ハーモニカたんす

5月 30日 木曜日

 特別展「民具王国びっくりミステリーツアー」で一二を争う人気の資料が「ハーモニカたんす」です。
 このたんすはただのたんすではありません。引出しを開け閉めすると「ファ~」とハーモニカのような音が鳴るので「ハーモニカたんす」と呼ばれています。空気が出入りすると音が鳴る仕組みになっています。ハーモニカは「息を吸う/吐く」で音が違うように、ハーモニカたんすも一つの引出しを「引く/押す」で音が変わります。音が出るのは、防犯の目的のためのようです。

 このたんすは松山市の一矢タンス店(現在のイチヤ家具店)が製作したもので、扉の内側にその銘が残っています。
 先日、このイチヤ家具店の一矢さんと奥様がご来館し、ハーモニカたんすについていろいろとお話ししてくださいました。
 たんすを運ぶために棒を通す「棒通し」や鍵の部分「鍵座」、真鍮製のカン(金へんに丸)などたんすの部分名称も丁寧に教えていただきました。
 また、最下部の左の引き出しを引き抜くと非常ベルのような音が鳴ります。丸い突起部が押されると鳴るものであり、もう少し新しいたんすの場合、バネのようになっているそうです。

 ハーモニカたんすは、普通のたんすと比べて高価であるとか時間がかかるというわけではありませんが、空気がもれないしっかりしたたんすでないとできないそうです。それをお客さんに説明するために、引き出しを上下逆にしても入れ、精密な作りだということをお見せしたりもしたそうです。

 このような「間箪笥」(けんだんす 幅180cm)は20年前くらいから作っておらず、今では四尺箪笥(よんしゃくだんす 120㎝)が主流となっているそうです。きものが日常的だった時代から洋服の時代になったことや、引っ越しや住宅などライフスタイルの変化が、たんすの変遷から読み取れる、大変面白いお話をお聞きすることができました。

 「民具王国びっくりミステリーツアー」では、ハーモニカたんすの音色(ねいろ)をはじめ、スゲミノの肌触りや昔の教科書の内容など、さまざまな体験をしていただけるコーナーがございます。
 おすすめの体験型展示解説会「民具王国ミステリーガイドツアー」は展示期間中以下の日程で実施しております。

 毎週土曜日 午後1時受付開始
         午後1時半~(所要時間 1時間程度)
 先着20名
 特別展観覧券が必要です

 次回は6月1日の土曜日、皆様をお待ちしています。