棉の花が咲きました。

2009年8月9日

 エントランスから展示室入口を入ってすぐの中庭に、今年は棉の栽培にチャレンジしています。棉の種はれきはく友の会の会員さんに分けていただきました。
 5月初めに植えた棉は、ムシに食べられて全滅し、もう一度種をまきなおしたり、雨が少なくて成長が遅かったりと気をもみましたが、やっと昨日、花が咲きました。

棉の花

分けていただいた綿の種は、花の色からみると和綿ではなく洋綿のようです。

中庭

中庭は建物に囲まれているせいか風が強く吹いて棉が倒れてしまうので、ボランティアさんたちにもご協力いただいて支柱を立てました。棉が無事収穫できるとよいのですが・・。

 愛媛県内における棉の栽培について調べてみると、松山・今治・西条付近で多く栽培され、明治以降も水の不足する地域を中心に盛んに栽培が行われていたようですが、アメリカ綿の輸入増加に押されて明治27年頃から急速に衰退してしまいました。

 展示室へ向かう年配のお客さまの中には、中庭の棉にお気づきになって懐かしく感じられる方がいらっしゃるようです。

松井今朝子さん講演会

2009年8月8日

松井今朝子先生歌舞伎講演

 本日、作家・松井今朝子先生をお招きして、講演会「歌舞伎と遊ぶ」が開催されました。
 約200名もの参加者でした。松井先生からは、事前に質問も受けていただけるとのことで、お話の終了後、質疑応答もあり、参加者としても交流ができた雰囲気になり、充実した講演会でした。

 松井先生は、講演終了後、特別展「歌舞伎と文楽の世界」をご覧になって、その後、西予市宇和町卯之町の中町(なかのちょう)の町並みを見学され、一路、東京へ戻られました。
 また、特別展「歌舞伎と文楽の世界」では、講演会に参加していただいた方のために、臨時の展示解説会も開催し、約50名が熱心に解説を聞いていただきました。
 歌舞伎と文楽の魅力を、多くの来館者に聞いていただき、見ていただき、ありがとうございました。

※特別展「歌舞伎と文楽の世界」は、8月31日まで開催しています。

展示室から生中継

2009年8月7日

ラジオ 歌舞伎文楽

8月6日22:00~24:00、南海放送ラジオで、特別展「歌舞伎と文楽の世界」の展示会場から、ラジオ生中継がありました。
番組タイトルは「明治の南予物語」。当館職員をはじめ、西予市内の先生方を招いて、歌舞伎・文楽といった芝居や、宇和町卯之町の開明学校を題材に教育の話、そして卯之町中町を舞台に「あんどん」の光の祭典「卯のほたる」などを取り上げて、2時間、フリートークをくりひろげました。
明治時代から南予地方で使われてきた文楽の人形に囲まれながらの生中継。深夜で観客はいませんでしたが、多くの人形たちに見守られながらのシンポジウムでした。

愛媛の農村歌舞伎―川瀬歌舞伎―

2009年8月5日

川瀬歌舞伎

 写真は、川瀬歌舞伎(久万高原町)の玉三(「玉藻前曦袂」三段目道春館の段)です。

 川瀬歌舞伎は、上浮穴郡久万高原町直瀬に伝わる農村歌舞伎(地芝居)で、県内では現存する唯一の歌舞伎です。川瀬歌舞伎保存会が組織され、町の無形文化財に指定されています。開演日時は不定期ですが、芸能発表会などに招かれて演じられます。大正8(1919)年に下直瀬の人々が「敷島会」を結成したのに始まるとされますが、江戸時代末期の安政4(1857)年頃には既に演じられていたと思われます。
 川瀬歌舞伎の伝承されている川瀬地区をはじめ、久万高原町一円では、歌舞伎に先立って、浄瑠璃(三味線伴奏による語り物)が盛んだったといわれます。これはこの地域に限ったことではなく、浄瑠璃の流行という下地があってこそ、人形浄瑠璃(文楽)や農村歌舞伎を地元で行うことができるようになったのです。
 川瀬歌舞伎の最盛期は昭和初期といわれています。戦時中、戦後には衰退しましたが、昭和35年に下直瀬公民館を中心に歌舞伎保存会を組織、再興され、現在にまで伝承されています。
 なお、川瀬歌舞伎が歌舞伎と人形浄瑠璃の双方の要素を取り入れたものとして注目されます。川瀬歌舞伎では、人形浄瑠璃(文楽)と同じく、太夫が浄瑠璃を語り、三味弾きが音楽を奏でます。そして太夫が情景描写だけでなく、役者自身が語るべき台詞も語っています。役者は演じること(舞・踊・振り)に専念します。このような形態は全国でも数少なく、人形浄瑠璃(文楽)との混交が見られます。

ラジオ生中継 歌舞伎と文楽展

2009年8月4日

 明後日、8月6日(木)22:00~23:59、南海放送ラジオで、「夜のラジオシンポジウム 明治の南予物語~魅惑の文楽・歌舞伎へのいざない~」が放送されます。

 この番組は、この博物館の特別展「歌舞伎と文楽の世界」の展示会場から、生中継。

 シンポジウムのコーディネーターは、当館学芸課長の藤田正と、南海放送アナウンサーの中塚眞喜子さん。
 パネリストに、松山子規会副会長の乾英司さん、「卯のほたる」実行委員長の藤本明美さん、開明学校の学芸員、堀内八重さん、当館学芸員の大本敬久でお送りします。

