愛媛県歴史文化博物館の秋の特別展「佐田岬半島と西日本の裂織」展も、10月6日の開幕を控えて、急ピッチで作業を行っています
布はタテ糸とヨコ糸を組み合わせて織り上げるものですが、裂織はヨコ糸に裂いた古い布を使用する技法です。裂織で織られた仕事着や着物は、使用地では「ツヅレ」や「オリコ」などと呼ばれています。
その裂織をテーマにした今回の展示では、関連イベントとして、友の会裂織りクラブの作品展をエントランスで開催いたします。
友の会では会員さんによるクラブ活動が行われており、裂織りクラブもその中の一つです。織機を前にし、針を片手に、おしゃべりをしながら、裂織を楽しんでおられます。
今日は月に2回の活動日でしたので、会員さんと相談しながら作品を展示していきました。手提げ袋にタペストリー、めがねケースにクッションカバー、袖なし半天の大作まで彩りあざやかな展示です。
「今の生活に使える裂織りがいいのよ」
とおっしゃっていた言葉が印象的でした。
現在では、仕事着などの裂織の衣服を目にすることは少なくなりました。けれど、裂織クラブのように、裂織を生み出した先人に思いを馳せつつ、「今」の裂織の創作を楽しむ愛好家の方も増えています。
秋の特別展「佐田岬半島と西日本の裂織」展では、人々の生活を支えてきた日本各地の裂織を紹介しております。軽やかで現代的な裂織クラブの作品とあわせて見ていただくことで、裂織の奥深さを感じていただけることと思います。
特別展より一足お先に開幕しました「裂織りクラブ作品展」は、当館エントランス、総合案内横で、無料でご覧いただけます。