遺跡復元画ができるまで-3

2009年5月27日


 現在開催中の企画展「えひめ発掘物語2&絵で見る考古学」で展示中の県内の遺跡復元画の取材の様子をご紹介します。

 相の谷1号墳は来島海峡を望む全長約80mの県内最大の前方後円墳です。現状は調査後約40年を経て、丘陵の山中にあり、海上からもその場所はわかりにくくなっています。

 そこで、同じ高縄半島にある妙見山1号墳を先に見学し、瀬戸内海を臨む前方後円墳のイメージをつかんでいただきました。

 その後、雨の降る中、近隣の来島海峡海上交通センターから島嶼部への眺望を確認します。

 この後、古墳を確認しに山中に入りましたが、雨天のため、写真を撮影できる状況にはありませんでした。

 見学後の昼食時にどのようなイラストを作成するか、イメージを検討します。

 数週間後、早川氏からラフスケッチが送られてきました。

 概ね担当者のイメージ通りでしたが、瀬戸内海の海上交通に詳しい研究者の方から沖合いに浮かぶ船の形が違うのではというご指摘をいただき、準構造船という形の船に書きなおしていただきました。下のスケッチと違いがわかるでしょうか?

 この後も何回かの考証の結果、作品が完成しました。完成した作品を見ると、古墳時代を勉強している担当者にとっても新たな発見が多くありました。 

 この県内最大の古墳を後世に残すことも課題の一つです。

 完成作品は、展示室でご覧ください。