歴博では、現在、特別展「はに坊と行く! えひめの古墳探訪」を開催中。また、毎年恒例のテーマ展「おひなさま」も今週から始まりました。
ところで、特別展関連企画として、ヘルシー歴史ウォーク「笠置峠を歩こう」が、3月5日(日)と3月9日(木)に開催されます。西予市内に残る「岩木赤坂古墳」「ナルタキ古墳群」「笠置峠古墳」を見学するとともに、史跡的価値のある古道が残る笠置峠越えの八幡浜街道を歩くというもので、若干ハードではありますが、なかなか面白い?企画だと思います。本来は、歴博友の会の会員限定企画ですが、これを機に友の会に入会していただけるのであれば、初参加大歓迎です。詳しくは事務局まで。なお、3月12日(日)には、「東予の古墳探訪」のバスツアーもあります。
さて、歴博は西予市宇和町卯之町にあるわけですが、卯之町の町並みの中にある先哲記念館で、今「末光績展」が開催されています。末光績って誰? と思う人が多いと思いますが、今も町並みの中に残る末光家住宅に生まれ(伊予銀行頭取などを務められた末光千代太郎氏のおじに当たる)、札幌農学校で有島武郎と知り合い、東宇和郡立農蚕学校(現在の宇和高校の前身)の発足時に校長事務取扱(のちに校長)などを務めた後、40歳で東京帝国大学英文科に入学し、卒業後は明治大学で教壇に立つとともに、山を愛し日本山岳画協会の設立に関わり、さらに新渡戸稲造とも深い親交があって恵泉女学園の創立・発展に晩年を捧げたという人物です。
日曜日(2月19日)に、愛媛新聞の高橋正剛さん(学生時代に住んだ東京荻窪に残るもう一つの末光家住宅が縁で末光績の足跡を追い「北斗の誓い」として記事を連載)の講演があったので、私も聴きにいってきました。会場には、有島武郎とやりとりした手紙、直筆の山の絵、詩集、新渡戸稲造から贈られた扁額など、たくさんの資料が展示されていましたが、地元の方が「卯之町は建物より人脈、人のつながりがすごい」と言われていたのに、すごく納得しました。
歴博の学芸員も、末光家住宅の見学会などの時にお手伝いさせていただいたりしていますが、改めて地域のことをもっと知って連携を深めていきたいと思った次第です。「末光績展」は3月12日(日)までで一部展示替えを行い、3月18日(土)から後期展となるそうです。ご覧になられていない方はぜひどうぞ。そして、お帰りには歴博にお立ち寄りください。