酒飯論絵巻(当館蔵)
では酒飯論絵巻の最後の場面を紹介しましょう。これは、飯も酒も両方とも好き(中戸)という人の食事場面です。
畳敷きの間で食事と酒が出されています。白木の3つの折敷にのせて、漆塗りの器に酒と料理が盛られています。床の間には花台の上に中国青磁の花瓶一対が置かれ、その後ろには、掛軸が一対掛けられています。左側には、屏風が置かれているようです。当時の武家の食事風景と考えられます。

中戸の台所の様子です。上戸、下戸の場面ではみられなかった、肉や魚など、生臭い食材がみられます。魚や貝、海老、鳥などたくさんの食材が描かれています。
板敷きの台所に座って調理しています。足付の俎板の上で庖丁と長い箸を用いて魚や鳥を調理している姿がみられます。これは食材に手を触れない当時の料理作法にのっとって行われています。囲炉裏では、五徳の上に鍋を載せて、鍋料理が作られています。貝の柄杓で椀に取り分けているようすがみられます。縁側では、鳥の内臓を取り出している姿がみられ、下準備が行われている様子がうかがえます。
このように絵巻に描かれている道具などを見ていくと、当時の道具の使い方をうかがい知ることができます。
これまで、三つの食事風景をみてきましたが、あなたはどの食事スタイルがお好みですか?現在、今回紹介した中戸の場面を公開しています。戦国展も残りあと一週間あまりになりました。ぜひ会場で酒飯論絵巻の世界をお楽しみください。