日本の文様―文様になった生きもの達―(5)蝶

6月 26日 木曜日

(5)蝶(ちょう)-ミステリアスな魅力-

 蝶の文様が好まれる理由として、姿の美しさ、華麗さに加えて、その変化の様子から感じられる神秘性があげられます。青虫からさなぎへそして、成虫となって羽ばたく姿に、人々は驚嘆のまなざしで見つめたことでしょう。
 日本では平安時代中期以降に「向い蝶」など有職(ゆうそく)文様として取り入れるようになりました。
 型紙では、丸っこく単純化された蝶が、愛らしく花の間を飛び回っています。

染型紙 蝶 大西金七染物店蔵(四国中央市川之江町)

染型紙 蝶 大西金七染物店蔵(四国中央市川之江町)

 型紙の右下に黒い印があります。これは、型紙を販売する商人の印(はんこ)であり、ここから名前や所在地や屋号などの情報を読み取ることができます。
 染型紙は、江戸時代、伊勢(現在の三重県)で生産や販売が盛んだったことから「伊勢型紙」とも呼ばれます。この型紙も、伊勢から伊予まではるばる運ばれてきたことがわかります。