村上節太郎写真3 由利島の季節集落(昭和20年代)

4月 7日 土曜日

村上節太郎写真6-42
 村上節太郎は愛媛県内のほとんどの島をめぐり写真に記録したが、現在は無人島になった由利島(松山市)にも何度か足を運んでいる。由利島は二神島の南約12kmにある小さな島で、付近の海域は古くからイワシの好漁場として知られた。夏の漁の時期になると、二神島からイワシ漁をする数百人が移り住んだ。

 写真は夏だけに住む集落を撮っているが、砂浜の上に茅葺きの小屋が建ち並んでいる。家族で暮らす小屋はとても狭く、一人に一畳以下のスペースしかなかったという。しかし、写真の雰囲気はどこかのどかで、村上も「南洋を思わせる島の家」と記している。村上は昭和39年に再び由利島を撮影しているが、前年に移住は中止、煮干しをつくった釜場には既に夏草が生い茂っている。

※愛媛新聞連載「海と島に生きる」(平成19年1月6日掲載分)