で考古講座を行っていただきます。興味のある方はぜひご参加いただきますようよろしくお願いいたします。

◆11月21日(土) 13:30~15:00
「平形銅剣からみた道後城北の弥生社会」

『四国遍路と巡礼』展、開催です!

10月 10日 土曜日

 秋の特別展『四国遍路と巡礼展』が本日開幕いたしました。
 当館では「四国遍路」をテーマにした展示をいくつも開催しておりますが、今回は四国遍路に加えて、聖地や霊場をめぐる巡礼について焦点を当てております。
 わが国には西国三十三所観音巡礼、お伊勢参り、熊野詣、高野詣、金毘羅詣、四国遍路など、聖地や霊場をめぐる様々な巡礼が行われてきました。本展では、絵図などに描かれた日本の代表的な巡礼を紹介するとともに、巡礼道具等から見た西国巡礼から四国遍路への影響について探ります。また、お遍路の所持品や札所や遍路宿などの地域に遺る遍路文化資料を通じて四国遍路の実態について紹介します。
 会場では、奈良時代の「銅造観音菩薩立像」 (四国霊場第26番金剛頂寺蔵)、江戸時代の探検家・松浦武四郎の「四国遍路道中雑誌」(松浦武 四郎記念館蔵)などの重要文化財、そして鎌倉時代の「弘法大師像」(第52番太山寺)、室町時代の「熊野曼荼羅図」(第43番明石寺蔵)、桃山時代の「善峯寺参詣曼荼羅」(西国霊場第20番善峯寺蔵)などの指定文化財を特別に展示公開します。この他にも、現存最古とされる細田周英の「四国徧禮絵図」の原図初公開など、貴重な巡礼関係資料を一堂に集めた見どころ満載の展覧会です。
 展示準備の様子を少しご紹介します。
 例えば、この資料は徳島県立博物館からお借りした「笈(おい)」という巡礼資料です。資料専用の梱包材に包んで大切に運んできました。

 
 
 幅34.0cm奥行28.6cm高さ84.8cmの大きな木製の脚付収納箱で、享保13年(1728)に六十六部廻国巡礼を行った際に背負ったものです。内部には納札などが納められています。この笈を旧蔵していた旧家には六十六部廻国巡礼以外の資料として四国遍路の納め札や札箱、西国巡礼に使用した木製納札が残されていました。この旧家では、六十六部廻国巡礼、西国巡礼、四国遍路など目的に応じて巡礼の選択をおこなっていたと考えられます。
  そのほか西国三十三所巡礼の本尊などの御影を収めた掛軸なども1点ずつ丁寧に展示していきました。

 一つ一つの資料の意味や大切さを来館者の皆様にお伝えできるよう、レイアウトや構成を考えて、全力で準備してまいりました。
 本展示で、四国遍路だけではなく我が国の巡礼文化の特質について考える機会となれば幸いです。
 また関連テーマ展として以下の展示も必見です。

関連テーマ展
「へんろ石から見た四国遍路の周辺―喜代吉榮徳氏拓本コレクション―」
会期 10月10日(土)~平成28年2月7日(日)
会場 文書展示室

関連テーマ展
平成27年度考古資料相互活用促進事業
「石手寺周辺を掘る!―道後地区の発掘成果と国立博物館からの里帰り展―」
会期 10月10日(土)~平成28年3月7日(月)
会場 考古展示室

いずれも常設展示観覧券でご覧いただけますので、こちらもあわせて皆様のご来館をお待ちしています。

「四国遍路と巡礼」展

期間 2015年10月10日(土)~12月6日(日)
*前期(10/10~11/3)と後期(11/5~12/6)で資料の展示替えがございます。
観覧料 大人(高校生以上) 550円
    小中学生・65歳以上 280円

考古資料相互活用促進事業とテーマ展の開幕

10月 9日 金曜日

「考古資料相互活用促進事業」とは、独立行政法人国立博物館並びに地方博物館が所蔵する考古資料を、お互いに交換・展示し、それぞれの博物館において研究・展示等の活動の充実を図ることを目的としたものです。平成10 年度より始まった本事業は、地方では普段なかなか展示で目にする機会の少ない国立博物館の収蔵品を、地元で見ることができることからも大変好評であり、これまでにも当館では、平成14・17年に2度実施しています。その際には東京国立博物館より愛媛にゆかりのある品々が里帰りしました。
今回10年ぶりに、当館で本事業を行うことが決まり、先々月の8月3日(月)~8日(土)には、東京国立博物館・奈良国立博物館・九州国立博物館の3館と、資料貸借作業を行いました。
こうした国立博物館からお借りしてきた貴重な資料も展示するテーマ展「石手寺周辺を掘る!-道後地区の発掘成果と国立博物館からの里帰り展-」が、10月10日より、当館の考古展示室で開幕いたします。本テーマ展は、平成28年3月7日(月)まで開催しております。常設展示室の一部ですので、常設展示観覧料が必要(小中学生は無料)となりますが、ぜひ見にいらして下さい。