お菓子な史料3 オモシロイハコ(前編)

7月 30日 土曜日

特別展「昭和子ども図鑑」でお借りしている山星屋コレクションの中から、おもしろいお菓子史料のいくつかを紹介します。

現在、企画展示室の入口には、帽子に丸めがねで、着物に下駄を履いたおじさんが描かれた不思議な物体が置かれています。おじさんの上には「ぼっちやん、ぢようちやん、入れて見ませう、でました、でました」の文字があります。

裏側にまわってみても、やはり同じおじさんが描かれています。でもおじさんの上に記された文句は少し違っていて、「入れて見ましよう、おもしろいものがたくさん出ます」とあります。

正面からみて右側面には文字が全く記されていませんが、扉のようなものが見えます。この扉を開けるとどのようになっているのでしょうか。

正面からみて左側面には、水色の部分に赤色の文字で「オモシロイハコ/入れて見ましよう!/でましたでました」、その下の茶色の部分に黄色の文字で「お菓子/玩具/キャラメル」とあります。また、左上にはコインの投入口のようなもの、下の方には取り出し口のようなものが大きく開いています。このあたりで、この不思議な「オモシロイハコ」の正体に気づいた方も多いでしょう。

その正体を明かす前に、表裏に描かれたおじさんから説明すると、このおじさんは「ノンキナトウサン」といいます。今でこそおじさんのことを知らない人も多いかもしれませんが、大正末から昭和初期にかけては知らない人がいないという程の人気キャラクターでした 。ノンキナトウサンの誕生は、大正12(1923)年。麻生豊が「夕刊報知新聞」紙上で連載した新聞漫画で、とぼけたキャラクターが人気を呼びました。そのことを背景に考えると、この「オモシロハコ」はキャラクター広告の走りともいえそうです。それでは次回に「オモシロハコ」の正体を明かします。