「れきはく友の会」で明浜を歩く

3月 13日 火曜日

3月11日(日)、歴博・友の会の現地研修会「四国西予ジオパーク巡り―明浜町編―」に参加してきました。
歴博を出発して野福峠を下っていくと、何やら作業をしている方が大勢。ちょうど3月25日(日)に開催される「野福峠桜まつり」の準備のため、地元の方が、のぼりを立てたり、草刈りをしたりしているところでした。今年は例年より、桜も早いみたいです。

我々がまず向かったのは、俵津文楽会館。「俵津文楽」は、浜田座長のお話によると、1852年に大阪から人形を買い入れ人形芝居を行ったのが起源とか。「菅原座」は、現在も会員が約30名(男女ほぼ同数)おり、大阪から三味線の師匠の方に来てもらったり、人形の頭の制作修行に徳島に行ったりしながら、保存継承されており、次は桜まつりの際に公演を行うとのこと。観覧料無料とのことなので、興味のある方はぜひ!

次に向かったのは、大早津海岸。ここには昔、石灰の工場があり、すぐ上の山から取れる石灰石を砕いて焼成し、セメント原料や肥料などとして遠く朝鮮半島まで持っていっていたとか。海岸には、その当時の積み出し設備の残骸や、石灰窯を復元したものがありました。

丘の上の歴史民俗資料館の玄関にあったのが、「ウド貝」。石灰岩層が海に入り、その岩にくっついて育つのが、このマテ貝の仲間。岩ごと大きなハンマーのようなもので割って採るしかないそうですが、お汁にすると、すごくおいいしいとか。

昼食後に向かったのが、狩浜の段々畑。石灰岩を丁寧に積んだ白い石垣は、山の上まで伸び、その景観はすごいの一言。
今回、案内いただいたのは、地元のジオガイドの方々。江戸時代は、イモや麦が作られ、明治になると、桑を植えて養蚕。戦後は、みかん畑に移り変わったそうです。まさに文化的景観の最たるものだと思います。公民館から説明を聴きながら、ゆっくり歩いて約2時間。心地よい一時でした。

「れきはく友の会」は、こんな楽しい現地学習会のほかに、少し遠くへの研修旅行(29年度は、高知城歴史博物館)や歴博の展示解説会などのご案内が来るほか、定期的なクラブ活動も行っています。年会費3千円ですが、十分モトが取れると思います。あなたも入ってみませんか?

常設展示室を展示替えしました!

3月 8日 木曜日

博物館では特別展やテーマ展を開催するほか、常設展示室についても一年に2~3回展示替えを行っています。3月6日(火)の休館日を利用して展示替えを行いましたので、その中から一部資料を紹介します。
まずは「憲法発布五十年記念盃」です。箱書きによると昭和13(1938)年に大日本帝国憲法発布50年を祝して行われた式典で、出席者に下賜されたものです。
次に元松山藩士の画家手島石泉が92歳の時に描いた県内各地の名所です。今回は、松山城、岩屋寺、道後温泉(玉の石)などを展示しました。
また、NHKの朝ドラ「トト姉ちゃん」で有名になった『暮しの手帖』も展示しました。中にはテレビでも話題となった「直線裁ち」が掲載された創刊号も含まれています。
このほか大正12(1923)年に宇和島で開催された全国自転車競走大会の写真や衛生兵の軍隊手帳、日誌、医療品なども新たに展示しました。今回展示替えした資料は、いづれも県民の皆さんから寄贈いただいた資料です。寄贈いただいた資料はこのように展示しています。博物館にお越しになった際は、ぜひ常設展もご覧ください。

憲法発布50年記念盃


『暮しの手帖』コーナー

「八幡浜市若山の俵札」愛媛大学法文学部日本史研究室との合同調査4

3月 2日 金曜日

2月22日・23日の2日間

当館所蔵の四国遍路関係史料(八幡浜市若山の「俵札」)の整理を

愛媛大学法文学部日本史研究室と共同で行いました。

 

