2016 年 1 月 のアーカイブ

よみがえる街頭紙芝居とその舞台(1)

1月 31日 日曜日

松山市のOさんのご自宅には、1300枚を超える街頭紙芝居が残されています。
これは同市内で紙芝居屋の取りまとめ役をしながら、自身も紙芝居屋として活動されていた御父堂様から受け継がれたもの。
6年前の平成22年に県にお問い合わせいただいたことが契機で、歴史文化博物館の担当がOさんのお宅に何度も通い、全体の目録を作成し、平成23年には特別展「昭和こども図鑑」でその一部を展示させていただきました。
昭和子ども図鑑チラシ
昭和子ども図鑑展示風景
このときは博物館ボランティア等による実演も実施。
大人も子どもも夢中になってお聞きいただきました。
ボランティアによる実演
Oさん宅に残された街頭紙芝居は、血沸き肉踊る時代物からおどろおどろしい怪奇物、薄幸のヒロインが健気な悲哀物や、物語の合間に繰り出すクイズ紙芝居まで、多くのバラエティーに富んでいます。
その多くは昭和30年代、大阪・さだむ社が製作したものです。
裏面には名古屋、大阪、岡山でも上演されたことや、自主規制機関の審査を受けていたことを示す記載もあります。
「父は右足が不自由だったが、左足で自転車をこいで市内を回り、母と二人三脚で自分を育ててくれた」とOさんは紙芝居をみながら懐かしそうにお話くださいました。
紙芝居1
紙芝居2
紙芝居3
街頭紙芝居は、保育や教育用の印刷紙芝居とは違い、東京や大阪の「絵元」と呼ばれる業者が製作する肉筆(一点もの)の紙芝居で、プロの紙芝居屋により、街頭(屋外)で有料で演じられるものです。昭和初期から10年代、および戦後に全国で盛行しましたが、昭和30年代後半の高度成長期にテレビが出現すると次第に衰退していきました。

街頭紙芝居が上演される基本的なプロセスは、以下のようになります。
まず、「絵元」が作家・画家に紙芝居の製作を発注します。
完成した紙芝居は、絵元から全国各地の「支部」(取りまとめ役)に貸与され、支部から地域の紙芝居屋にさらに貸与され上演されます。
上演が終わると紙芝居屋は支部を通じて絵元に紙芝居を返却するとともに、絵元は新たな紙芝居を支部に貸与する、というシステムになります。
このため、紙芝居は地方の紙芝居屋の手元に残ることが少なく、これほど多くの街頭紙芝居が松山市内に残っていることは、愛媛県内はもとより四国を見渡しても管見の限り例がありません。
愛媛の昭和生活史の一コマを物語る上で大変貴重な資料群といえます。
紙芝居屋さん
(伊予市双海町での街頭紙芝居の様子。井上敬一郎氏所蔵)

ところで、実はOさんの手元には、紙芝居の舞台箱も残されていました。
((2)へ続きます)

歴史文化体験「室町時代の衣装を着てみよう」を開催しました。

1月 24日 日曜日

歴史文化博物館では、「歴史文化体験」として、月1回、「綿から糸づくり」や「歴史衣装の着付け体験」をエントランスホールで実施しています。
今回用意したのは、男の子用には直垂(ひたたれ)、女の子用には打掛(うちかけ)の衣装。

博物館ボランティアの皆さんと職員とが、ご来館いただいたお子さんに着付けしていきます。
打掛・直垂着付けの様子(1)
打掛・直垂着付けの様子(2)
鎌倉時代、貴族の日常着である水干を着やすくした直垂(ひたたれ)は、武士の日常着となりました。室町時代になると、袖が広くなり、胸元や袖などに飾り紐や家紋をつけるなど装飾性を高めた直垂が、武士の礼服として着られるようになりました。

また、室町時代、武家の女性の礼服は、小袖と呼ばれる袖口が小さくなった着物に、もう1枚豪華な織物の小袖をかけました。これを打掛(うちかけ)と呼びます。安土桃山時代には、この打掛を腰に巻きつけた腰巻(こしまき)という服装が流行しました。

こちらのお兄さんと妹さんも、凜々しく変身です。
打掛と直垂
来月2月は、開催予定のテーマ展「おひなさま」関連イベントの一環として、平安装束の着付け体験を行います。
平安時代に着用された「袿袴(けいこ)」の着用体験は当日先着順ですが、十二単の着用体験は申込の中から抽選で実施となり、着用には事前応募が必要です。
詳しくはこちらを御覧ください。

四国遍路展示室 展示替えしました!

1月 21日 木曜日

常設展示室「四国遍路」(民俗展示室3)の展示替えを実施しましたのでお知らせします。

今回、展示替えしたコーナーは「四国遍路の盛行」、「近現代の四国遍路」、「ミニ霊場」、「巡礼の歴史」。各コーナーでは、下記の館蔵資料を新たに展示しました。

■常設展示に加わった資料

<四国遍路の盛行>

・四国徧禮(へんろ)絵図(江戸時代)

・江戸時代のお遍路の所持品(納経帳、札挟み、四国中御宿入用控、四国順拝日付帳、文政11〈1828〉年)

<近現代の四国遍路>

・写真パネル「四国霊場第15番恩山寺」、「四国霊場第40番観自在寺」(『四国霊場名勝記』より、明治42〈1909〉年)

・戦前のお遍路の所持品(納経帳、納札、札箱、手甲、脚絆、さんや袋、記念写真、郵便葉書、昭和11〈1936〉年)

