友の会土器ドキクラブ

7月 12日 火曜日

博物館の周辺でもセミの鳴き声が響き始めた7月10日(日)に、今年度の第1回の友の会土器ドキクラブを実施しました。今回は、現在、当館考古展示室にて開催中の「発掘 南予の遺跡 Part3-考古収蔵庫に眠る南予の宝-」を、展示を担当したH学芸員の解説を交えて見学しました。

今回の参加者は11名と、近年では多い参加者となりました。皆さん真剣に学芸員の声に耳を傾け、懸命に展示資料やパネルを見つめては、メモや写真をとられていました。学芸員による1時間の解説後も、クラブ員は鋭い質問を矢継ぎ早に学芸員にぶつけて、土器や石器について学ばれていました。お蔭様で、終了後の展示担当者はセミの抜け殻状態に…(笑)。

特別展「TRAIN WORLD!」設営真っ最中!

7月 8日 金曜日

今月16日(土)に開幕予定の特別展「TRAIN WORLD!」(8月31日まで)の設営が6日から始まりました。図面を見ながら壁を立てたりパネルを打ったりしていきます。特に、今回は列車の高速化に着目し準急列車の登場から特急電車の登場までを模型や時刻表とともに展示します。特急列車については、山回り線の開通、制御付振り子車両の採用、瀬戸大橋線の開通など鉄道史のポイントとなる時刻表を調査して、列車の系式ごとに色分けして展示します。181系・185系・2000系・8000系と表現して「ピン!」とくる方はもちろん、「何それ?」と思われる方も気軽に御来館ください。展示室から出るときはきっと鉄道史の魅力を感じていただけると思います。      
また、ミニSL「坊っちゃん列車」の線路も敷設完了。試験運転も上々です。松山城ならぬ宇和島城(ダンボール)の周りを1周(約30m)します。このほか、11日(月)には、「ダンボールしおかぜ」も設置予定。子ども用の車掌服も用意します。「ダンボールしおかぜ」を背景に記念写真はいかがですか。運転席や滑り台もついています!
今回の特別展は、家族で楽しむことができる特別展です。開幕までもう少し。展示準備もラストスパートです。様々な鉄道資料や体験資料を用意してお待ちしています。ぜひ、この夏は歴博の「TRAIN WORLD!」へお越し下さい!

宇和島城の周囲を1/6スケールの「坊っちゃん列車」が1周します。


壁面にパネルを打ちました。今から資料の列品です。

体験学習講座「親子教室 文楽(人形遣い)に挑戦!」

6月 10日 金曜日
6月4日(土)、体験学習講座「親子教室 文楽(人形遣い)に挑戦!」を開催しました。
西予市三瓶町の朝日文楽保存会の協力を得て、実際に使われている文楽人形の操作や人形遣いの衣装着用などを体験していただきました。

文楽は3人で一つの人形を遣います。3人の役割は次の通りです。
○主遣い…人形本体を支え、頭と右手を操る。頭の微妙な動きで、次の動きを他の二人に伝えるチームの司令塔。人形の重さは約5~10㎏。これを左手一本で支え続ける。
○左遣い…人形の左手を操る。自分の右手で人形の左手の動きを表現。
○足遣い…人形の着物の裾を両手で操り、足の動きを表現。

1本の演目は約30分間から50分間。その間人形を支え操り続けるのは、並大抵のことではありません。
講座を担当した朝日文楽保存会の谷本さん(当館職員)は「人形は主遣いの心を映して動いているため、物語の情景を考え、役になりきることが必要。主遣い、左遣い、足遣いの3人の息がぴったり合ったとき、はじめて人形が生きているように見え、お客様に感動を与えることができる。」と語ってくれました。

朝日文楽保存会 谷本さん

「祭り」のフィナーレ!

6月 6日 月曜日

4月23日から開催していた「愛媛・お祭り博覧会2016」も、いよいよ今週末の6月12日(日)まで。
先週5月28日(土)の片岡愛之助さんのお練りは、あいにくの雨で中止。ただ、雨の中、先哲記念館玄関前で西予市宇和町小原に伝わる五ツ鹿踊りが披露され、私は残念ながら聴けませんでしたが、翌日の舞台稽古のため訪れた愛之助さんからご挨拶があったそうです。
歴博では、16:30から西予市城川町窪野の八ツ鹿踊りの実演の後、東北文教大学の菊地和博特任教授から「東北地方のシシ踊り」の特徴と南予の鹿踊りとの比較、東北歴史博物館の小谷竜介学芸員から災害後に民俗芸能を続ける意味についてお話いただいた後、パネルディスカッションがありました。

その中で印象に残ったのは、東日本大震災の津波ですべてを押し流された南三陸町で、100日法要の時に鹿踊りをやるんだと地域が一丸となって取り組まれた話。まさに地域社会にしっかりと根付いた民俗文化というものを感じました。

今週末の6月11日(土)には、四国民俗学会主催の「地域の祭り・行事の現状と将来」と題したシンポジウムが開催されます。
そして最終日6月12日には、今回の特別展でも祭礼絵巻や練車が展示されている「吉田秋祭り」の国の無形民俗文化財指定に向けた調査委員会が歴博で開催されるとのこと。
名残おしいですが、ラスト1週間。もし観覧券をお持ちでまだ見られてない方は、「後の祭り」にならないよう足を運んでいただければと思います。

なお、歴博では、次の特別展「TRAIN WORLD!」の準備も着々と進行中。もうすぐポスターやチラシも刷り上がって広報できる見込み。7月16日(土)開展予定です。乞うご期待!!