この「俵札」調査は平成27年度から始まり

今年は4年目の調査となります。

今回も胡光先生をはじめとする16人の方が参加されました。

昨年度に引き続き、

俵から取り出した納め札1枚1枚の

内容や大きさなどを調査しました。

この納め札からは、四国内だけでなく、

九州・中国地方や関西、遠い所では仙台・茨城・長野など

多方面から多くの人が愛媛へ赴いていたことなど、

当時の巡礼者の様子をうかがうことができます。

 

「俵札」調査の一部成果は、現在開催中の

特別展「研究最前線 四国遍路と愛媛の霊場」

でも紹介しております。

 

また、今回調査を行ってくださった

愛媛大学の胡光先生の講座「四国遍路と伊予の霊場」は、

3月10日(土)13:30~15:00です。

ぜひお越しください。

四国遍路展・おひなさま展 いよいよ開幕!

2月 16日 金曜日

今日は、旧正月。伊予路に春を呼ぶと言われる「椿まつり」は旧暦の1月8日とその前後の日に行われることになっているようで、今年は来週の2月22日から。2月になっても寒かったはずです。

歴博の春は、毎年恒例のおひなさま展から。今年もいよいよ明日17日(土)から始まります。今年の入り口の雛飾りは、「曲水の宴」。みやびな雰囲気を味わっていただけます。

それから四国の春と言えば、お遍路さんの鈴の音とともにやってくるというのが、これまた風物詩。歴博では、特別展「研究最前線 四国遍路と愛媛の霊場」が、これまた明日17日(土)から始まります。

入り口でお迎えしているのは、松山沖の野忽那島の神社に明治17年に奉納された娘遍路の絵馬。当時の遍路装束がよくわかります。

今回の展示では、当館で収集し、調査研究してきた資料に加え、最近調査が行われた52番札所・太山寺や51番札所・石手寺などからも資料をお借りして展示をしています。
太山寺のコーナーで目につくのは、開祖とされる真野長者とその妻・玉津姫、そして娘の般若姫と伝わる平安時代の作と言われる木像。

石手寺の方では、室町時代の景観を描いた「往古図」が目を引きます。今の境内の両横、前後に、たくさんの建物が配置された様子は、まさに壮観。

そして、図録の表紙にもなっている絹本著色の「大勝金剛像図」。

赤外線写真で、絵柄がくっきりと浮かび上がりました。

その他にも見どころは盛りだくさん。週末は、お天気も良さそうなので、ぜひご家族おそろいで、歴博に春を見つけに来ていただければ幸いです。

【トイレ使用可!】れきはく通常開館しています。

2月 11日 日曜日

この度、大雪と記録的な寒波によって、広域断水の続いている西予市宇和地域等の皆さまに、心よりお見舞い申し上げますとともに、一日も早い復旧をお祈り申し上げます。

地元宇和にある愛媛県歴史文化博物館は、幸い、水道の施設、水の供給に大きなトラブルもなく、通常開館しています。

トイレの使用も可能で、レストラン(軽食)・ミュージアムショップも開店しています。

この連休中は、常設展だけではなく、親子向けワークショップも開催しています。

自宅以外で、休日のひとときを、お近くで安心、安全に過ごす場所として、ぜひ、ご利用ください。

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本日11日、明日12日の歴博イベントの紹介です。

日程   2月11日(日)・12日(月)
時間  10:00~12:00  13:00~16:00
場所  愛媛県歴史文化博物館こども歴史館

1 「スノードームをつくろう」
  すてきなフィギュアをえらんで、オリジナルスノードムをつくりましょう!
  材料費 500円(友の会会員は1回400円)

2 「ノートにデコしよう」
  自分だけのすてきな デコノートをつくってみましょう!
  材料費 300円(友の会会員は1回200円)

※ 材料に限りがありなくなりしだい、終了することがありますので、お早めにご来館ください。

詳しくはこちら。

はに坊ブログ
http://www.i-rekihaku.jp/staffblo/

愛媛県歴史文化博物館
http://www.i-rekihaku.jp/sp/

なお、

12日(月)は天気予報で積雪のおそれもありますので、ご注意ください。

13日(火)は休館日となります。

歴博は銀世界!

