展示案内特別展・テーマ展 詳細

テーマ展「松山城と武家屋敷」

 慶長5(1600)年、関ヶ原の合戦により伊予半分の20万石を与えられた加藤嘉明が、松山平野の中心にある丘陵の勝山に築城したのが松山城である。松山城には蒲生忠知を経て、徳川家康の甥に当たる松平定行が入り、以降は久松松平家が幕末に至るまで居城として松山藩を治めた。本展では西瀬戸内海を通じて九州地方をにらむ西国支配の要城、松山城の歴史を取り上げるとともに、本丸のある勝山を取り巻くように配置されていた武家屋敷に焦点を当てる。
 松山城については、天守、櫓をはじめ、藩主が居住した三の丸御殿などが精密に描かれた元禄年間(1688〜1704)の松山城下図屏風が遺されている。そこには正確な屋敷割で武家屋敷が並んでおり、階層ごとの住んでいた屋敷の外観を知ることができる。武家屋敷の内部については、藩士が松山藩の普請方に提出した間取り図が約350点伝わっている。間取り図は明治初期に作製されており、その多くには当時住んでいた藩士の名前が記されている。その情報を様々な資料と突き合わせることで、どのエリアの武家屋敷の間取り図なのかを特定することができる。
 本展では、武家屋敷の外観を描いた松山城下図屏風、内部の間取りを描いた絵図、そしてさらに近年の発掘調査の成果も織り交ぜながら、江戸時代に生きた松山城下の武士の暮らしぶりを紹介する。

展示概要

会場
愛媛県歴史文化博物館 考古展示室
会期
2022年12月20日(火)~2023年1月29日(日)
開館時間
午前9時~17時30分(展示室への入室は17時まで)
観覧料
  大人
(高校生以上)
高齢者
(65歳以上)
中学生以下
常設展観覧料 540円
[440円]
280円
[230円]
無料
[無料]
※[ ]内は20名以上の団体料金
休館日
開館日カレンダーをご確認ください。

主な展示資料

松山城下を鳥の目線で描写松山城下図屏風[元禄年間/当館蔵]

高精細画像はこちら

上から眺めると亀の形の城亀郭城秘図[文久4(1864)年/伊予史談会蔵]
藩主が暮らす豪華な御殿の絵図御三丸図[天明3(1783)年以前/伊予史談会蔵]
池水庭園のある武家屋敷三浦正屋敷絵図(代官町一番町)[明治初期/個人蔵・当館保管]
正岡子規が育った武家屋敷正岡隼太屋敷絵図(長町新町)[明治初期/個人蔵・当館保管]
武士の子どもが遊んだ?ミニチュア土製品(県民館跡地出土)[愛媛県教育委員会蔵・当館保管]