 夜のラジオシンポ。昨年に続き2回目ですが、今年は、明治時代に盛んだった歌舞伎や文楽をとおして、いかに南予地方が元気な時代だったのかをお伝えする内容となります。

 8月6日(木)の22:00から、ぜひ、お聞きください。

展示図録『歌舞伎と文楽の世界』

2009年7月31日

歌舞伎と文楽の世界図録

 ただいま開催中の特別展「歌舞伎と文楽の世界-愛媛の伝統芸能-」。
展示内容を紹介した解説図録も販売しています。

書名:『歌舞伎と文楽の世界―愛媛の伝統芸能―』
発行日:2009年7月14日
体裁:A4版56頁(うちカラー図版32頁)

<目次>
①愛媛の文楽(人形浄瑠璃)
②歌舞伎・400年の伝統文化
③伝統芸能の外題(あらすじ)
④論考・資料 大本敬久「愛媛の農村歌舞伎」・愛媛県文楽人形頭目録

販売価格は1,200円です。
当館ミュージアムショップで販売中です。
なお、当館ホームページ「刊行物の販売」もご参照ください。
http://www.i-rekihaku.jp/friend/sale.html

昭和初期の絵本とおもちゃ

2009年7月29日

キンダーブック

 今回の展示替えでは、最近寄贈を受けた資料を中心に、「昭和初期の絵本とおもちゃ」のコーナーを設けました。なかでも、日本最初の月刊の保育絵本として有名な『キンダーブック』を展示しています。

 『キンダーブック』を創刊した高市次郎は、明治9年に平井谷(松山市平井町)に生まれています。愛媛で小学校に勤めた後に、上京して玩具店を開店。昭和2年に幼児向けの知識絵本、「キンダーブック」を刊行します。科学的視点を取り入れた「キンダーブック」は「観察絵本」と呼ばれ、幼稚園を通じて各家庭に配本され、1930年代には月約10万部の部数を誇りました。

 戦争が激しくなるにつれ、おもちゃの素材は金属製・セルロイド製が姿を消して、紙や木などが主流となります。絵本も戦意昂揚の手段となり、「キンダーブック」の表紙にも戦争をモチーフにしたものが増えていきます。

れきはくへGO!歌舞伎メイク体験

2009年7月27日

 今日は、えひめこどもの城の企画「れきはくへGO!」の参加者に1日まるごと歴博を満喫していただきました。到着したバスの側面にはれきはくのキャラクターも入っています!!

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  さっそく、常設展示室で行う「昔のくらし探検」へGO!
 以前ブログで紹介した夏の暮らしの必需品「蚊帳」の中に入ってみます。

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 つづいて、まだ梅雨が明けてないので、雨の日に使う昔の道具を体験してみましょう。
 番傘をひらいてみよう!

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 蓑と笠はどうやって身につけるのかな?

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 そして、ランチの後は、お待ちかねの歌舞伎メイクに挑戦です。
 髪の毛をまとめて、下地の歌舞伎油を顔にまんべんなく塗ってもらいます。

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 つづいて、水ときおしろいを塗ると・・・

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真っ白になった自分の顔にびっくりかなと思いきや、気分はすっかり歌舞伎役者なんです。

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筆を使って紅と墨で隈取りしていきます。鏡を見ながら筆を使うのは難しいけれど、みんな真剣です。

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歌舞伎メイクが完成すると、展示室で本物の歌舞伎役者の隈取りと比べてみました。
展示室前にてみんなで記念写真!

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おお~、みんなポーズが決まってますね。
メイクを落とす前には、ハンカチを顔に押しつけて「押隈」を作りました。
みんな大満足だったようで、スタッフもボランティアさんも一安心。

こちらの歌舞伎メイク体験は、以下の日程で開催します。
ぜひ、みなさんも歌舞伎メイクに挑戦してみませんか?

特別展関連ワークショップ「体験!歌舞伎メイクアップ」
 日時:8月9日(日)・23日(日)
 集合時間:午後2時
 集合場所:当館総合案内(午後1時より整理券を配布します)
 参加費:500円(別途、特別展観覧券が必要です)
 対象:小・中学生、申込み不要先着20名

置き薬

2009年7月23日

 家庭用の置き薬はいざという時に重宝します。使った薬を定期的に補充して、使った金額だけ払う仕組みで、特に「富山の薬売り」が有名です。

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 愛媛大学の地理学教授であった村上節太郎が昭和37(1962)年に撮影した写真の中にも、富山の薬売りは登場します。自転車の荷台には、薬売りのトレードマークの柳行李がのっかっています。柳行李を開けると、原色のケバケバしいデザインの薬袋がたくさん詰まっていました。各家には赤い薬箱が大抵置いてあり、使った薬を定期的に補充してくれました。おまけとしてくれる紙風船、コマなどを楽しみにしていた子どもも多くいました。

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写真は展示替えした「置き薬」のコーナー。

特別展「歌舞伎と文楽」 人形師・天狗久

2009年7月21日

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この写真は天狗久の製作した文楽(人形浄瑠璃)のかしらです。本名吉岡久吉(ひさよし)。阿波人形浄瑠璃で最も著名な人形師です。安政5(1858)年~昭和18(1943)年。阿波の国府町和田に住む。江戸で人形頭の彫りや京都で人形の塗りを学んだ人形富(にんぎょうとみ)に16歳で弟子入り。舞台で人形を目立たせるために頭を大型化しました。そのため頭の材料を桧(ひのき)から桐(きり)に変えて人形の重さを軽くしました。また、目にガラス玉を使って、目の輝きを表現したのも天狗久の業績です。愛媛のすべての文楽保存会に、この天狗久の製作した人形頭が保存されて、現在も舞台で使われています。そして今回の展示では、天狗久の作品を25点、展示しています。
(写真は俵津文楽保存会蔵・撮影は当館友の会会員の兵頭盡靖氏)