浮世絵体験キット(その2)

2009年9月9日

 浮世絵体験キットは、前回紹介した手軽な3色摺りの絵葉書サイズのものと、今回紹介する浮世絵の大判とほぼ同じ大きさのB4サイズのものとを準備しています。B4サイズのものはなんと5色摺り。なかなかの本格派です。

赤色を摺ります

まず黄色、赤色と摺っていきます。

2色摺り上がった状態

この2色は色が付く面積も少なく、ちょっと摺りにくい感じです。
2色終わった段階ではどんな浮世絵になるのか、さっぱり分かりません。

緑色を摺ります

緑色をするとだいぶん、どんな絵か見えてきました。

青色を摺ります

青色を摺って、最後に黒色を摺ると完成です。

完成です

歌川広重の六十余州名所図絵シリーズのうち、伊予西条です。
緑色の存在感のある山が石鎚山。
その麓には江戸時代の西条の町並みが広がります。
手前の海からにょっきりと突き出た廻船の白帆がなんとも印象的です。
この浮世絵の実物は、テーマ展「描かれた伊予の旅路と風景」に展示しますので、ぜひ御覧ください。
実物と比べてみました

摺りあがりをテーマ展を準備している会場に持ち込み、実物と比べてみました。実物のもつ深みには遠く及びませんが、でもなかなかの出来映えです。
浮世絵摺りの体験は特別展「広重と北斎の東海道五十三次と浮世絵名品展」の会期中のうち、土・日・祝日の13:00~16:00にやっていますので、ぜひ体験してみてください。

浮世絵体験キット(その1)

2009年9月7日

 いよいよ特別展「広重と北斎の東海道五十三次と浮世絵名品展」の開幕が近づいてきました。会場設営などで忙しくなる前に、今回のイベントの目玉ともなる「浮世絵体験キット」を用いて、職員で試し摺りに挑戦してみました。
 この浮世絵体験キットは、版木ではなく樹脂でつくられた版を使用します。色についても、速乾性のインクを使い、誰でも手軽に浮世絵の重ね摺りの原理が体験できます。まずは、絵葉書サイズのものを試してみました。
赤色スタンプ

 まず、赤色のスタンプを摺ってみます。

そっとのせて

 枠に沿って慎重にハガキをのせます。

摺るべし摺るべし

木版と同様にバレンで摺り出していきます。

青色スタンプ

次は赤色に青色を重ねていきます。

黒色スタンプ

そして最後に黒色を摺り出します。
恐る恐る絵葉書を裏返すと、

見事できあがり

3色摺りの絵葉書サイズの作品が完成しました。
作品は葛飾北斎の有名な「冨嶽三十六景」シリーズ中の「尾州不二見原」。
桶職人がつくる大きな桶の枠に小さな三角形の富士山がのぞいています。
実物の浮世絵は企画展示室に展示されるので、ぜひ御覧ください。

三者三様の完成品

三人挑戦してみましたが、
微妙なズレ、カスレがあって三者三様。
それぞれの味が出た作品に仕上がりました。

次回は、浮世絵の大判サイズの体験キットについて紹介します。

駕籠に乗ってみませんか?

2009年8月28日

 駕籠の修復についてはこれが最終回。
 それでは駕籠の全貌をご紹介しましょう。
駕籠全体

駕籠の内部はこんな感じ。(前方部分)

 

手前の板を持ち上げると・・・。

  
 
折りたたみ式の机が出現します。

 

そして、後方には背もたれと肘当てを完備。
 背もたれと肘当て
 駕籠の大きさは、高さ90cm、奥行110cm、幅68cmほど。駕籠の内寸となると、高さ81cm、奥行95cmほどとなり、現代の大人では体格が良すぎてとっても窮屈です。
 この駕籠は、側面に茣蓙(ござ)が使用されているところから、茣蓙巻駕籠(ござまきかご)と呼ばれるタイプのもので、庄屋や医者など村の中で比較的裕福な人たちが使用したものと考えられます。庶民の旅のアイテムではありませんが、江戸時代の乗り物「駕籠」の大きさを手軽に実感していただく資料として活用していきたいと思います。9月15日からはじまる特別展「広重と北斎の東海道五十三次と浮世絵名品展」にて初公開しますので、ぜひ、歴博で駕籠の大きさを体感してみてくださいね!

