村上節太郎写真14 頭上運搬する女性1 昭和20年代

5月 22日 火曜日

村上節太郎写真7-507
 村上節太郎が撮影した写真のなかには、たくさんの働く女性の姿がある。なかでも興味深いのは、かつて行われていた女性の頭上運搬を撮影していることである。頭上運搬が有名なのは、魚の行商を行う松前のおたたであるが、芸予諸島でも広く行われていた。

 写真は魚島の女性をとらえた一枚。魚島では頭上運搬することをカベルと言ったが、急な山に畑が開かれていたため、下肥を入れた肥桶も、収穫した作物もすべてカベッテ運んでいた。驚くことに、魚島の女性は、20貫(約75キロ)ぐらいはカベルことができたという。この頭上運搬の習俗は昭和40年頃を境に行われなくなるが、何げない女性の労働を記録した村上の写真はそれだけに貴重である。
 
※愛媛新聞連載「海と島に生きる」(平成19年1月27日掲載分)