Archive for 5月, 2016

片岡愛之助さん見物の駐車場に「歴博」はいかが?

2016年5月22日

5月28日(土)、「歴博」のある西予市に、最近何かと話題の片岡愛之助さんがやってきます。15:30から卯之町の町並みで「お練り」があるそうですが、その駐車場として「歴博」はいかがでしょうか?

歴博から、卯之町の町並みまでは、博物館の裏手を抜けて徒歩10分弱。下りですし、天気が良ければ木もれ日の中をちょうどいい散歩コースかと思います。コジュケイが「チョットコイ、チョットコイ」と啼いているかもしれません。帰りは登りになるので、多少負荷がかかりますが、ミニ四国88か所や「俳句の径」と名付けられた宇和文化の里俳句フォーラム受賞作の句碑などを見ながらゆっくりと。

歴博でも、当日16:30から鹿踊りシンポジウムが開催されます。西予市城川町窪野の八ッ鹿踊りの実演のほか、東北地方から専門家を招いて、東北地方から伝わったとされる南予の鹿踊りの系譜などについてパネルディスカッションが繰り広げられる予定です。

さらにお時間があれば、当日は19:30まで開館時間を延長していますので、開催中の「愛媛・お祭り博覧会2016」をのぞいて帰ってください。獅子の形をした東北の鹿踊りの頭と南予各地の鹿踊りの頭を見比べて体感していただければ幸いです。

ムササビが入ってくる博物館

2016年5月20日

「歴博」は、木々に囲まれた小高い山の中腹にあります。植栽も、春の桜から、サツキ、そして今はシャクナゲが正面玄関左手に紅紫の花をつけています。ただ、広い敷地を手入れするのはたいへん。毎朝スタッフの方が、ブロワーという機械を使って落ち葉を吹き飛ばしながら集めています。集めた落ち葉は良い肥料になるとか。

人の手が入っていない「自然のまま」では、人はきれいとは感じてくれません。昔、双海の若松進一さんがシーサイド公園をつくった後、毎朝5時に起きて海岸清掃をしてから出勤していたという話をふと思い出しました。

自然と言えば、先週、朝事務室に入ると、「レストランが荒らされている」と指定管理者のスタッフの方がバタバタと。しばらくして「犯人がわかりました。ムササビが入っていました」その後、大捕りものとなったようで「なんとか屋外に逃がしました」との報告が。自然の中にあるとは言え、ムササビが入ってくる博物館というのは、そうないのではないでしょうか、こんなことを「売り」にできないかと思った次第です。
昨日は、「ハチが入っている」という話も。自然とのつきあいもたいへんです。

歴史展示室1の銅鏡X線写真パネル追加

2016年5月13日


先日、当館のX線透過撮影装置を確認していたところ、5年前の機器更新時に撮影した画像がありましたので展示パネルとして、この度、歴史展示室1の相の谷1号墳のコーナーに追加しました。
相の谷1号墳出土鏡二面については、過去のブログ12にて紹介しましたが、中国鏡の一種の画像鏡一面と国産の鏡(倭鏡)の一種である獣紋鏡(ダ龍鏡)一面です。

写真パネルでもわかるように、画像鏡は割れて出土し、2003~2004年度の保存処理の際に完形に復元したものです。割れ方を観察すると数箇所に力が加わって割れている状況がわかります。また、銘文の一部も見ることが可能です。
獣紋鏡はX線写真で観察すると、獣の形が簡略化されていることがわかります。このX線写真パネル(拡大)により、銅鏡の文様がより見やすくなったのではないかと思います。
当館では、県内の調査機関や市町教育委員会の依頼を受けて、X線透過写真撮影を行っています。今後も新しい発見があれば、紹介していきたいと思います。

祭りは文化!

2016年5月10日

GW期間中は、ふだんとは違った客層でにぎわった「歴博」。5月3日は、開館前から玄関前に親子連れの行列。忍術集団「黒党」による忍術教室の整理券を求める人たちでした。3~5日は鎧武者に変身コーナーもあり小さなお子さんを連れた家族連れの姿が目立ちました。体験教室にはボランティアで宇和島南中高の女子生徒さんも大勢。5日の文楽公演では、御年90歳とはとても思えぬ張りのある浄瑠璃語りと若手の人形遣いたちとの見事なコラボ。8日には祭礼研究をされている佐藤秀之先生の講演に、西条からいかにも「祭り命」といった御一行が。
そうです。「歴博」では、ただ今特別展「愛媛・お祭り博覧会」を好評開催中。

まず入り口に置かれているのが、吉田秋祭りの練車(人形屋台)。搬入の際に立ち会いましたが、ふだん分解保管しているものを、指揮する方が次々と指示し、1時間ほどで組立て完了。そのつど組み立てることにより、若い人に引き継がれるというのは、まさに文化だと思いました。吉田秋祭りは、毎年11月3日文化の日に開催されます。江戸時代の絵巻に描かれたものと同じ「おねり」が続く様子はなかなか趣深いものです。

私も一昨年、文化庁の調査官と一緒に拝見しましたが、さすが吉田三万石、きちんとした祭り文化が残っています。現在、専門家も交えて調査研究が進められており、近い将来、国の無形文化財の指定を受ける日が来ると思われます。実は、本家の宇和島・宇和津彦神社の祭礼でも戦前までは同じようなお練り行列があったとのこと、今回展示されている祭礼図でご確認ください。

その隣にあるのが、伊方町小中浦の「御車」。中の人形は、牛若丸と弁慶。後ろの彫刻は、牛若丸の鞍馬での修行と凝っています。先日、伊方出身の方にこの話をしたら「伊方の秋祭りも、屋台、牛鬼、鹿踊りと全部そろってるんよ」と言われて、思わず「知らなかった~です」! 伊達文化恐るべし。知られていませんが、南予各地にそれぞれ祭り文化が継承されているのです。

考古展示室に土器パズル大集合!!

2016年5月1日

昨年度のブログで、当館では“土器”や“埴輪”などの立体パズルを数多く持っていることを紹介いたしましたが、今回のテーマ展「発掘 南予の遺跡 Part3-考古収蔵庫に眠る南予の宝-」の会場には、そのうち6つの立体パズルを置いています。
その内訳は、縄文土器2つ、弥生土器1つ、鶏形埴輪1つ、近世陶磁器2つで、縄文時代~江戸時代における多様な立体パズルが一堂に揃っています。このなかには担当者も唸るほどの大変難しいパズルもありますので、ぜひ一度チャレンジしてみて下さい。