駕籠の修復(その2)

2009年8月23日

 駕籠の修復について紹介していますが、作業はどんな感じだったのか気になるところですね。作業の様子は、ちゃんと業者さんが写真を撮っておいていただいたので、その写真を交えながらご紹介します。
 屋根の剥がれている部分は、部分的な補修を考えていましたが、上手くいかないとの連絡を受け、相談の上、思い切って裏貼りを剥がして全面的に張り直しました。

屋根部分

 剥がされた屋根の部分。

 屋根の裏貼りに使われていた文書はちゃんと取っておいてもらいます。
裏貼りの文書

 黒い屋根は、紙に漆を塗っていたようです。もちろん、元通りに修復することが望ましいのですが、今回はあくまで体験用の駕籠にする目的での修復だったので、経費を抑えるため黒いマット紙を貼って再現することにしました。

 残っている引き戸を参考にして、紛失していた引き戸を新たに製作。
製作した引き戸 

 外側についていた御簾や油紙の日よけは、材料調達が難しいので当初から製作を断念しましたが、持って帰っていただいていた木の桟と思われる木片をパズルのように組み合わせると、窓の部分に取り付ける雪見障子だったことが判明。予定に入っていなかったのに、足りない桟を製作してすべての窓に取り付けていただきました。
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 破れていた油紙の日よけは、裏から補強してます。
20090823_603454

  このほか、人が乗り込むことを想定しているので弱っている床板を補強し、内装も貼り直しを行いました。
 
 修復後の駕籠の全貌は、次回、大公開します!!

駕籠の修復(その1)

2009年8月20日

 以前、ブログで紹介していた駕籠ですが、ボランティアさんによる清掃の後どうなったのか気になっている方もいらっしゃるかも!?(知らないよとおっしゃる方は3月24日と5月20日の記事をご参照くださいね)

 開幕までのカウントダウンがはじまっている特別展「広重と北斎の東海道五十三次と浮世絵名品展」(9月15日~11月3日)に展示するため、密かに破損箇所の修復を行っていました。

 今回の修復の目的は、ズバリ「人が乗り込める体験用の駕籠」にすること!!
 まず、残っている部品などから推測できる部分の復元補修を行うこと個所を業者さんと打ち合わせしました。
 おおまかな補修箇所は、紛失している引き戸の製作、剥がれて裏貼りがむきだしになっている屋根や吊り棒を取り付ける金具、剥がれた内装部分などの補修になります。

屋根の部分

駕籠の内部

清掃作業の時に除けておいた駕籠の中に散らばっていた木の桟(さん)と思われる木片は、補修の際に何かに使えるかもしれないので業者さんにお渡ししました。
清掃前の駕籠の内部

この駕籠の修復作業の様子は、次回へつづきます・・・。

博物館実習 無事終了

2009年8月19日

6日間にわたって実施した博物館実習、16日(日)に無事終了しました。
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  〈大盛況のワークショップ対応〉

 3日目からは毎日午後にワークショップの対応を体験してもらいましたが、お盆期間とあって参加者も多く、実習生にはなかなか心身ともに疲れる日々だったかもしれません。
 しかも、午前にはきっちり資料整理実習もこなすというカリキュラム・・・。
 でも非常に助かりました。ありがとうございました。

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  〈もちろんデスクワークも〉

 この6日間で博物館のいろんな部分に触れ、博物館の活動がどのようなものか、実体験の中で理解してもらえたのではないでしょうか。
 普段できない体験に、みなさん緊張気味ながらも興味深そうに、そして楽しそうに過ごしていたのが印象的でした。
 これから、どこかの博物館や史跡を訪れたり、文化財に触れたりする機会には、きっと今回の実習を思い出し、他の人とはちょっと違った見方をしてもらえることでしょう。
 本当にお疲れ様でした。

