ラジオ生中継 歌舞伎と文楽展

2009年8月4日

 明後日、8月6日(木)22:00~23:59、南海放送ラジオで、「夜のラジオシンポジウム 明治の南予物語~魅惑の文楽・歌舞伎へのいざない~」が放送されます。

 この番組は、この博物館の特別展「歌舞伎と文楽の世界」の展示会場から、生中継。

 シンポジウムのコーディネーターは、当館学芸課長の藤田正と、南海放送アナウンサーの中塚眞喜子さん。
 パネリストに、松山子規会副会長の乾英司さん、「卯のほたる」実行委員長の藤本明美さん、開明学校の学芸員、堀内八重さん、当館学芸員の大本敬久でお送りします。

 夜のラジオシンポ。昨年に続き2回目ですが、今年は、明治時代に盛んだった歌舞伎や文楽をとおして、いかに南予地方が元気な時代だったのかをお伝えする内容となります。

 8月6日(木)の22:00から、ぜひ、お聞きください。

展示図録『歌舞伎と文楽の世界』

2009年7月31日

歌舞伎と文楽の世界図録

 ただいま開催中の特別展「歌舞伎と文楽の世界-愛媛の伝統芸能-」。
展示内容を紹介した解説図録も販売しています。

書名:『歌舞伎と文楽の世界―愛媛の伝統芸能―』
発行日:2009年7月14日
体裁:A4版56頁(うちカラー図版32頁)

<目次>
①愛媛の文楽(人形浄瑠璃)
②歌舞伎・400年の伝統文化
③伝統芸能の外題(あらすじ)
④論考・資料 大本敬久「愛媛の農村歌舞伎」・愛媛県文楽人形頭目録

販売価格は1,200円です。
当館ミュージアムショップで販売中です。
なお、当館ホームページ「刊行物の販売」もご参照ください。
http://www.i-rekihaku.jp/friend/sale.html

昭和初期の絵本とおもちゃ

2009年7月29日

キンダーブック

 今回の展示替えでは、最近寄贈を受けた資料を中心に、「昭和初期の絵本とおもちゃ」のコーナーを設けました。なかでも、日本最初の月刊の保育絵本として有名な『キンダーブック』を展示しています。

 『キンダーブック』を創刊した高市次郎は、明治9年に平井谷(松山市平井町)に生まれています。愛媛で小学校に勤めた後に、上京して玩具店を開店。昭和2年に幼児向けの知識絵本、「キンダーブック」を刊行します。科学的視点を取り入れた「キンダーブック」は「観察絵本」と呼ばれ、幼稚園を通じて各家庭に配本され、1930年代には月約10万部の部数を誇りました。

 戦争が激しくなるにつれ、おもちゃの素材は金属製・セルロイド製が姿を消して、紙や木などが主流となります。絵本も戦意昂揚の手段となり、「キンダーブック」の表紙にも戦争をモチーフにしたものが増えていきます。

れきはくへGO!歌舞伎メイク体験

2009年7月27日

 今日は、えひめこどもの城の企画「れきはくへGO!」の参加者に1日まるごと歴博を満喫していただきました。到着したバスの側面にはれきはくのキャラクターも入っています!!

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  さっそく、常設展示室で行う「昔のくらし探検」へGO!
 以前ブログで紹介した夏の暮らしの必需品「蚊帳」の中に入ってみます。

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 つづいて、まだ梅雨が明けてないので、雨の日に使う昔の道具を体験してみましょう。
 番傘をひらいてみよう!

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 蓑と笠はどうやって身につけるのかな?

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 そして、ランチの後は、お待ちかねの歌舞伎メイクに挑戦です。
 髪の毛をまとめて、下地の歌舞伎油を顔にまんべんなく塗ってもらいます。

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 つづいて、水ときおしろいを塗ると・・・

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真っ白になった自分の顔にびっくりかなと思いきや、気分はすっかり歌舞伎役者なんです。

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筆を使って紅と墨で隈取りしていきます。鏡を見ながら筆を使うのは難しいけれど、みんな真剣です。

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歌舞伎メイクが完成すると、展示室で本物の歌舞伎役者の隈取りと比べてみました。
展示室前にてみんなで記念写真!

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おお~、みんなポーズが決まってますね。
メイクを落とす前には、ハンカチを顔に押しつけて「押隈」を作りました。
みんな大満足だったようで、スタッフもボランティアさんも一安心。

こちらの歌舞伎メイク体験は、以下の日程で開催します。
ぜひ、みなさんも歌舞伎メイクに挑戦してみませんか?

特別展関連ワークショップ「体験!歌舞伎メイクアップ」
 日時:8月9日(日)・23日(日)
 集合時間:午後2時
 集合場所:当館総合案内(午後1時より整理券を配布します)
 参加費:500円(別途、特別展観覧券が必要です)
 対象:小・中学生、申込み不要先着20名

置き薬

2009年7月23日

 家庭用の置き薬はいざという時に重宝します。使った薬を定期的に補充して、使った金額だけ払う仕組みで、特に「富山の薬売り」が有名です。

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 愛媛大学の地理学教授であった村上節太郎が昭和37(1962)年に撮影した写真の中にも、富山の薬売りは登場します。自転車の荷台には、薬売りのトレードマークの柳行李がのっかっています。柳行李を開けると、原色のケバケバしいデザインの薬袋がたくさん詰まっていました。各家には赤い薬箱が大抵置いてあり、使った薬を定期的に補充してくれました。おまけとしてくれる紙風船、コマなどを楽しみにしていた子どもも多くいました。

