Archive for 10月, 2019

展示替えをおこないました!

2019年10月9日

みなさん、こんにちは。

博物館の常設展示はいつも同じ展示内容ではなく、少しずつ変更しています。季節に合わせて変えている展示もあります。

先日9月26日に歴史展示室1「原始・古代」の「伊予の律令体制」のコーナーでは一部を展示替えしました。
元々の展示はこのような様子でした。

展示替え後はこちらです。前回と同じ展示資料もありますが、レイアウトやキャプションを大幅に変更しました。

古代の伊予国(愛媛県)で使用されていた文房具の一部をご覧いただけます。
展示のラインナップとしては銅印や硯2種類(円面硯・風字硯)、伊予砥となっています。
その中から伊予砥(久米窪田Ⅱ遺跡出土)について紹介したいと思います。

伊予砥とは伊予で産出された砥石のことで、平安時代中期成立の『延喜式』などにも記述が見られます。古代における特産物の1つであり、税物として中央に運ばれていました。このような伊予砥は刀の刃を研ぐために利用されており、現在でもこの使用方法は残っています。
古代には木簡などに文字が書き記されていました。木簡の使用用途は「文書」と荷物などに付けた「付札」に大きく分かれ、伊予の荷札木簡は藤原京・平城京・長岡京で出土しています。
木簡への書き損じや再利用のために小刀を用いて木の表面を剥ぎ、新しい面に書いていたと考えられており、小刀の刃を研ぐのにも砥石が使われていました。その砥石を持ち運びしやすくしたものが提砥(さげと)であり、砥石には穴が穿たれており、そこに紐を通し、ぶら提げて持ち運んでいたと思われます。

少しずつ変わっていく常設展示室で、以前来館された時との違いを発見しに博物館へ訪れるのもいいのではないでしょうか。

ご来館をお待ちしております。

「瀬戸内の近世城郭」の展示資料1 松山城

2019年10月4日

現在開催中の特別展「瀬戸内ヒストリア―芸予と備讃を中心に―」では、Ⅳ章が「瀬戸内の近世城郭」をテーマに展示されています。ここでは展示されている近世城郭について、その展示資料リストを掲載します。第1回目は伊予松山城から。

幕府隠密松山城見取図(寛永4年) 伊予史談会蔵

蒲生家伊予松山在城之節郭中屋敷割之図(寛永4~9年頃) 当館蔵

与州松山本丸図(江戸時代初期)〔写真パネル〕 甲賀市水口図書館蔵

江戸時代初期の松山城イラスト 作画:香川元太郎氏 当館蔵

松山城下図屏風(元禄年間後期) 当館蔵

松山城下図(享保年間初期) 松山城蔵

松山御城絵図(安永9年) 松山城蔵

松山城本丸二の丸石積孕測量絵図(天保14年) 個人蔵・坂の上の雲ミュージアム保管

天守より黒門迄諸櫓間数サマ幷東北門北屋敷サマ間数付 伊予史談会蔵

松山城天守閣普請要録 愛媛県立図書館蔵

江戸時代初期の松山城イラスト(作画:香川元太郎氏)

松山城では近年、江戸時代初期の様子を伝える絵図が相次いで発見され、当時の本壇(天守曲輪)の姿が現存のものと大きく異なっていたことがわかってきました。それらの絵図をもとに、イラストレーターの香川元太郎氏が描いた江戸時代初期の松山城の復元イラストも展示しています。ぜひ当館所蔵の松山城下図屏風と見比べて、松山城の本壇部分の時代による変化をご覧ください。