・講中札「永代大師講」(明治時代)

・講中札「千人講」

<ミニ霊場>

・『御府内八十八ヶ所道知るべ』

(慶応2〈1866〉年)

<巡礼の歴史>

・西国順礼道中絵図(江戸時代)

江戸時代に伊予国篠山道周辺で刷られた四国遍路絵図、明治後期の四国霊場の様子を記録した写真集『四国霊場名勝記』、江戸時代と昭和(戦前)のお遍路の所持品、四国八十八ヶ所霊場の巡拝を目的として結成された代参講の資料(講中札)、江戸時代の御府内 (江戸)に設けられた四国霊場の案内記、四国遍路に大きな影響を与えた西国三十三所巡礼の道中絵図など、貴重な資料を展示しました。この機会に多くの方にご覧いただければ幸いです。

「昔のくらし探検隊、冬のくらし編出発!」

1月 4日 月曜日

 1月3日、お正月イベントの一環として「昔のくらし探検隊、冬のくらし編」を開催しました。
 愛媛県内はもとより、遠くは滋賀県大津市や東京都八王子市からの参加者もあり、担当としてはうれしい限りです。また、通常は学校団体を対象に行っている「昔のくらし探検隊」ですが、イベントでは家族で参加してくださるのも新鮮です。2歳の子どもさんも家族で参加してくださいました。4歳の女の子は、お姉ちゃんと手をつないで一緒に楽しんでくれましたよ。見えないところはお姉ちゃんが抱っこしてあげる仲良し姉妹でした。
 
 まずは、三つの復元家屋を外からゆっくり眺めてみましょう。
 今の家とどこが違うかな?昔の家でも、海の近く、山の中、田んぼの中など地域によって家の形や素材が違うのがわかります。
 写真は、西予市城川町にあった家をモデルにした山のいえです。

 山のいえには囲炉裏もありますよ。普段は上がれない山のいえも、今回の探検隊隊員は特別!囲炉裏を囲んで探検隊長さんのお話を聞きます。
 また今回は冬のくらしがテーマなので、冬に使われた道具も体験しました。
 海のいえの座敷に展示してある「夜着」は、きもののような形の布団です。寒い冬を温かく眠るための道具ですので、体験してみましょう!

 「あったかいね、気持ちいいね」といい笑顔です。

 こちらは、火鉢やあんか、こたつや湯たんぽなどの暖房道具です。博物館の中ですので、実際に温かくはありませんが、それでもさまざまな形や仕組みを体験してもらいました。

 こちらも、この時期だけの展示物。お正月料理です。
今のおせち料理やお雑煮と比べてみると面白いですね。「お餅をたくさん食べたよ」と教えてくれた参加者もいました。
 これ以外にも、明かりの道具や昔の教科書、番傘やミノなど、通常の「昔のくらし探検隊」で体験できる道具もあり、盛りだくさんの一時間でした。
 参加者の中には、「三学期に古い道具と昔のくらしを学校で習うから、博物館に見に来たよ」と松山市から来た男の子もいました。ちょうどこれからの時期、古い道具や昔のくらしを学ぶために博物館にやってくる学校団体も多くいらっしゃいます。
 昔の道具は「見る」だけではその工夫がなかなか伝わりにくいものもあります。「昔のくらし探検隊」では、実際に触って動かして道具の知恵や工夫を体験してもらえます。四季折々「昔のくらし探検隊」は楽しめますので、今年もどうぞよろしくお願いいたします。

あけましておめでとうございます

1月 2日 土曜日

あけましておめでとうございます。
歴史文化博物館は、1月2日(土)から開館しています。
「松山城下図屏風」をはじめとする各種テーマ展や
新春イベントを開催しています。

新春イベントの様子です。
入口では、来館者の方々が願いを込めて書いた絵馬がたくさん飾られています。
絵馬

エントランスでは、羽子板を作って遊ぶコーナーを開催。
お子さんが羽子板で遊ぶ体験、いまや珍しいものではないでしょうか?
羽子板づくり
羽子板遊び
こども歴史館では凧づくり。みなさん熱心にオリジナル凧を作っています。
凧づくり
常設展をご観覧いただいたお客様に、レストランではあったか~いぜんざいをふるまい。
ぜんざいふるまい
展示室では、れきはく謎解きラリー「失われたはに坊のココロを取り戻せ!~えひめ時空の旅人~」を開催中。おかげさまで大好評です!
所用時間は約1時間。
親子で謎解きしながら、時間旅行をお楽みいただいています。
謎解きラリー(2)
企画展示室ではテーマ展「松山城下図屏風―城下町から近代都市へ―」を開催中。
入口では、松山藩7代藩主松平定功(さだなり)の具足がお出迎え。
松平定功具足
約300年前の松山城とその城下を鳥の目で描いたこの屏風、何度見ても圧巻です。
新春のひととき、きらびやかな金地に描かれた精緻な描写をじっくり味わえます。
松山城下図屏風

明日1月3日(日)は、上記イベントに加え、「昔のくらし探検隊 冬のくらし」編も開催。
学芸員とめぐる、れきはく内探検ツアー! 昔の冬のくらしやお正月って、どんな感じ?
日時 1月3日(日)13:30~(受付は13:00~)
定員 先着20名

大人も子どももご家族で楽しめる歴博へ、ぜひ足をお運びください!

新春イベントの案内はこちら(イベントページへリンク)