妖怪になった道具たち-その2-

8月 16日 木曜日

「異界・妖怪大博覧会」で展示している「百鬼夜行絵巻」には、もともと道具であった妖怪が多く登場します。道具が長い年月を経て変化したものを「付喪神」(つくもがみ)と呼びます。当館民俗展示室2(愛媛のくらし)にある台所道具のいくつかも、妖怪として描かれていますのでご紹介します。企画展と合わせてご覧下さい。

○五徳の妖怪

五徳は、囲炉裏や火鉢において、釜や鉄瓶をかけるための道具です。鉄ややきものでできた丸い輪に3本または4本の脚がついています。「百鬼夜行絵巻」では、この五徳を頭にかぶり、火吹竹を吹きながら軽快に歩く妖怪が登場します。火吹竹とは、竃(かまど)の火をおこすときに、火種に風を吹き込んで火を大きくする道具です。

火鉢の中の五徳 里のいえにあります

火吹竹は、竹の節を抜いた筒であり、片方は小さな穴を空けています。吹き込んだ息の勢いをつける工夫です。

火吹竹

○鍋の妖怪

五徳の妖怪の前を行くのは、鍋の妖怪です。

頭に鍋をかぶり、天秤棒に五徳やすりこぎ、杓子などをくくりつけて、歩いています。前はきちんと見えているのでしょうか?

鍋と杓子 これを頭にかぶります

すりこぎとすりばち

○釜の妖怪

お湯を沸かしたりご飯を炊いたりする釜を、頭にかぶった妖怪。釜の周囲にわっかのように出ている部分は鍔(つば)といい、竃(かまど)の口や五徳の輪にかけて安定させる為にあります。

釜

写真は、常設展示室の復元家屋にある飯炊釜です。飯炊釜は、吹きこぼれを防ぐ為に、鍔の上部が大きく作られています。また、炊き上がったご飯を蒸らす為に分厚い木の蓋がのせられています。この釜をさかさまにかぶって歩いているのが先ほどの釜の妖怪です。

描かれている台所道具がいずれも火を使う道具のせいか、妖怪も炎と一緒に描かれています。