2月 8日 木曜日

今年は、毎週のように雪が降っている感じですが、今朝は、放射冷却現象で、観測史上記録的な冷え込みだったようです。宇和の最低気温は、マイナス12℃だったとか。車の外気温表示によると、松山がマイナス3℃、大洲でマイナス5℃、宇和に入るとマイナス8℃でした。部屋に入って展示棟を見ると、つららが異様に長く伸びていました。

高速道路の通行止めも、お昼には西予宇和ICまでは解除となりましたが、歴博への登り坂には雪が残り、駐車場もまだ真っ白です。今日も、歴博は営業しています。

ただ今、2月17日(土)から始まる特別展「研究最前線 四国遍路と愛媛の霊場」と毎年恒例のテーマ展「おひなさま」の展示準備が着々と進んでいます。Coming Soon!
ということで、今週末からの3連休は、展示は、常設展とテーマ展「大型器台とその時代」だけですが、ワークショップ・イベントは開催しています。

天気予報を見ると、明日はいい天気で、土曜日は雨、これで雪は解けてくれそうですが、日曜、月曜は、また雪マークが。もう雪は十分なのですが、ご来館される方は、冬用タイヤで気をつけていらっしゃってください。

今年2度目の雪! 歴博 営業しています

1月 24日 水曜日

今日は、今年二度目の雪。高速道路が通行止めであったため、JRで出勤。犬寄の長いトンネルを抜けると、そこは雪国でした。松山では雪のかけらがあったくらいだったのに。
ただ、先々週の雪と比べる(詳しくは、当館HP「はに坊ブログ」を見てください)と、今回は、やや少なめ。駅からの近道の遊歩道も問題なく歩けました。

歴博は、今日も休まず営業しています。レストランから見る雪景色は、なかなかのものです。

テーマ展「学芸員のまなざし~収蔵資料逸品展~」と、もう一つの「戸島歌舞伎と川瀬歌舞伎」。どちらも今週末の日曜日、1月28日までです。
まだ、ご覧になっていない方は、週末は天気の方も回復しそうなので、歴博へぜひ!

学芸員の仕事ぶりを歴博で! 正月は1月2日から

12月 22日 金曜日

2017年も、残すところ、あと10日となりました。
歴博では、今週からテーマ展2本が新たに始まっています。

まず、「学芸員のまなざし~収蔵資料逸品展~」は、各学芸員がたくさんの収蔵資料の中から、思いのある逸品を選んで紹介するものです。今年は、学芸員のことが何かと話題になりましたが、学芸員のお仕事の一端を、ぜひご覧いただければと思います。そして、資料に対する深くて熱い「学芸員のまなざし」を感じていただければ幸いです。
愛媛新聞の文化面に月2回連載させていただいている「えひめの歴史文化モノ語り」で取り上げたものや、先日、報道発表を行ったポルトガル領事が松山藩知事に贈った懐中金時計も展示しています。

もう一つのテーマ展は「戸島歌舞伎と川瀬歌舞伎」。宇和島沖の戸島で、若者たちによって演じられていた地芝居のゴージャスな衣装や浄瑠璃本、絵馬などを、現在、県内で唯一伝承されている川瀬歌舞伎の資料とあわせて紹介しています。

さて、歴博の年内の営業は25日(月)まで。一足早く年末年始の休暇に入らせていただきます。今年1年のご愛顧、誠にありがとうございました。
年明けは、正月2日からの営業です。お正月らしく、羽子板やコマ、凧をつくるワークショップや、1/6スケールで復元した坊っちゃん列車に乗車するイベントなどもやっていますので、初詣帰りに、ご家族おそろいでお立ち寄りいただければ幸いです。
1月2日には、南予の祭りに出てくる「ホタ」も登場する予定。「ホタ」に噛まれると一年無病息災とか、ぜひ体験してみてください。
それでは、2018年も歴博をよろしくお願い申し上げます。

久松家ゆかりの懐中時計について記者発表!