片岡愛之助さん見物の駐車場に「歴博」はいかが?

5月 22日 日曜日

5月28日(土)、「歴博」のある西予市に、最近何かと話題の片岡愛之助さんがやってきます。15:30から卯之町の町並みで「お練り」があるそうですが、その駐車場として「歴博」はいかがでしょうか?

歴博から、卯之町の町並みまでは、博物館の裏手を抜けて徒歩10分弱。下りですし、天気が良ければ木もれ日の中をちょうどいい散歩コースかと思います。コジュケイが「チョットコイ、チョットコイ」と啼いているかもしれません。帰りは登りになるので、多少負荷がかかりますが、ミニ四国88か所や「俳句の径」と名付けられた宇和文化の里俳句フォーラム受賞作の句碑などを見ながらゆっくりと。

歴博でも、当日16:30から鹿踊りシンポジウムが開催されます。西予市城川町窪野の八ッ鹿踊りの実演のほか、東北地方から専門家を招いて、東北地方から伝わったとされる南予の鹿踊りの系譜などについてパネルディスカッションが繰り広げられる予定です。

さらにお時間があれば、当日は19:30まで開館時間を延長していますので、開催中の「愛媛・お祭り博覧会2016」をのぞいて帰ってください。獅子の形をした東北の鹿踊りの頭と南予各地の鹿踊りの頭を見比べて体感していただければ幸いです。

ムササビが入ってくる博物館

5月 20日 金曜日

「歴博」は、木々に囲まれた小高い山の中腹にあります。植栽も、春の桜から、サツキ、そして今はシャクナゲが正面玄関左手に紅紫の花をつけています。ただ、広い敷地を手入れするのはたいへん。毎朝スタッフの方が、ブロワーという機械を使って落ち葉を吹き飛ばしながら集めています。集めた落ち葉は良い肥料になるとか。

人の手が入っていない「自然のまま」では、人はきれいとは感じてくれません。昔、双海の若松進一さんがシーサイド公園をつくった後、毎朝5時に起きて海岸清掃をしてから出勤していたという話をふと思い出しました。

自然と言えば、先週、朝事務室に入ると、「レストランが荒らされている」と指定管理者のスタッフの方がバタバタと。しばらくして「犯人がわかりました。ムササビが入っていました」その後、大捕りものとなったようで「なんとか屋外に逃がしました」との報告が。自然の中にあるとは言え、ムササビが入ってくる博物館というのは、そうないのではないでしょうか、こんなことを「売り」にできないかと思った次第です。
昨日は、「ハチが入っている」という話も。自然とのつきあいもたいへんです。

歴史展示室1の銅鏡X線写真パネル追加

5月 13日 金曜日


先日、当館のX線透過撮影装置を確認していたところ、5年前の機器更新時に撮影した画像がありましたので展示パネルとして、この度、歴史展示室1の相の谷1号墳のコーナーに追加しました。
相の谷1号墳出土鏡二面については、過去のブログ12にて紹介しましたが、中国鏡の一種の画像鏡一面と国産の鏡(倭鏡)の一種である獣紋鏡(ダ龍鏡)一面です。

写真パネルでもわかるように、画像鏡は割れて出土し、2003~2004年度の保存処理の際に完形に復元したものです。割れ方を観察すると数箇所に力が加わって割れている状況がわかります。また、銘文の一部も見ることが可能です。
獣紋鏡はX線写真で観察すると、獣の形が簡略化されていることがわかります。このX線写真パネル(拡大)により、銅鏡の文様がより見やすくなったのではないかと思います。
当館では、県内の調査機関や市町教育委員会の依頼を受けて、X線透過写真撮影を行っています。今後も新しい発見があれば、紹介していきたいと思います。

祭りは文化!

