南予の郷土芸能「俵津文楽」

4月 5日 日曜日

俵津文楽 愛媛県歴史文化博物館

 本日、西予市明浜町俵津にある俵津文楽会館にて、文楽公演が行われました。この俵津文楽は、県の無形民俗文化財に指定されている郷土芸能です。今回の演目は「奥州安達原三段目 袖萩祭文の段」。約70分にわたる熱演でした。

 俵津文楽は別称「すがはら座」。嘉永5(1852)年に地元の伊井庄吾が大坂より人形を数個買い入れて人形芝居を行ったことに始まるといわれています。明治3(1870)年大阪文楽の竹本常太夫(本名近藤浅吉、旧東予市の上市村出身)が、俵津の者との縁組で永住することとなり、「すがはら座」を確立しました。明治19(1886)年には八幡浜の釜倉の「くぬぎ座」の人形頭や衣裳道具等を買い入れ、さらに大正14(1925)年中村勗が淡路島市村六之丞一座一式を譲り受けて「すがはら座」は一段と充実しました。

 保存されている人形頭は、動物を含めて100点を超えています。中でも作者の銘が確認されているものが47点あり、人形製作師天狗久、その弟子で天狗弁、由良亀(淡路由良の藤代亀太郎)など明治時代を代表する作品が大半を占めており、人形頭・衣裳道具一式は県の有形民俗文化財に指定されています。

 現在、4月上旬に行われる「さくら祭り」に合わせて定期公演を行ったり、他地域の文楽保存会との合同公演等で活躍しています。

※なお、俵津文楽については、当博物館の民俗展示室にて映像を紹介していますし、今年の夏休みには、特別展「歌舞伎と文楽の世界」(7月14日~8月31日)にて展示・紹介する予定になっています。