12月 15日 金曜日

当館は、今年3月に寄贈いただいた懐中時計について、これまでの行ってきた調査研究の成果を記者発表しました。この懐中時計は、1871(明治4)年に長崎のポルトガル領事ロウレイロが松山藩知事久松隠岐守勝成(かつしげ)に贈ったものです。

くわしくはこちら
      
なお、この懐中時計は19日(火)からのテーマ展「学芸員のまなざし―収蔵資料逸品展―」(平成30年1月28日(日)まで)で公開します。ぜひ、博物館にお越し下さい。

「大型器台のその後」テーマ展「大型器台とその時代」展示資料から⑥

12月 12日 火曜日

瀬戸内東西の器台の中心地域(松村さを里氏作成協力)

最終回は「大型器台のその後」についての解説です。

■伊予型特殊器台の創出
 伊予型特殊器台は、今治市大西町に所在する初期(約1800年前)の前方後円墳、妙見山(みょうけんさん)1号墳の墳丘から発見されたもので、2008年、下條信行氏によって命名・提唱されました。現在のところ他に類例はなく、同古墳で創出されたとものと考えてられます。
 伊予型特殊器台は、西部瀬戸内(せいぶせとうち)で盛行(せいこう)した弥生大型器台の型式を継承(けいしょう)したものではあるが、新しい古墳時代の特徴もあわせ持っています。
 全体的なプロポーションがやや寸胴(ずんどう)ではあるが、口縁部(こうえんぶ)と裾部(すそぶ)が大きく開く筒形の形態は、大型器台から受け継いだ最大の特徴です。
新時代の要素としては、畿内系二重口縁壺(きないけいにじゅうこうえんつぼ)とセットで使用されることの外、口縁部・胴部・裾部を区別する突帯(とったい)による段の表現、胴部の長方形(ちょうほうけい)・巴形(ともえがた)・三角形(さんかっけい)の透(す)かし孔(あな)や、胴部全体への施文(せもん)の充実などが挙げられますが、胴部文様の綾杉文(あやすぎもん)や孤帯文(こたいもん)などの分析から、この文様もまた在来の大型器台から発展したものと考えられています。
伊予型特殊器台の新旧の時代要素が複合する様は、西部瀬戸内地域の個性豊かな初期古墳の成立事情を深めるため注目されます。

今治市大西町妙見山1号墳出土伊予型特殊器台・二重口縁壺(今治市教育委員会提供)

■埴輪の時代へ
 弥生時代後期から終末期(約2000年前~約1800年前)の中部瀬戸内(ちゅうぶせとうち)(特に吉備(きび))とそれ以東の地域では、器高1m前後、径30~40㎝の太い筒部の上下に口縁部と脚部が付いた「特殊器台(とくしゅきだい)」が墳墓祭祀(ふんぼさいし)に用いられ、それが、特殊器台形埴輪、円筒(えんとう)埴輪に発展したと考えられています。
 伊予において円筒埴輪が最初に用いられるのは、今治市相の谷(あいのたに)1号墳です。全長約81mの前方後円墳の墳丘の西側のみしか調査されていませんが、円筒埴輪の他に、朝顔形(あさがおがた)埴輪、壺形(つぼがた)埴輪が確認されています。
 古墳時代前期後半以降、埴輪が古墳の外表施設(がいひょうしせつ)として配置されるようになり、大型器台とその系譜にある伊予型特殊器台はその役割を終えることとなります。

今治市相の谷1号墳出土円筒埴輪・壺形埴輪

なお、今回の展示の記念イベントとして、12月16日(土)に大分市教育委員会の坪根伸也氏をお招きして、愛媛大学名誉教授下條信行氏、愛媛県埋蔵文化財センターの松村さを里氏の三者による鼎談会(講演会(愛媛・大分交流講座))を開催いたします。多くの皆様にご参加いただければ幸いです。