絹地月星紋陣旗(伝宇都宮宣綱所用)(大安楽寺蔵)
この旗、どこかで目にされた方もいらっしゃるでしょうか。今年の初め頃に何度か新聞掲載もされた旗です。宇和盆地の北端の多田地域、下木城の城主宇都宮宣綱の所用として伝えられてきた陣旗です。
これまで、伝承でのみ語られていましたが、調べてみると実際に戦国末から江戸初期くらいに作成された可能性が高いことが分かってきました。薄い絹地に紅柄を塗布し、反物三幅分の大きな旗の全面に月星の紋様を配するという大胆な意匠。薄く、軽く、大きく、その色合いと大胆さ、また撚りのかけられていない絹糸など、いくつかの要素から戦国末から江戸初期にある程度実用を前提に作られたものではないかと考えられます。月星は武士に好まれた妙見信仰に由来すると考えられます。宇都宮宣綱所用との伝説の真偽は現在定かではありませんが、ちなみに多田宇都宮氏の子孫という地元の庄屋古谷家は月星の家紋を使用しています。また、同寺が祀る多田宇都宮氏の祖・永綱の木像がまとう衣装にも、月星の紋様が描かれています。2470mm×1100mm。
