展示予告「異界・妖怪大博覧会」15―涅槃図―

2007年6月28日


これは、涅槃図(ねはんず)という絵です。涅槃(ねはん)とは、釈迦(しゃか)が弟子たちに最後の説法をして、亡くなることをいいます。絵では沙羅双樹(さらそうじゅ)という木々の下で釈迦(しゃか)が亡くなる場面が描かれています。

釈迦(しゃか)は、頭を北側に、顔を西側に寝ています。そのまわりには、菩薩(ぼさつ)や仏弟子にくわえ、鬼や動物なども集まって、うなだれて、悲しんでいます。

図の下部に描かれている動物は、実にさまざまです。十二支の動物はもちろん、象(ぞう)や鶴(つる)、ムカデなどまでいます。


その動物たちの名前を紹介しておきます。どこに描かれているか、観察してみてください。(動物の種類は「大般涅槃経」に記されていますが、江戸時代以降の涅槃図には、その経典に見られない動物も描かれています。)

ねずみ  牛(うし)  虎(とら)  うさぎ  竜(たつ、りゅう)  へび  

馬(うま)  羊(ひつじ)  猿(さる)  にわとり  犬(いぬ)  いのしし

象(ぞう)  獅子(しし、ライオンのこと)  鹿(しか)  豹(ひょう)  

鶴(つる)  孔雀(くじゃく)  おしどり  がちょう  雉(きじ)  

鸚鵡(おうむ)  鷹(たか)  亀(かめ)  とんぼ  蝶(ちょう)  

蟹(かに)  かたつむり  むかで (他にも多くの動物が描かれています。)

なお、この涅槃図は、寛文5(1665)年2月に海蔵寺(宇和島市吉田町)の普覚住職が多くの人々の寄附を集めて納めたものです。高さ約4m、幅2.4mの巨大な掛軸で、現在でも毎年2月15日の涅槃会(釈迦入滅の日)に飾られています。海蔵寺は明暦元(1655)年に再興され、吉田藩主伊達家も篤く信仰した寺院でもあります。

※7月10日開幕の企画展「異界・妖怪大博覧会」では、この涅槃図の他に、大洲藩3代藩主加藤泰恒(かとうやすつね)筆の涅槃図(内子町指定文化財)も展示します。