150万人達成

2009年8月13日

 本日、れきはくの入館者が、平成6年11月のオープン以来150万人を達成しました。その記念すべき150万人目の入館者になったのは、お父さんとお友だちと一緒に来た西予市内在住の小学3年生の直起くん。

入口から人力車に乗り、セレモニー会場へと移動しました。

会場では、館長から花束と認定証が授与されました。

れきはくのキャラクターと一緒に記念のカメラにおさまりました。

テレビ局や新聞社などマスコミの取材も受けました。
なれないことばかりで、少々緊張したかな…。
偶然にも、今日が9歳の誕生日だった直起くん。いい思い出になったね♪

ナイト☆ミュージアム

本日8月13日(木)から15日(土)までの3日間、愛媛県歴史文化博物館は、21:00まで開館しています。

 幻想的な光を放つ約200個の“あんどん”が皆さんをお出迎え!!

やわらかな光に包まれた歴博で一緒に夏の夜を楽しもう。

歴博あんどん祭り開幕!

愛媛県歴史文化博物館あんどん祭り

 本日8月13日、愛媛県歴史文化博物館で、夏休みイベント「歴博あんどん祭り~光の花道~」が開幕しました。8月16日までの4日間、多くのイベントを用意しています。(博物館のエントランスホールには、赤いじゅうたん沿いに、西予市、八幡浜市、大洲市の小中学生が大洲和紙に歌舞伎や夏をイメージして描いた「あんどん」を200個、飾っています。)
まずは、本日13日13:00~と17:00~、多目的ホールで、アニメ映画「ゲゲゲの鬼太郎 日本爆裂!!」が上映されます。

愛媛県歴史文化博物館 人力車

また、16日までの各日、10:00~と15:00~、愛媛県歴史文化博物館の地元、卯之町の中町人力車倶楽部のご協力のもと、博物館内を人力車に試乗できるコーナーも設けています。クイズや隠れキャラを探しながらの人力車の試乗体験です。

愛媛県歴史文化博物館 あんどん作り

13日~16日、13:00~17:00には、ワークショップ「オリジナル ミニ・あんどんを作ろう!」がオリエンテーションルームで行われます。上の写真がミニ・あんどん。中には、蜜蝋(みつろう)のキャンドルを灯すことができます。
愛媛県歴史文化博物館 歌舞伎
また、特別展「歌舞伎と文楽の世界」にあわせて、当博物館で所蔵している芝居絵をもとに作った「歌舞伎福笑い」体験コーナーもあります。

その他、14日、15日には、筝曲の演奏会などもあります。詳しくは、当館ホームページのトップページをごらんください。

13日~15日は、開館時間が21:00までとなっています。みなさまのご来館をお待ちしています。

博物館実習

2009年8月12日

 博物館学芸員の資格を取得するには、大学などで所定の単位を取得する必要があります。そのひとつに「博物館実習」があります。
 当館でも、今年は8月11日(火)から16日(日)の間に、4名の実習生が県内外の大学から参加しています。
 この間、館内の施設見学から始まって、各分野の資料整理や体験イベント対応、また展示監視・受付の実習など、博物館業務を多岐にわたって実見・体験することになります。
 最近の博物館では、ただ資料を展示して見せるだけではなく、参加して楽しみながら学べるような体験型のスタイルが重視されてきています。当館でも、ちょうどお盆期間中でいろいろなイベントを実施しているということで、実習生にもどんどん普及活動に館側の人間として関わってもらうようにしています。
 普段見られない博物館の裏側、学芸員の専門業務、保管されている実物資料などを実際に見て体験できるとあって、暑さ真っ盛りの時期ながら、実習生のみなさんとても熱心に、そして楽しそうに日々実習を続けています。(送り出した大学関係者の皆様、どうぞご安心ください。)

  石器と図面を照合してます。
 まだまだ日程は残っています。頑張りましょう。実習の途中経過報告でした。