5月 10日 火曜日

GW期間中は、ふだんとは違った客層でにぎわった「歴博」。5月3日は、開館前から玄関前に親子連れの行列。忍術集団「黒党」による忍術教室の整理券を求める人たちでした。3~5日は鎧武者に変身コーナーもあり小さなお子さんを連れた家族連れの姿が目立ちました。体験教室にはボランティアで宇和島南中高の女子生徒さんも大勢。5日の文楽公演では、御年90歳とはとても思えぬ張りのある浄瑠璃語りと若手の人形遣いたちとの見事なコラボ。8日には祭礼研究をされている佐藤秀之先生の講演に、西条からいかにも「祭り命」といった御一行が。
そうです。「歴博」では、ただ今特別展「愛媛・お祭り博覧会」を好評開催中。

まず入り口に置かれているのが、吉田秋祭りの練車(人形屋台)。搬入の際に立ち会いましたが、ふだん分解保管しているものを、指揮する方が次々と指示し、1時間ほどで組立て完了。そのつど組み立てることにより、若い人に引き継がれるというのは、まさに文化だと思いました。吉田秋祭りは、毎年11月3日文化の日に開催されます。江戸時代の絵巻に描かれたものと同じ「おねり」が続く様子はなかなか趣深いものです。

私も一昨年、文化庁の調査官と一緒に拝見しましたが、さすが吉田三万石、きちんとした祭り文化が残っています。現在、専門家も交えて調査研究が進められており、近い将来、国の無形文化財の指定を受ける日が来ると思われます。実は、本家の宇和島・宇和津彦神社の祭礼でも戦前までは同じようなお練り行列があったとのこと、今回展示されている祭礼図でご確認ください。

その隣にあるのが、伊方町小中浦の「御車」。中の人形は、牛若丸と弁慶。後ろの彫刻は、牛若丸の鞍馬での修行と凝っています。先日、伊方出身の方にこの話をしたら「伊方の秋祭りも、屋台、牛鬼、鹿踊りと全部そろってるんよ」と言われて、思わず「知らなかった~です」! 伊達文化恐るべし。知られていませんが、南予各地にそれぞれ祭り文化が継承されているのです。

考古展示室に土器パズル大集合!!

5月 1日 日曜日

昨年度のブログで、当館では“土器”や“埴輪”などの立体パズルを数多く持っていることを紹介いたしましたが、今回のテーマ展「発掘 南予の遺跡 Part3-考古収蔵庫に眠る南予の宝-」の会場には、そのうち6つの立体パズルを置いています。
その内訳は、縄文土器2つ、弥生土器1つ、鶏形埴輪1つ、近世陶磁器2つで、縄文時代~江戸時代における多様な立体パズルが一堂に揃っています。このなかには担当者も唸るほどの大変難しいパズルもありますので、ぜひ一度チャレンジしてみて下さい。

常設展示室(中世)の展示替え~村上海賊と現代の創作作品~

4月 30日 土曜日

昨日の記事で紹介したとおり、村上海賊に関するストーリーが「日本遺産」に認定されるなど、近年、村上氏をはじめとする瀬戸内海の海賊衆の歴史が高い注目を集めています。
村上海賊の活動の足跡は、現代の創作物にも影響を与えており、村上氏や瀬戸内海の海賊衆をモチーフにした多くの小説・コミックや映像などの作品が生み出されています。

今回の展示替えでは、いつもの歴史史料とは視点を変えて、展示室内にミニコーナーを設け、当博物館が制作に協力した、または当館に関連する以下の4作品を展示紹介しています。
村上氏と現代の創作作品

尼子騒兵衛氏作『落第忍者乱太郎』(朝日新聞出版)
忍者のタマゴたちが主人公のアニメ「忍たま乱太郎」の原作です。ギャグを基調としつつ、入念な時代考証により室町・戦国時代の世相を反映した世界観に貫かれています。作中に登場する「兵庫水軍」は、村上海賊がモデルで、その活動の実態が色濃く反映されています。乱太郎たちが船道具を持っている、第40巻の表紙を置いてみました。

「船中の四功 山立・鬼蜘蛛丸」(『落第忍者乱太郎』より)
尼子騒兵衛氏作・寄贈
『落第忍者乱太郎』作中に登場する「兵庫水軍」は村上海賊の活動をモデルとしており、本作は兵庫水軍のキャラクターの一人、鬼蜘蛛丸を描いたものです。山立(やまだち)とは航海の責任者を指します。2014年、当博物館での特別展開催を記念して制作・ご寄贈いただきました。
山立 鬼蜘蛛丸

和田竜氏作『村上海賊の娘』(新潮社)
和田竜氏による長編歴史小説。天正4年(1576)第一次木津川口合戦における能島村上氏の村上武吉の娘が描かれています。第35回吉川英治文学新人賞、第11回本屋大賞受賞。瀬戸内海の海賊衆に関する詳細な時代考証が施されており、多くの史料が小説に反映されています。

原作 和田竜氏・漫画 吉田史朗氏 作『村上海賊の娘』(小学館)
和田竜氏による長編歴史小説『村上海賊の娘』の漫画化作品です。当博物館は村上水軍博物館(今治市)とともに取材協力しており、当展示室で常設展示している戦国末期の小早や安宅船模型を資料の一つとし、軍船や船戦に関する緻密な描写がなされています。

本展示室では、戦国期の軍船「小早」「安宅船」模型をはじめ、海賊衆に関する歴史史料が数多く展示されています。
中世展示室(伊予の水軍)
今回新たに設けてみたミニコーナーとあわせてご覧いただくことで、それぞれの作品世界や、戦国期の瀬戸内海で躍動した村上海賊について理解を深めるきっかけとなれば幸いです。