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写真は展示替えした「置き薬」のコーナー。

特別展「歌舞伎と文楽」 人形師・天狗久

2009年7月21日

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この写真は天狗久の製作した文楽(人形浄瑠璃)のかしらです。本名吉岡久吉(ひさよし)。阿波人形浄瑠璃で最も著名な人形師です。安政5(1858)年~昭和18(1943)年。阿波の国府町和田に住む。江戸で人形頭の彫りや京都で人形の塗りを学んだ人形富(にんぎょうとみ)に16歳で弟子入り。舞台で人形を目立たせるために頭を大型化しました。そのため頭の材料を桧(ひのき)から桐(きり)に変えて人形の重さを軽くしました。また、目にガラス玉を使って、目の輝きを表現したのも天狗久の業績です。愛媛のすべての文楽保存会に、この天狗久の製作した人形頭が保存されて、現在も舞台で使われています。そして今回の展示では、天狗久の作品を25点、展示しています。
(写真は俵津文楽保存会蔵・撮影は当館友の会会員の兵頭盡靖氏)

「歌舞伎・文楽展」 市川團十郎の弁慶(勧進帳)

2009年7月18日

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資料名:勧進帳(歌舞伎十八番之内) 国立劇場所蔵

歌舞伎十八番を制定した七代目市川團十郎(のち五代目市川海老蔵)が、嘉永5(1852)年9月に河原崎座で演じた武蔵坊弁慶です。この時の上演は、一世一代のものと銘打って行われました。歌舞伎十八番は、七代目市川團十郎が、市川家の芸として制定したもので、主人公は「荒事(あらごと)」が多く見られます。七代目團十郎は、天保3(1823)年に息子に八代目を襲名させ、自分は五代目海老蔵と改名しました。

この錦絵の右側には、次のような記述があり、代々の市川團十郎の紹介をしています。

「元祖市川段十郎は、慶安4年生まれ。幼名は海老蔵。改めて団十郎と号す。筋隈を工夫、荒事の根元である。ニ代目は、武道、太刀打、和事、立役、所作を始める。三代目より角鬘、濡事、丹前、四代目より実悪が始まる。五代目、六代目団十郎も相伝し、これは成田山(新勝寺)のご利益、大江戸ご贔屓の御恵、冥加で、至極ありがたいことである。慶安4年から今の嘉永5年までの約200年、代々相続している。河原崎座にて、歌舞妓狂言組十八番之内勧進帳を興行する。」

江戸時代の市川團十郎家の歴史を物語る上で、貴重な資料ですし、迫力もあり、見ていて惹きこまれる資料です。

NHK生中継「歌舞伎と文楽の世界」

2009年7月17日

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昨日のNHK松山放送局の夕方の番組「いよかんワイド」で、
「歌舞伎と文楽の世界」展を生中継で紹介していただきました。
展示室で、歌舞伎・文楽に関する展示資料を映したり、
この写真のように、歌舞伎メイクをした職員が登場したり、
伝統芸能の楽しさの一端がお伝えできたかと思います。
ちなみに、写真の右下で隈取(歌舞伎メイク)をしているのは、
NHK松山放送局の西山香子アナウンサー。
今回の中継では大変お世話になり、ありがとうございました。
18:30からの中継の後、即、歌舞伎メイクをして
18:59の番組のエンディングに間に合わせました。

さて、この歌舞伎の隈取ですが、
8月9日と8月23日に「体験!歌舞伎メイクアップ」を実施します。
小中学生対象です。役者気分を味わってみませんか?

レトロパッケージ

2009年7月16日

 特別展「歌舞伎と文楽の世界-愛媛の伝統芸能-」が開幕しましたが、近・現代の常設展示室もいくつかのケースの展示替えを行いました。その一部を紹介します。

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 こちらのケースでは、さまざまな商品のパッケージを展示しています。紙箱やブリキ缶は、商品のイメージを分かりやすく伝えるレトロなデザインで埋め尽くされています。中でも目につくのはキャラメルの大箱。昔のポケット物のキャラメルは、このような大きな箱に詰められて、メーカーから卸店へ運ばれていました。

 展示している大正時代の森永ミルクキャラメルの大箱にはエンゼル(天使)、昭和初期の明治ミルクキャラメルの大箱には当時の人気キャラクター正ちゃんが描かれています。商品広告にキャラクターは付き物ですが、エンゼルも正ちゃんも現在のキャラクター文化の原点ともいえそうです。

 なお、今日のNHK総合テレビの「いよかんワイド」では、「歌舞伎と文楽の世界-愛媛の伝統芸能-」の会場からの生中継があります。こちらもお見逃しなく。

歌舞伎・文楽講座

2009年7月15日

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本日は、午前中、西予市立城川中学校さんがご来館。
夏休み企画・歴博ナイトミュージアム用の「あんどん」に使う大洲和紙に、
歌舞伎の隈取を書いていただきました。
城川中のみなさん、ありがとうございました。
そして、実際の歌舞伎の隈取をご覧いただきました。

午後は、歴史文化博物館友の会の講座。
今回の特別展「歌舞伎と文楽の世界」の見どころをお話ししました。

実際に人形を持って、からくりを説明したり、
スライドで、現在の愛媛の文楽・歌舞伎の状況を紹介しました。

友の会の会員の中には、会期中に何回もご来館いただく方々も多く、
本当にありがたいことです。

今日は、研修室での講義だけでしたが、
7月25日(土)13:30~は、今度は、実際に展示室内で、
「歌舞伎と文楽の世界」の展示解説をします。